にげうまメモ

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21/08/22 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2021/08/16-2021/08/22

8/18(水)

Bro Park (SWE) Steeplechase god till mjuk, Häckbana god till mjuk (Result)

Gyllene Hästen

75.000 kr För 4-åriga och äldre hästar. 4200m st (Replay)

1. Reinvent J: Engblom Henrik T: De Burca Kahlil

レース映像のリプレイは例によってレース後1週間程度で消えている可能性があるので留意してください。レースはトップハンデのAccelerateが逃げるも、最終周入り口から進出したReinventがついてきたMutadaffeqを退けて勝利した。ReinventはSvenskt Grand Nationalから連勝とした。Svenskt Grand NationalではIrish Point to Point出身らしい正確な飛越技術とロングスパート能力を見せていたが、全体的に障害の難易度が下がるBro Parkにおいても結果を残したことはこの馬にとって収穫だろう。5月のNovice競走ではやや早仕掛けの感もあったが、前走に引き続き仕掛けのタイミングもちょうどよく、Engblom Henrik騎手もこの馬のことをよく理解しているようだ。スウェーデン障害競走は既に今年の大一番を終えており、今後De Burca Kahlil調教師がどのような路線を選択するか注目したいところ。2着のMutadaffeqはBro Parkに舞台が変わってReinventに迫ったが、内容的にはほぼ完敗といったところで、この馬自身StrömsholmよりもBro Parkに適性がありそうだが、現時点ではReinventと比べるとだいぶ力量差がありそうな印象である。2019年のOrmus Memorialの勝ち馬で、これがSteeplechase初参戦となったLuris Pegasusは勝ち馬からだいぶ遅れた3着に入った。Hurdleでは3勝をあげ、Luris Pegasusと同様に今回がSteeplechase初参戦であったJumeirahもいたのだが、こちらは早々に遅れて途中棄権に終わった。

 

Reinhold Swartlings Memorial

50.000 kr För 4-åriga och äldre hästar. 3450 hä (Replay)

1. Liars Corner J: Engblom Henrik T: De Burca Kahlil

逃げるMr Suarezを制してハナに行ったLiars Cornerがそのまま抵抗するMr Suarezを退けて勝利した。Liars CornerはこれでHurdle競走はNovice戦を含め4連勝とした。今年のSvenskt Champion Hurdleの日はNovice戦に回っていたのだが、内容的には明らかにNoviceクラスでは力量上位といったもので、今回も72.5kgのトップハンデの応えるものであった。来年はSvenskt Champion Hurdleで見てみたい一頭である。約3kgの恩恵を利してこれに迫ったのがMr Suarezで、ここまでHurdleは未勝利の馬だが、前半からゆったり進めたとはいえこの内容は今後が楽しみになるものであった。前走ノルウェーで結果を出したVon Blucherは勝負所で大きなミスがあり3着。Steeplechaseで勝ち鞍のあるLondoniaもいたのだが、どうにも気性的に難しいところがあるのか、最終周から大きく遅れ途中棄権となった。

 

Saratoga (USA) Yielding

Jonathan Sheppard Handicap Hurdle Stakes (G1)

To be run over National Fences a Hurdle Handicap for four-year-olds and upward. Two and Three Eighth Miles on the Hurdle $150,000 (Replay)

 1. The Mean Queen J: Thomas Garner T: Keri Brion

昨年まではNew York Turf Writers Cupとして行われていた競走だが、今年からは、殿堂入りを果たしたアメリカの伝説的調教師Jonathan Sheppardの名前がつくことになったSaragogaの主要Hurdle競走である。Saratoga競馬場はアメリ競馬ファンにとって平地競争のイメージが強いようだが、7~8月にかけては時たま1日1レース程度の障害競走(Hurdle競走)を実施しており、その中にはアメリカHurdle路線における主要競走が数多く含まれている。コースとしては平坦で幅員が狭く、最終障害からかなり平地部分を走ることが特徴で、やや馬群が密集する懸念はあるものの、スピード能力に優れた日本馬の適性は高そうな印象がある。もっとも、このG1競走でも総賞金額は日本円に換算すると1600万円程度と、日本の(世界的には極めて異質な)賞金額と比べるとぱっとはしないのだが。

レースは例によってBaltimore Buckoが引っ張る展開だが、さすがに前回のことがあるのか全体的にこれを追いかけて行く。最終障害を越えてBaltimore Buckoに迫ったThe Mean Queenが抜け出すと、これを4馬身ほど突き放して勝利した。2着にはBaltimore Buckoが残り、3着にはFrench Lightが追いこんできたようだ。

Keri Brion調教師のアイルランド遠征組が絶好調である。The Mean QueenアイルランドでKeri Brion調教師に唯一のアイルランド障害競走での勝利をプレゼントした馬で、前走のJonathan Kiser Novice Stakesでは直線完全に抜け出したところ、おそらくポールを避ける動作で騎手が落馬して悲しい結果に終わっていた。今回はその雪辱を晴らすものとなったが、いきなりの大幅な相手強化にも関わらず、ここまでの完勝っぷりを見せることには驚くべきであろう。Jonathan Sheppard調教師から馬を引き継いだKeri Brion調教師がその記念すべきレースの1回目で上位を独占するというのはなんともめでたい内容である。前走A. P. Smithwick Memorial (G1)を完勝したBaltimore Buckoは例によって逃げを打って粘り込んだ。同レース2着のFrench Lightはやや道中スムーズにいかない場面があったが、Baltimore Buckoに迫る3着。この辺りは展開次第で逆転があってもおかしくない。4着以下はやや力量差を感じさせる内容で、Keri Brion調教師のアイルランド遠征組が内容的にも上位を独占する結果となった。2019年のJonathan Kiser Novices Stakesの勝ち馬で、昨年はNew York Turf Writers Cup (G1)にてRashaanの2着のあるRediceanもいたのだが、前半から飛越にミスがあり、そのまま大敗に終わった。