にげうまメモ

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22/03/18 National Hunt Racing - Cheltenham Festival -

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3/18(金)

Cheltenham (UK) Good to Soft (Soft in places)

JCB Triumph Hurdle (G1) 2m179y (Replay)

1. Vauban J: Paul Townend T: Willie Mullins

Vanban、Fil DorPied PiperといったアイルランドJuvenile Hurdle路線のトップクラスの馬が多数参戦していた。迎え撃つイギリス勢はKnight Salute、Porticelloが中心であったが、前評判としては完全にアイルランド勢を優勢と見る向きであったようだ。

レースはGary Moore厩舎のPorticelloが引っ張る展開も、好位からぴったりとFil Dorがついて行く。勝負所からVauban、Pied Piper、Icare Allen、更には内からIl Etait Tempsといったアイルランド勢が接近するとPorticelloは脱落。Fil DorPied Piperらを制して外から先頭に立ったVaubanがFil Dor以下を抑えて勝利した。

Cheltenham Festival2日目に強く降り続いた雨はとうに止み、それ以降は絶好の競馬日和で競馬が行われている。そのため、この時点では既にGood to Softとすっかり馬場は回復していたようだ。VaubanはこれでHurdleは3戦2勝、LeopardstownのSpring Juvenile Hurdle (G1)から連勝とした。元々フランスで平地のListed競走を勝ってきた馬で、Leopardstownではかなり荒削りながらも高い能力を示しており、ここでも一番人気に推されていた。やはり前半行きたがって走るのは相変わらずなのだが、それでも後半のスピード性能はここでは抜けており、特に最終障害手前では若さを見せて飛越時にミスがあったにも関わらずFil Dor以下に2馬身差をつけたことを踏まえると、この路線では現時点で一枚上手の馬と考えていいだろう。Juvenile Hurdleということで経験馬に混じってどこまでやれるかは未知数だが、今シーズンのJuvenile Hurdleの上位クラスはなかなかに厳しい競馬をしながらも高い能力を示しており、それなりに高く評価していいだろう。どうやら陣営はこの馬の平地能力も高く評価しているようで、将来的にはChampion Hurdle (G1)のみならず、Dual Purpose HorseとしてMelbourne Cupへの参戦も見据えているようだ*1*2

Spring Juvenile Hurdle (G1)の2着馬Fil DorはまたもやVaubanの後塵を拝すことになった。レース運びとしては非常に安定したものを見せており、既に完成度の高い障害馬として期待できそうだ。JCB Triumph Trial (G2)でイギリス勢を一掃してきたPied Piperも差のない3着で、やや平地で経緯の長い馬だけにどこまでステイヤーとしての資質があるかは不明だが、やはりこの馬もこの路線では上位クラスの1頭である。Spring Juvenile Hurdle (G1)ではやや上位から離された敗戦に終わったIcare Allenはパフォーマンスを上げての4着で、さすがに上位3頭と比べるとやや差はありそうなのだが、これはこの馬なりに成長しているのだろう。Spring Juvenile Hurdle (G1)でHurdleデビュー戦ながらも3着に入ったIl Etait Tempsは例によって非常に難しいところを見せていたのだが、Icare Allenから1馬身差の5着。このような競馬をしているような馬ですら5着に入り、全てのイギリス調教馬に対して先着するのだから、アイルランド勢とイギリス勢の今年のJuvenile Hurdleにおけるその層の厚さの違いは一目瞭然である。

 

County Handicap Hurdle (G3) 2m179y (Replay)

