にげうまメモ

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24/03/03 Weekly National Hunt / Jump Racing

2/26(月)

Fontainebleau (FR) Lourd (5.0)

〇 Prix Du Mont Chauvet (Classe 3)

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus, n'ayant pas gagné, en steeple-chases, depuis le 1er décembre de l'année dernière inclus. 4600m (Replay)

1. Grandgador (FR) (AQPS) J: Kilian Dubourg T: Lageneste & Macaire

番手から進めたGrandgadorがElcond'Or Forlongeの追い上げを凌いで勝利した。Grandgadorは2022年のCompiegneのGrand Crossの勝ち馬で、これが約1年半ぶりの実戦であった。FontainebleauのCross Countryは2022年の3月に一度だけ走っており、当時は5着と敗れているが、今回は結果を残した。全体的に飛越については特段は問題はなかったようで、当時高い能力を示した実力馬がここで復帰したことは喜ばしいことだろう。Elcond'or Forlongeが2着に入ったが、この馬はこれで3戦連続の2着とコンスタントに走っている。勝ち馬から2kgの恩恵はあったとはいえ、少し注意しておいた方がいい存在かもしれない。

 

3/2(土)

Newbury (UK) Heavy (Soft in places)

Greatwood Gold Cup Handicap Chase (Premier Handicap) 2m3f187y (Replay)

1. Heltenham (FR) (AQPS) J: Ciaran Gethings T: Dan Skelton

大きなシャドーロールを付けたGustavianが前に行くも、これにGemirandeがついて行き2頭で後続を引き離す展開となる。そのままGustavianが前で抵抗するも、外から出てきたHeltenhamがKandoo Kidを抑えて勝利した。

HeltenhamはMasked Marvelの産駒で、重賞はこれが初勝利とした。Novice Chaseを走った昨シーズンは早々にHandicap路線へと切り替えていたようで、今シーズンも引き続きHandicap戦線を使っている。終盤の手ごたえの見た目ほど伸びなかったというレースだが、とはいえ最後はKandoo Kidを振り切る気配もありそうで、もう少し余力はあるかもしれない。11st5lbと斤量的には勝ち馬を上回るものを背負っていたKandoo Kidが2着に入った。昨年のTopham Chase (Premier Handicap)の勝ち馬Bill Baxterはいいところなしの6着で、Wind Surgeryから復帰した今シーズンはどうにもいいところがないのが気がかりなところである。

 

Kelso (UK) Good to Soft

Premier Novices' Hurdle (G2) 2m2f25y (Replay)

1. Personal Ambition (IRE) J: Kielan Woods T: Ben Pauling

第一障害でRich SpiritとBrucioが落馬するアクシデント。Personal Ambitionを制してChoose A Copperが前に行くも馬群は固まって進行。Choose A Copperにぴったりとついて行ったPersonal Ambitionが残り3障害辺りで前に出ると、追いかけてきたJango Baie以下を振り切って勝利した。

Personal AmbitionはSandmasonの産駒で、Hurdleはこれで3勝目とした。12月のSandownのWinter Novices' Hurdle (G2)ではDeafeninf Silenceに大敗しているが、そこから進捗があったことを願いたい。AintreeのFormby Novices' Hurdle (G1)を勝ったJango Baieが2着だが、前走のHuntingdonのListed競走も僅差の2着に敗れており、水準的な問題なのかそれとも詰めが甘いタイプであるかは今後検討が必要だろう。少なくとも今回は勝ち馬に対して5lbの不利があり、かつレース運びとしてもややロスがあったように見えることを踏まえると、あまり悲観するような敗戦ではなさそうだ。

 

Navan (IRE) Heavy

Flyingbolt Novice Chase (G3) 2m (Replay)

1. Blood Destiny (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Sam EwingのFlanking Maneuverがゆったりと前に行くも、残り3障害辺りから出てきたBlood DestinyがそのままSpillane's Towerを突き放して勝利した。

Blood DestinyはChaseは2勝目とした。1月のSky Bet Novice Chase (G3)ではSpillane's Towerの2着に敗れていたが、今回は結果を残した。Spillane's Towerの11st8lbに対してこちらは11st1lbと斤量的には恵まれていた部分もあるのだが、とはいえ飛越面では全般として安定しており、余裕残しの勝利であったことを考えると前走からの進捗が考えられそうだ。そのSpillane's Towerが2着。こちらはCheltenhamには特に登録はないようで、再度この2頭のレースは見てみたいところだが、どうだろうか。

 

Webster Cup Chase (G2) 2m4f90y (Replay)

1. Ash Tree Meadow (FR) J: Sam Ewing T: Gordon Elliott

ほぼ隊列が決まった状態のスタートから前に行ったAsh Tree MeadowがそのままLucid Dreams以下を振り切って勝利した。

Ash Tree Meadowは2023年のGalway Plate (G3)の勝ち馬で、今年に入ってはこれが2戦目となる。前走のNewlands Chase (G3)ではFerny Hollowに大敗していたが、今回は結果を残した。おそらくこれまでのパターンを考えるとここからGalway Plateを目指してレースを使っていくものと思われるが、どうやらCheltenhamのRyanair Chase (G1)にも登録はあるようで、ここまでやや異なる路線を歩んできた馬のレースは楽しみにしたい。一見折り合い選手権のように見えるレースだが、とはいえ11st8lbを背負っての完封勝ちは価値があるだろう。Lucid Dreamsは頑張って勝ち馬を追いかけての2着。人気を集めていたJourney With Meは案外な3着に終わった。

