にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

23/10/08 Weekly National Hunt / Jump Racing

10/2(月)

Honzrath (GER) Boden: Sand (trocken)

Hindernispreis des Saarlandes

Jagdrennen, 3.400 m, 6.000 €, Für 4-jährige und ältere Pferde. (Replay)

1. Dotie Boy (GB) J: Hakim Tabet T: Christian von der Recke

世界的にも極めて珍しい走路全体としてダートコースを使用する障害競争。イギリスでもかつてはAll Weather SteeplechaseとしてLingfield及びSouthwellで類似の競争が行われていたが、その殆どはHurdle競走で、Honzrath競馬場のように本格的な生垣障害を使用する競走は極めて珍しい。元々ベルギーAngelo Floryn厩舎からAbadie及びGrain De Poussiereという2頭も出走を予定していたが、うち1頭にトラブルがあり、1頭だけ遠征するのはどうかということで結果的に2頭とも取り消しとなり、レースはドイツChristian von der Recke厩舎の2頭のみで行われた。レースはほぼその2頭のマッチレースとなるも、終盤前に出てきたDotie BoyがGuiriを僅差で抑えて勝利した。

出走馬はベルギーも含めてようやく4頭、そのベルギーの2頭も取り消すという残念な戦前であったが、結果的には2頭のマッチレースが展開され、小頭数とはいえど見ごたえのあるレースが展開された。Dotie Boyは前走はMeranoのSteeplechase D'Italia (G2)に遠征しており、最終障害で飛越拒否をして競争中止に終わっている。その前にはQuakenbrückのSeejagdrennenを勝利していた馬で、今回はスローペースもあってややもたもたと飛越する場面もあったのだが、とはいえこれはペースやコースの特性もあって仕方のないものだろう。2着のGuiriはBad HarzburgのSeejadgrennenを棚ぼたで勝利した馬だが、やはりこの馬もアイルランドやイギリスではほぼHurdleばかりを使ってきたということもあって、まだ大型の障害には慣れが必要のようだ。フランス等でもう少し障害競争を経験することができれば更なるレベルアップが期待できるだろう。いずれにせよ、これらの諸問題はドイツ障害競馬開催数の増加により解決可能な問題である。来年は年間を通じて少なくとも2020年よりも前の水準の競争数で障害競馬の開催を望みたいところである。

 

10/3(火)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

Prix Guillaume De Pracomtal (Listed)

Haies Handicap Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, ayant couru depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus et ayant, lors de l'une de leurs six dernières courses en obstacles, soit été classés dans les sept premiers d'une course ayant servi de support à des paris enregistrés sur le plan national, soit ayant reçu une allocation de 7.500, soit été classés dans les trois premiers d'un prix (A Réclamer excepté) couru sur un hippodrome de 1ère catégorie. 3600m (Replay)

1. Edwina (FR) J: James Reveley T: Jean-Philippe Dubois

4歳馬を対象としたHandicap競走。レースは前々で積極的に運んだEdwinaがRoazhon Parkを振り切って勝利した。EdwinaはHaies自体は昨年11月のClasse2から2勝目となる。9月にListed競走では終盤で派手な落馬に終わっていたが、今回は結果を残した。最近になって障害種牡馬としても評価されているMartinboroughの産駒で、Martinborough産駒のListed以上では初勝利とした。一時期種付け数も減少していたものの2023年には再度増加傾向も認められているようで、その産駒の活躍を楽しみにしたいところである。未勝利馬Roazhon Parkが惜しい2着。3、4着にはMamix's Passion、Hill of Bambooと、Gemixの産駒が入った。

 

〇 Prix De Bagatelle (Classe 1)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 et 6 ans, les 6 ans n'ayant pas, en steeple-chase, reçu 22.000 (victoires et places).  4400m (Replay)

