にげうまメモ

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24/01/07 Weekly National Hunt / Jump Racing

1/1(月)

Cheltenham (UK) Heavy (Soft in places)

Paddy Power New Year's Day Handicap Chase (Premier Handicap) 2m4f127y (Replay)

1. Shakem Up'Arry (IRE) J: Ben Jones T: Ben Pauling

軽量のFrero BanbouがStage Starを制して前に行く展開も、残り2障害前から先頭に出たShakem Up'arryがそのままFrero Banbouを突き放して勝利した。

Shakem Up'arryは遡ればTolworth Novices' Hurdle (G1)の2着がある馬だが、ChaseではClass3のHandicap勝ちのみに留まっていた。重賞戦線への出走歴もありそれなりに好走した例もあるようだが、重賞は初勝利となった。今年の春にWind Surgeryを行ったようで、これが復帰後3戦目であったのだが、ようやく結果を出すことに成功したようだ。前走のNewburyのCoral Gold Cup (Premier Handicap)は積極的に運ぶも最後は失速していたようで、ある程度前向きに走る馬であることを考えると20fの方がよさそうだ。近走好調のFrero Banbouが積極的に運んで2着。12st0lbのトップハンデを背負うも人気を集めていたStage Starは途中から飛越にスムーズさを欠いての途中棄権。どうにも大敗と好走を繰り返す馬で、あまり悲観しすぎない程度に期待したい。

 

Relkeel Hurdle (G2) 2m4f56y (Replay)

1. Bob Olinger (IRE) J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

Strong Leaderがやや後続にリードを取って逃げるも、勝負所から馬群は密集。外を抜けてきたBob OlingerがMarie's Rockを振り切って勝利した。

Bob OlingerはNavanのLismullen Hurdle (G2)から連勝とした。元々Novice戦線では高く素質を評価されていた馬だが、2022-2023シーズンはどうにも不調に終わっていたようで、今シーズンに入ってようやく復調気配を見せている。Leopardstownではなく比較的メンバーが手薄なこちらに回って来たのは気になるところだが、元々のこの馬に対する評価を考えればやはり一線級相手で期待したいところである。連覇を狙った牝馬Marie's Rockが2着に入った。昨年のMares' Hurdle (G1)では大敗しているのだが、その後も牡馬・セン馬相手に結果を残しており、引き続き牝馬相手であれば実力上位であろう。

 

Fairyhouse (IRE) Heavy

John & Chich Fowler Memorial EBF Mares Chase (G3) 2m5f92y (Replay)

1. Riviere D'Etel (FR) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

InstitとMust Be Obeyedが並んで前に行く展開も、残り4障害辺りから前に出たRiviere D'EtelがAllegorie De Vassyを大きく突き放して勝利した。

Riviere D'Etelは2021年のKlairon davis Novice Chase (G3)以来の勝利とした。その後は16~20f程度の重賞を転々としているようだが、どうにも飛越が安定しなかったりと勝ち切れていなかったようで、今回は久々の勝利となった。かなり重い馬場ということでこの馬には向いたようで、あまり着差は当てにならなそうな印象もあるのだが、牝馬相手であれば期待したい。Clonmelの牝馬限定Listed競走を制したAllegorie De Vassyはやや案外な2着に終わった。この馬自身重馬場には実績があるのだが、それ以上に勝ち馬の適性が上回っていたのか、結果の解釈には引き続き注視しておきたい。

 

Tramore (IRE) Heavy

Savills New Year's Day Chase (G3) 2m6f170y (Replay)

1. Jungle Boogie (IRE) J: Darragh O'Keeffe T: Henry de Bromhead

以前は毎年のようにAl Boum Photoが大威張りしていたレースなのだが、今年は24f ChaseのG1クラスで一線級の馬は出走せずとなった。レースは最終周からJungle Boogieがペースを上げ後続を引き離すも、残り2障害辺りからClassic Getawayが先頭に。しかし最後苦しくなったClassic GetawayをJungle Boogieが差し返して勝利した。