 

Lignieres En Berry (FR) Tres Souple (3.9)

Grand Cross - Px Drs Vet Wissocq Et Berthelot #2 TNC Haras Du Lion (Classe 1)

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus. 6000m (Replay)

1. Hemevoici (FR) (AQPS) J: Thomas Beaurain T: Francois Nicolle

TNC第2戦。赤いチークピーシーズを付けたGasby Des Planchesが前に行くも馬群は密集して進行。中盤のBanquette及び水壕の辺りから番手にいたHemevoiciがGasby Des Planchesを交わして前に出ていくと、そのまま食らいついてきたGasby Des Planches以下を振り切って勝利した。

HemevoiciはLignieresのCross Countryは初参戦となる。今年の冬はPauのCross Countryに参戦しPrix Mortimer De LassenceにてHip Hop Contiの2着に入ったりと頑張ってはいたのだが、とはいえGrand Cross De Pauでは相手が強かったのか大敗に終わっていた。ややもたもたと飛越する場面があったりと不安なところはあるのだが、とはいえまだ7歳と比較的若い馬で、このままTNCに参戦するのであれば各競馬場のCross Country Courseへの対応も含めて楽しみにしたい。昨年のCompiegneのGrand Crossにて2着に入った上がり馬Gasby Des Planchesが2着で、勝ち馬とは休み明けの部分もあったかもしれない。人気薄Tiger Groom産駒のHermine Allenが最後追い込んで3着に入り、AQPSが上位1~3着を占める結果となった。

 

3/3(日)

Auteuil (FR) Lourd (4.7)

〇 Prix Rohan (Inédits)

Haies Pour tous chevaux de 4 ans et au-dessus, n'ayant pas couru. 3600m (Replay)

7. Hercule Du Berlais (FR) J: Gabin Meunier T: David Cottin

Goliath Du Berlaisの全弟であるHercule Du Berlaisが出走していたが、好位から進めるも早々にペースアップしてから脱落し、そのまま離れた7着に終わった。Goliath Du BerlaisはPrix Ferdinand Dufaure (G1)での14馬身差の圧勝を含めSteeplechaseで高いパフォーマンスを示した馬で、その後は引退・種牡馬入りし、その産駒は今年デビューする予定であるが高い評価を受けているそうだ。さらにその全弟David Du Berlaisも早々に引退し種牡馬入りしている。このHercule Du Berlaisも現時点では未去勢と種牡馬としての将来を期待されているようだ。このレースがデビュー戦であったが、これまでに平地競争を使ってきた馬に対してペースアップした際についていけていなかったあたり、競争馬としてはだいぶ未完成の状態であったと思われる。ともあれこれを使って変わってくればといったところだろう。

 

〇 Prix Universe II (Handicap)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, ayant couru depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus. 3600m (Replay)

1. Zephyr De Beaumont (FR) J: Thomas Beaurain T: Alain Couetil

前々で進めたZephyr De Beaumontがじわじわとペースを上げて引っ張ると、最終コーナーを回って後ろを突き放し、2着のAstalavistaに4馬身差をつけて快勝した。Zephyr De BeaumontはMasked Marvel産駒の牡馬で、Haiesはこれで2勝目とした。昨年の9月にAuteuilのListedクラスを使った際は大敗に終わっているが、そこからじわじわとArgentan、Pauを使って力をつけていたようだ。今回は70kgを背負っての快勝ということで今後に期待が持てる内容となった。Masked MarvelはこれまでにTeahupooやSel Jemといった活躍馬を複数送り出している成功した種牡馬で、Sadler's Wellsの中でも高い障害適性を示しているMontjeuの産駒である。母Adhira De Beaumontの兄弟にはローマでSiepiのG1勝ちのあるAnge De BeaumontやAuteuilでListed勝のあるChris De Beaumontが含まれているようで、Zephyr De Beaumontにも期待できそうだが、どうだろうか。

 

Prix Juigne (G3)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 3600m (Replay)

1. Garrick Harmony (GB) J: Felix De Giles T: Adrien Fouassier

ゆったりと前に行ったはずのKapteenが気が付けば例によって後続に大きなリードを取って逃げる展開も、最終障害を越えて後続が殺到。July Flowerを抑えてGarrick Harmonyが勝利した。

Garrick HarmonyはZoffanyの産駒で、フランスでは珍しくイギリス生産馬の勝利となった。かなり長く平地競争を使ってきた馬で、Haiesには2022年の11月から参戦している。昨年4月にAuteuilのListedクラスに参戦した際は大敗に終わっており、今回も案の定さっぱり人気はなかったのだが、ここでは驚きのレースを見せた。KapteenのJames Reveleyがある程度引っ張る展開を前半は後続が追いかける構えを見せていたのだが、一方でこの馬は後方でSpirit of the Moonとともに前を放置するような追走をしており、これもまたFelix De Giles騎手の技ありのレースと言えるのかもしれない。イギリス帰りのJuly Flowerが2着。やはり走法としてはやや重心が高く航行能力を生かすタイプのようで、AintreeよりもAuteuil向きの馬といったところだろう。Libeccio、Japonといった5歳馬勢は特にいいところなく大敗に終わった。