1. Kamchatka (FR) J: Bertrand Lestrade T: Etienne d’Andigné 

Imprenableが軽快に引っ張る展開も、後方からじわじわと位置を上げてきたKamchatkaがあっさり後続を突き放して勝利した。KamtchatkaはSteeplechaseはNancyのClasse1から2勝目とした。昨年Steeplechaseに挑戦したときはあまり上手くいかなかったようだが、今年の秋にはだいぶ力をつけているようで、今回もトップハンデを背負ってなかなか印象的な走りであった。前走はIl Est Francaisの2着に入っていたようで、5歳世代としてなかなか楽しみな存在になりそうだ。Choeur Du Nordの産駒であるImprenableが2着に入った。Prix Alain Du Breil (G1)での4着など、Haiesにおいては世代の一線級で走っていた馬だが、Steeplechaseではまだそこまで目立った成績を残せていないようだ。

 

10/7(土)

Pardubice (CZE) Stav dráhy: 3.3 (dobrá)

Stříbrná trofej – Cena pivovarů Staropramen

Steeplechase NL - 4400 m, cena, 5letí a starší 300.000 Kč (Replay)

1. Sternkranz (GER) J: ž. Jan Kratochvíl T: Váňa ml. Josef

レースは一頭早々に遅れたBell Elyseesを残してSternkranzが淡々と引っ張る展開。Oroblanco、Wilantosを交わしてDiminiqueが前に迫るも、これらを振り切ってSternkranzが快勝した。

Sternkranzはこのレースは昨年に続いての勝利とした。PrahaのZlatý pohárから連勝というのは昨年と同様のパターンで、本来はGran Premio Meranoへの出走も予定していたのだが、騎手の問題で出走取消となっていた。昨年はこの後はフランスのSteeplechase又はHaiesに遠征しており、今年もおそらく同じローテーションとなるものと思われるが、昨年と比較してなにか大きく変わっているというわけでもなさそうで、9歳という年齢も考えるとあまり大きく上がり目はあるわけではなさそうだ。この路線の常連Dominiqueが2着。スロバキアのOroblancoもいたのだが、さすがに今回は相手がかなり強かったようで、前からは遅れた3着に終わった。

 

Zlatá spona tříletých BICZ holding 2023

Proutky I.kat. - 3200 m, cena, 3letí 200.000 Kč (Replay)

1. Medulienka (GB) J: ž. Benoit Claudic T: Štangel Marián

イタリア帰りのMakassirが人気を背負っていたが、早々に制御を欠いて途中棄権、代わってKomtesaがかなりリードを取って逃げる格好となるが、最終コーナーから後続が接近。Medulienkaが最終障害でKomtesaを捉えると、そのまま後続を振り切って勝利した。Claudioが2着に上がった。

Medulienkaはスロバキア調教馬だが、Proutkyはこれで前走の9月の競争から2連勝とした。Nathanielの産駒で平地競争で目立った実績があるわけではないのだが、とはいえKomtesaが比較的早いペースで引っ張った中で一頭強い競馬を見せた馬として記憶しておいてもいいかもしれない。前走そのProtkyでMedulienkaの3着に入ったClaudioが2着。Egertonの産駒で、この馬も平地競馬でどうこうということはないのだが、Hřebčín Napajedlaの生産馬ということもあり、血統的にも距離を伸ばして引き続き期待したい。No Risk At All産駒の牝馬Komtesaは積極的に飛ばしたが最後は捕まって3着に終わった。未去勢のEagle Top産駒Armontが4着に入った。

 

Křišťálový pohár města Pardubic za podpory závodiště Wroclaw

Proutky NL - 3400 m, cena, 4letí a starší 300.000 Kč (Replay)

1. Dionis (GER) J: ž. Pavel Složil ml. T: Tůma Pavel

Wonder Womanが前を伺うも、若手の女性騎手Dominika Baranováが騎乗したLotosが引っかかり気味にこれに絡んでいく。さらに途中からNorthern Fighterも絡んでいきペースは上がる。2周目の途中からDionisが前に出てくるとWonder Womanは後退。そのままDionisがPomella以下を振り切って快勝した。3着にはLord Dragonが入った。