Jungle Boogieは元々Willie Mullins厩舎にいた馬なのだが、708日間の休養を経てHilly Way Chase (G2)で復帰していた。Willie Mullins時代はNHF、Hurdle、Chaseをそれぞれ1戦したのみと殆どまともにレースに使えていなかったようで、今年で10歳と高齢だがレース経験は僅かである。順調にレースに出走できるようであれば可能性のある一頭だろう。ThurlesのListedを勝ってきたClassic Getawayが2着だが、勝ち馬とは3lbの斤量差があった。Minella Croonerは道中前2頭から大きく置いて行かれるも、最後猛然と差を詰めての3着で、これで差し切っていたら伝説になっていた。レース振りからすると距離を伸ばしてよさそうな印象もあるのだが、Porterstown Chase (Listed)では途中で苦しくなり早々に途中棄権に終わっていたりするようだ。

 

1/6(土)

Pau (FR) Lourd (4.7)

Prix Bernard De Dufau (Listed)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus (nés en 2019 et antérieurement).  4700m (Replay)

1. Youtwo Glass (FR) J: James Reveley T: Daniela Mele

軽快に引っ張ったYoutwo Glassが付いてきたInaya Jones以下を振り切ると、Marie Coastalaとの内外離れた叩き合いを制して勝利した。

Youtwo Glassは昨年もPauのSteeplechaseで結果を残した馬で、昨年はこのレースの勝利後に2月に行われるGrand Prix De Pau (G3)を制している。今年も同様のローテーションを経るものと思われるが、72kgを背負って強い競馬を見せた。AuteuilのSteeplechaseではあまりいいところはなかったようだが、おそらく小回りで重馬場となるPauが向いているのだろう。67kgの軽量で挑んだ牝馬Marie Coastalaが2着。Youtwo Glassを追いかけていった結果苦しくなったInaya Jones、Genesis Asなどを交わして前に出てきたもので、勝ち馬の強さが目立つレース内容となった。

 

〇 Prix Mortimer De Lassence (Classe 1)

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus (nés en 2018 et antérieurement) 5600m (Replay)

1. Hip Hop Conti (FR) J: Clement Lefebvre T: Emmanuel Clayeux

序盤はレースは固まって進行するも、そこから前に出てきたHip Hop Contiが軽快に飛ばすと、2着のHemevoici以下を大きく突き放して勝利した。

Hip Hop ContiはPauのCross Country Specialistで、昨年のこのレースは落馬に終わっている。ややアクシデントが多く発生した昨年のGrand Cross de Pauでは勝利しているが、12月のPrix Hubert De NavaillesではSaint Godefroyの3着に終わっており、巻き返しが期待される。ひとまず今回は前走で先着を許したHarmonie Roqueの落馬もあり力の違いを見せることに成功したが、やはり課題となるのは相手関係と思われる。やはりPauのCross Country SpecialistのHemevoiciが2着。2021年のPauのGrand Crossでは2着に入った古豪Lucky Net Loveはやや遅れての入線で、昨年はLignieresのGrand Crossこそ勝利しているものの、それ以降はやや足りない競馬が続いている。

 

1/7(日)

Cagnes-Sur-Mer (FR) Collant (4.5)

Prix Andre Massena Grande Course De Haies Des 4 Ans (Listed)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans (nés en 2020). 3500m (Replay)

1. Karthage (FR) J: Dylan Ubeda T: Mathieu Pitart 

Prestige D'Olvaがやや後続を引き離して引っ張るも、これについて行ったKarthageが途中から先頭に立つと、そのまま後続を突き放して勝利した。

KarthageはGaliwayの産駒で、Haiesはこれで3戦3勝とした。やや前が飛ばす展開を追いかけての快勝で、2着以下は後方から差を詰めた馬であることを考えればなかなか評価できるパフォーマンスと考えていいだろう。Highland Reelの産駒で、前走このCagnes-Sur-Merの開催のClasse4を勝ってきたRole of Thumbが2着。Voiladenuoの産駒のKacouが3着に入った。ここまで障害2戦ではさっぱりいいところがなかった馬で、今回は前進を見せたレースとなった。