DionisはこれでProutkyはスロバキアの競争から連勝とした。昨年の9月にはMeranoのCorsa Siepi Dei 4 Anni (G1)で2着に入っていた素質馬で、今年はどうにも順調に使えていない感もあるのだが、とはいえ今回のレース内容としては今後に繋がるものであった。だいぶ速いペースを追走しての快勝ということでレース内容は評価できそうだ。同じく4歳馬で、昨年Křišťálový pohár města Pardubicを勝ったPomellaが2着。当時のレースではTcheque KingやCapivariといった実績馬を下す内容で、今年8月のProutkyでは2着に4秒近い大差をつけて快勝していた能力馬である。Lord Dragonはフランスでも戦ってきた経験のあるScuderia Aichinerの持ち馬で、この馬を基準にすればなかなか上位2頭はハイレベルなものと考えてよさそうだ。前走Wielka Partynickaで穴を開けたDařbujánもいたのだが、後方から脚を伸ばすも6着まで。基本的にはもう少しゆったりしたペースで運ぶレースの方がよさそうで、距離的にも短かったものと思われる。

 

10/8(日)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

Prix De Maisons-Laffitte (G3)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 3600m (Replay)

1. Whymper (GER) J: Baptiste Le Clerc T: Lagenest & Macaire

日本人的には名前が気になるJaponが前に行く展開も、スタンド前からWhymperがこれと並走する格好に。外にコースを取ってレースを引っ張る形になったWhymperは軽快に前に出ると、ついてきたAngela Du Berlaisを制して勝利した。

Whymperはこれで9月のListedから連勝とした。元々一度はSteeplechaseに出ている馬だが、CompiegneのListedを制したのみでHaiesに戻している。Angela Du Berlaisとの着差は僅かだが、馬を追ったのはほぼ最後の数十メートルといったところで、馬の余力がどれだけあったのかはわからないが見た目以上に着差は見積もっておいた方がよさそうだ。昨年10月にPrix Magne (G3)という牝馬限定のHaiesを勝利したAngela Du Berlaisが2着。3月にListedを勝利しているLiebeccioが3着と、重賞戦線である程度勝負になる水準の馬たちが上位に来ていたことを考えると、Whymperの走りはなかなかに評価してよさそうだ。

 

Haras Du Pin (FR) Bon

Prix Du Conseil Departemental De L'orne Grand Steeplechase Cross Country Du Pin (Classse 1)

Cross Country # 13 TROPHEE NATIONAL DU CROSS HARAS DU LION Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 5200m (Replay)

1. Special Du Rocher (FR) J: Thomas Blainville T: Daniel Lenfant

途中には特徴的な3連続障害も設置されているHaras Du PinのCross Country。レースはHorus D'Aubrelleが淡々と引っ張る展開で、終盤からHorus D'Aubrelleが後続にリードを取って逃げ込みを図るも、じわじわとこれに迫ったSpecial Du RocherがHorus D'Aubrelleとの叩き合いを制して勝利した。

Special Du Rocherは今年のCorlayのGrand Crossを勝った馬で、TNCは今年は2勝目とした。CraonのGrand Crossでは途中棄権、GranvilleのGrand Crossでは離れた大敗に終わっているようだが、今回は結果を残した。とはいえCorlayのGrand CrossでもBarcarolleのアクシデントに助けられた感はありそうで、今回もメンバー的にはどうかというところはありそうだ。6歳のAQPSのHorus D'Aubrelleはこれで5戦連続の2着。Cross Countryに転向後は2着以下に落ちたことはないという驚異的な堅実ぶりで、ここまで上のクラスでどうこうということはないのだが、このようなタイプは少し注意しておいた方が良いだろう。今年のFontainebleuのGrand Crossで3着に入ったHavaneaが3着。Saddler Makerの産駒でもあり、馬場はもう少し渋った方がよさそうだ。Waregemの常連Flaviusは途中で何度か飛越をミスしたのか途中棄権。このコースでも実績があり、春にはSaumurで結果を残したGreat Du Largeもいたのだが、早々に落馬に終わった。

 

Pardubice (CZE) Stav dráhy: 3.4 (dobrá)

Cena společnosti VCES a.s. - Cena Laty Brandisové

Steeplechase crosscountry I.kat. - 4200 m, cena, 4letí a starší - klisny 200.000 Kč (Replay)

1. Babilonia (IRE) J: ž. Jakub Kocman T: Lempochnerová Veronika

Velká Pardubickáの日はCross Country計7競走が行われる。Velká Pardubickáしか見ていないと思しき日本のファンは多いようだが、この日の第1レースから見た方がVelká Pardubickáという競走をより深く理解することができて面白いと思う。レースはZtracenkaがゆったりと前を走る展開で、これにAlegoria、Ironikaなどがついて行く。徐々に進出してきたBabiloniaが前を射程圏内に入れるも、するすると逃げていたZtracenkaがBabiloniaを突き放して勝利した。

しかしながら、勝ったZtracenkaを含め、Alegoria、Ironika、Sheby Loveの4頭は既定のコースを走らなかったとして失格となったそうだ。ZtracenkaはPop Rockの産駒で、このレースは2021年は勝利、2022年は2着に入っている。基本的に牝馬相手であれば安定したレースができる馬で、今回はPetr Tůma騎手の巧みなレース運びもあった。棚ぼたで勝利を掴んだのが10歳となったBabiloniaで、昨年は主にWroclawのSteeplechaseにもいた馬なのだが、今年はPardubiceに来ているようだ。ただし基本的には下級条件戦又は牝馬相手ならではといったところで、あまりここからの伸びしろという意味では期待はできなさそうだ。Cosmic Magicが人気を集めていたようだが、どうにも後方から動き切れず、前からはやや離れた5位入線となった。年齢的にはまだ8歳と若い馬だが、どうにもここのところはズブさを見せているようで、今回はPetr Tůma騎手のペース配分の中では動き切れなかったというのが現状だろう。

 

Cena společnosti Chládek a Tintěra, Pardubice a.s. – Cena ČASCH

Steeplechase crosscountry I.kat. - 4200 m, cena, 4letí 200.000 Kč (Replay)

1. Fort Medoc (FR) J: ž. Jan Faltejsek T: Tůma Pavel

レースはConspirationistがChittussiを引き連れて逃げる展開。The Boss Is BackとImpasは早々に落馬。途中からChittussiがConspirationistを交わして前に出て引っ張ると、どうにも飛越にもたついていたFort Medocを尻目に逃げ込みを図る。後ろから来たStormmyとChittussiの2頭の争いかと思われたが、最終障害を越えて再度伸びてきたFort Medocがこれらを捉えて勝利した。

Fort MedocはこれでCross Countryは3戦全勝、Proutkyも含めると6戦無敗とした。Doctor Dinoのフランス生産馬だがフランスでのレース経験はなく、チェコでデビューした生え抜きの障害馬である。全体的に飛越にもたつく面が多くみられたが、とはいえそこから終い伸びてくるのは大したもので、飛越が良くなれば来年以降の活躍がなかなか楽しみになる存在だろう。同じ勝負服のChittussiは積極的に運んで2着。Martin Liška騎手兼調教師の陣営が送り込んだStormmyは惜しい2着だが、レース内の仕草とは裏腹にここ3戦ほどはかなりコンスタントに走っているようだ。

 

〇 Pohár BICZ holding 2023

Steeplechase crosscountry III.kat. - 4600 m, handicap, 5letí a starší 90.000 Kč (Replay)