 

Prix Christian De L'Hermite Grand Steeplechase Des 4 Ans (Listed)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans (nés en 2020). 3800m (Replay)

1. Kassel Allen (FR) (AQPS) J: James Revely T: Hugo Mérienne

Garibaldiが前に行くかと思いきや、途中からこれを制してJuderoseが引っ張る形となる。しかし最終コーナーで内から抜けてきたKassel Allenが直線で先頭に立つと、そのままGaribaldi以下を振り切って勝利した。

Kassel AllenはCastle Du Berlaisの産駒で、Haies及びSteeplechase通じてこれが初勝利とした。ここまでどうにも勝ち味に遅いところを見せていたようだが、レースを通じて少しずつパフォーマンスを上げてきたようで、この馬自身の成長力に期待したいところである。前に行ったGaribaldiがあまり差のない2着で、直線の段階ではこの2頭で後続を引き離す結果となった。前走Cagnes-Sur-MerのPrix Groupe TrialでKassel AllenやGaribaldiを下してきたWorth A Teamは早々に途中棄権となった。

 

Grande Course De Haies De Cagnes (Listed)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus (nés en 2019 et antérieurement). 4300m (Replay)

1. Nyiri (GB) J: Theo Chevillard T: David Windrif

やや引っかかり気味に前に出たAnge Pitouを制してLe Chiffre D'Orが引っ張る展開。そのLe Chiffre D'Orは少しずつペースを上げて後続を引き離しにかかるも、最終障害を越えてこれに並んだNyiriがLe Chiffre D'Or以下を振り切って勝利した。

Nyiriは元々David Cottin厩舎からアイルランドWillie Mullins厩舎に移籍した馬であるが、昨年の11月からは現厩舎に移籍したようで、12月にはCagnes-Sur-MerのSteeplechaseのClasse1競走を勝利している。今回はHaiesに戻したようだが、後方からじわじわとスパートをかけていくという完成度の高い競馬を見せた。まだ5歳と若い馬で様々な可能性がありそうな一頭であろう。前に行ったLe Chiffre D'Orが2着。チェコ調教馬は2頭出走していたが、Ange Pitouの5着が最高となった。

 

Grand Prix De La Ville De Nice - Bernard Secly (G3)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus (nés en 2019 et antérieurement). 4600m (Replay)

1. Marvel De Cerisy (FR) J: Clement Lefebvre T: Mickaël Seror

深いブリンカーを付けたPridemannが前に行くも、第16障害をミスして後退。代わってReve De Prince、Missed Cueが引っ張るも、最終コーナーから進出したMarvel De CerisyがOktenteを振り切って勝利した。

Marvel De Cerisyは以前はHenry de Bromhead厩舎にいた馬で、秋から現厩舎に移籍している。アイルランド時代はMaghull Novices' Chase (G1)にてJonbonの2着があるのだが、重賞自体は初勝利とした。レースとしてはだいぶうまく立ち回った感もありそうだが、馬群のかなり狭いところを立ち回る場面も散見され、多頭数の競争においても器用さを武器に立ち回ることが出来る馬といったところだろう。牝馬Oktenteが2着に入ったが、直線は内に入ったMervel De Cerisyに対してこの馬は馬場のいいところを走ったものの最後は差を詰め切れずに終わった。Reve De Prince、Missed Cueともにあまり差のない入線。2020~2021年とこのレースを連覇したBerjouは離れた6着まで。昨年はSuriotでこのレースを制したチェコ陣営からはLord DragonとSternkranzの2頭が参戦していたが、いずれも勝負には加われず大敗に終わった。