1. High In The Sky (FR) (AQPS) J: Daniel Vyhnálek T: Török Dalibor

レースはやや激しい先行争いからIt's Quini Tiepが積極的に前に出ていく展開で、Renasi、Elsidなどが続く格好となる。It's Quini Tiepは積極的に引っ張るも、ここにRenasiがかなり積極的に絡んでいき、Lastinととも先頭で逃げ込みを図る。しかし後ろから追い上げたHigh In The Skyがこの2頭の間を割って出てくると、最後追い込んで来たRegtime以下を凌いで勝利した。

High In The SkyはこれでCross Countryは2勝目とした。今年の春はフランスに参戦していた馬だが、どうやらそこでだいぶ力をつけてきたようだ。III. kat.らしからぬハイペースでレースが進む中、後方から最後まで脚を伸ばし切ったレースはなかなか評価できそうで、さらに距離が伸びてパフォーマンスを上げてくる可能性もありそうだ。あのRegistanaの産駒であるRegtimeも惜しい2着。やや途中ではスピード負けしているような感もあるのだが、これはここまで下級条件戦ばかりを使ってきた馬ということを考えればあり得る現象だろう。High In The Skyの66.0kgに対してこの馬は70.5kgと、内容的には勝ちに値するものである。まだ6歳と若い馬で、来年以降の活躍に期待したい。

 

Cena hejtmana Pardubického kraje – Cena Vltavy

Steeplechase crosscountry NL - 4500 m, cena, 5letí a starší 500.000 Kč (Replay)

1. Un Reve Dautomne (FR) J: ž. Jaroslav Myška T: Myšková Štěpánka

Cross Countryにおける4000メートルクラスの競争としては最も大きいものだが、実質的にはVelká pardubickáを目指す比較的若い馬が主にそれ以上の年代の馬との対決の場となる競走として機能している。レースは実績馬Aeneasが気分よく引っ張る展開で、これにAveris、Beau Fixeなどがついて行く。対抗馬として目されていたGreek Dessertは後ろから。Irish Bankも軽快に超えていったAeneasは快調に引っ張るも、終盤の障害でAverisを巻き込んでまさかのコースミス。代わって前に出てきたUn Reve Dautomneが後続に11馬身差をつけて勝利した。

Aneasはこの路線ではすっかりおなじみになっている馬で、今年の2nd Qualification RaceでもLodgian Whistleの4着に入っている。本来であればVelká pardubickáに出走していてもおかしくない馬ではあるのだが、とはいえ距離的な不安があるのかこちらを選択してきたようだ。レース運びとしてはここでは格と経験の違いを感じさせるもので、かなり勿体ない結果となってしまった。9歳のGalileo産駒で、現時点でも未去勢ということを考えるとどこまで現役を続行するかはわからない。勝ったUn Reve Dautomneはこれが初勝利とした。ここまでCross Countryは3戦して全て3着と堅実な馬で、Doctor Dino産駒と距離的にはかなり可能性がありそうであることを考えると、本来であれば来年5000メートルクラスの競争において期待したい馬だろう。同じく5歳馬のGreek Dessertは案外な結果に終わったが、途中でかなり大きなミスがあり、そこからリズムを崩したものと思われる。2着のBilbo D'Assault、3着のBeau Fixeとともにこのクラスでどうこうという馬ではないことを考えると、勝ち馬の勝ち方としては立派であったが、この距離への高い適性と可能性を示したものではなかったと思われる。

 

Cena Lesů České republiky – Cena Labe

Steeplechase crosscountry L - 5200 m, cena, 6letí a starší 700.000 Kč (Replay)

1. Sexy Lord (CZE) J: ž. Jaroslav Myška T: Růžičková Martina

この日の準メイン競走。レースは人気にSexy Lordが元気に前に出てくる展開で、これを見ながらYara、Čáryjapeなどが好位から進める。途中からやや引っかかり気味にYaraがSexy Lordに絡んでいくも、終始快調な飛越で進めたSexy Lordが後続を振り切ると、Čáryjapeに12馬身差をつけて圧勝した。

Sexy Lordはこれで3連勝とした。昨年の末にVelká slušovickáを勝った馬だが、今年は5000メートルクラスのCross Countryにおいて頭角を現しており、ここまで4000メートルクラス以下では未勝利であったのが、5000メートルを超える競走では4戦無敗と明らかに距離延長に伴ってパフォーマンスを上げてきている。ここでも全体的に緩みのないペースで引っ張り、全体的に前向きで積極的な飛越を見せており、明らかに来年以降のVelká pardubickáを目指すべき一頭だろう。母Sexy SecretaryはHřebčín Napajedlaの生産馬で、その活躍が楽しみである。同じく最近は5000メートルクラスのCross Countryで結果を残しているAge of Jape産駒のČáryjapeが2着に入った。だいぶ勝ち馬からは離されてしまっているが、とはいえこの馬もこの距離に適性があるのだろう。前走3000メートルクラスでCross Country初勝利を挙げたYaraが3着。基本的にある程度締まったペースで気持ちを切らさずに走ればというところはあるのかもしれない。11歳の牝馬で年齢的にはそろそろという感もあるのだが、気性的な問題がなければもっと大きいところを取れた馬だろう。Dr. Charvátの勝負服のKorfuはあいにくの落馬に終わった。

 

Poplerův memoriál skupiny SOMI

Steeplechase crosscountry NL - 3300 m, cena, 5letí a starší 300.000 Kč (Replay)

1. Quart De Garde (FR) J: ž. Jan Faltejsek T: Török Dalibor

レースはPiton Des Neigesが前に行くも、これにLianel、Hapgarde De Thaixなどがついて行く。早々にJonchoeur Debelairは落馬。Waterの辺りからJames BestのLianelが前に出て引っ張るも、Mr Zuru、さらにはMedicimanなどが接近。しかしさらに後ろからQuart De Gardeがこれに迫ると、Mr Zuruに8馬身差をつけて快勝した。

Quart De Gardeはこれで2連勝とした。5月に移籍初戦で挑んだII. kat.ではMr ZuruやLianelなどを下して勝利しており、この路線における高い適性を見せていた。まだ8歳と若い馬で、来年以降どのような路線を使うのかは未知数だが、ひとまずこの路線では頭一つ抜けた存在と言っていいだろう。スロバキアのMr Zuruが2着。この路線では堅実に上位争いを繰り広げている馬で、6月にはI. kat.のCena společnosti Tipsport – ČERVNOVÁ CROSS COUNTRY VálečníkaでLianelを下して勝利している。そのLianelは今回はイギリス人騎手James Bestとのコンビであったが、積極的なレースで3着に入った。James Bestは2019年以来のPardubiceへの参戦であったが、Pardubiceでもコンスタントに結果を残している。ベテランMedicimen、Lad Inは遅れての入線。Gran Premio Merano (G1)からの参戦となったPiton Des Neigesは積極的に運んだが、早々に遅れて大敗。かつてはGran Corsa SIepi D'Italia (G1)で2着に入った実績もあるのだが、最近はどうにもかなり厳しいローテーションが組まれており、陣営がなにがしたいのかわからない。フランスからの移籍2戦目であるHapgarde De Thaixはスピード面でここでは厳しいようだ。Choeur Du Nord産駒のJonchoeur Debelairはこれがチェコ移籍初戦であったが、早々に落馬に終わった。

 

133. Velká pardubická se Slavia pojišťovnou

Steeplechase crosscountry L - 6900 m, cena, 6letí a starší 5.000.000 Kč

別記事参照

 

Maienfeld (SWI)

〇 PREIS VON "DO IT" UND CALANDAWIND

CHF 10'000 - Cross-Country - 4200 Meter (Parcours Nr. 1, leichte Bahn) - 4jährige und ältere Pferde (Replay)

1. Etoile Des Vernes (FR) (AQPS) J: Michael Huber T: Jürg Langmeier 

レースはGrand Frissonが逃げる展開も、途中の急カーブを利してEtoile Des Vernが先頭に。そのままEtoile Des Vernが逃げ込みを図るも、これについて行ったOn Your Markが最後捉えて1位入線となった。

残念ながらどうやらEtoile Des Vernes以外の馬はおそらくコースを間違えたとかで失格になったようだ。On Your Markは長くフランスで走っていた馬で、一度はCompiegneのGrand Crossにも出走歴がある。どうやら今年の秋にスイスに移籍したようで、前走はGrosser Preis Der Schweizに出走していた。残念ながらそこでは結果は出なかったようだが、スイス2戦目で結果を残したということで、これから楽しみな存歳になりそうだ。Etoile Des Vernesはもはやスイスではかなり長い馬で、8月にはAarauでPreis Der Stadt Aarauを勝利している。Grand FrissonやRoyal Devil、AlvaといったスイスCross Countryとしてはいつものメンバーが相手で、しっかりこの馬の力は見せてくれた内容と言えよう。

 

〇 PREIS DES KANTONS GRAUBÜNDEN

CHF 10'000 - Jagdrennen - 3850 Meter - 4jährige und ältere Pferde (Replay)

1. Joli Cour (FR) (AQPS) J: Gabriele Agus T: Josef Stadelmann

Impetrant Lordが淡々と引っ張るも、途中でコースをミスして後退。代わって前に出たIvan WillとJoli Courの一騎打ちになるも、Joli CourがIvan Willを振り切ると、最後復活してきたImpetrant Lordを振り切って勝利した。

Joli Courはスイス移籍後は初勝利とした。フランスでのキャリアはそう多くはなく、5戦して未勝利とあまりいいところはなかったのだが、まだ4歳と若い馬がこの地に新たな活躍の場を見出せたことは喜ばしいことだろう。昨年からスイスに移籍しており、既にスイスでは2勝を挙げているImpetrant Lordが2着。こちらもまだ5歳と若い馬だが、レース内容を考えればこちらを上に取るべきかもしれない。Ivan WillはImpetrant Lordのミスを利して前に出てきたが、どうにもそこからの飛越にミスが目立っており、最後はやや遅れて3着に終わった。

 

GROSSER PREIS DER STADT MAIENFELD

CHF 25'000 - Cross-Country - 5400 Meter (Parcours Nr. 3) - 4jährige und ältere Pferde (Replay)

1. Fou De Reve (FR) (AQPS) J: Corentin Smeulders T: Josef Stadelmann

レースはDaniarが淡々と引っ張る展開も、終盤になって番手にいたFou De Reveがこれに並んでいく。スパートをかけたFou De ReveはDaniarを振り切ると、そのまま後続に大差をつけて勝利した。2着にはDaniarがPersian Dollとの叩き合いを制して入った。

Fou De Reveは今年に入ってスイスSteeplechaseではトップクラスの活躍を見せている馬で、6月のGrosser Preis Des Kantos Aargauではチェコの強豪Greek Dessertを凌いで勝利している。Grosser Preis Des SchweizでもSwinging Thomasから僅差の3着に入っており、現時点ではスイストップクラスの1頭と言っていいだろう。スイスSteeplechaseにおいて重要な小回りの利く飛越とスプリント能力を兼ね備えた馬で、引き続きこの路線で期待できそうだ。フランスからの移籍初戦で、AarauのCross Countryを勝ってきたDaniarは積極的にレースを作ったが、勝負所でのミスもあってかFou De Reveから置いて行かれ2着。元々はイタリアGuiliano Rota厩舎に所属しており、現在はJürg Langmeier厩舎に所属しているPersian Dollは最後追い上げて3着に来た。