1. State Man J: Paul Townend T: Willie Mullins

後方からじわじわと外を立ち回って進出したState Manが食い下がるFirst Street以下を抑えて勝利した。State ManはこれがHurdleはたった3戦目で、Maidenから連勝とした。道中はPaul Townend騎手が終始外を立ち回っており、下り坂の辺りで一時的にバテて外に膨れていた馬を避けるために内に潜り込んでいたりもするのだが、やはりHurdle3戦目の馬がこれだけの経験馬を相手に能力で勝ち切るのだから大したものである。どうしても今シーズンの16f Novice HurdleにはConstitution HillやDysart Dynamoといった圧倒的な能力を持った馬がいるのだが、Supreme Novices' Hurdle (G1)に参戦しても2~3着くらいには入れたかもしれない。前走のBetfair Hurdle (G3)で11st6lbを背負ってGlory and Fortuneの3着に入ったFirst Streetが2着。Howden Kennel Gate Novices' Hurdle (G2)でJonbonの2着に入ったColonel Mustardが3着で、この辺りの馬も決して軽量を利して飛び込んできた格下の馬ではなく、ここまで重賞クラスで十二分に戦えるだけの能力を持った馬であることを考えると、勝ったState Manは高く評価しておいてよいと思う。

 

Albert Bartlett Novices' Hurdle (G1) 2m7f213y (Replay)

1. The Nice Guy J: Sean O'Keeffe T: Willie Mullins

ここまでBallymore Novices' Hurdle (G2)の落馬を除けばHurdleでは4戦4勝のHillcrestが人気になっていた。アイルランドからはGinto、Minella Cocoonerといった実績馬が参戦しており、この辺りがHillcrestへの対抗角と評価されていたようだ。

レースはStag Horn、Classic Getaway、Minella Cocoonerなどが引っ張る展開。Stag Horn、Classic Getawayなどは早々に脱落し、そのままMinella Cocoonerが軽快に逃げる。そのままMinella Cocoonerが逃げ込みを図るも、これにじわじわと接近してきたThe Nice Guyが最終障害前で先頭に立つと、そのままMinella Cocoonerを突き放して勝利した。

Minella CocoonerはLeopardstownのNathaniel Lacy & Partners Solicitors '50,000 Cheltenham Bonus For Stable Staff' Novice Hurdle (G1)という名前を永遠に覚えられないG1競走を逃げ切ってきた馬で、今回はPaul Townend騎手に鞍上が変わっているのだが、全体的に緩めることなく24fのNovice Hurdleとしては破格のペースで引っ張っている。比較的ふわふわと走るこの馬の良さを存分に引き出したのがこのPaul Townend騎手の騎乗だが、結果的にここまで24fのNovice Hurdleにありがちな完成度の高さで勝ってきたような馬は早々に脱落しており、それはこの間延びした入線順が示す通りである。そのようなレースで強い勝ち方を見せたのが勝ったThe Nice Guyで、これが実績馬でもなんでもなく、Maidenを勝ったばかりの馬というのはやはり驚きの結果である。陣営もこの馬には大して期待していなかったようで、Willie Mullins調教師もこの結果には驚いているそうだ*3。それにしても、先ほどのState Manもそうだが、このような馬を隠し持っているのがWillie Mullins厩舎の底力であり、今年のCheltenham Festivalでの大成功に繋がっているのかもしれない。陣一方のMinella Cocoonerは自身のレースはやり切っての2着で、これは勝ち馬を褒めるしかないだろう。ふわふわとしたストライドでスピードの持続性能を生かすタイプの逃げ馬で、中の人はこういう性能を持った馬が好みである。

3着にはアイルランドのBardenstown Ladが入った。MusselburghのScottish Stayers' Novice Hurdle (C2)の勝ち馬で、あまりここまで重賞クラスへの参戦歴はないのだが、このようなレースでこういう馬が浮上してくるのは興味深い。人気のHillcrestは早々についていけなくなり途中棄権に終わった。どうやら陣営はいまいちこの敗戦の理由は不明であると考えているようで*4、色々と理由は考えられるのだろうが、一つはここまで勝ってきたレースとの性質の違いというのはあるのかもしれない。Leamington Novices' Hurdle (G2)の勝ち馬で、平地ではSagaro Stakes (G3)でStradivariusの4着もあるStag Hornは前半こそ積極的に運んだが、早々に脱落して途中棄権に終わった。結果的にMinella Cocoonerと真っ向からやり合ったことになるのだが、Minella Cocoonerが2着まで頑張っている一方でこちらは途中棄権に終わった以上、その力量には大きな差があったということだろう。平地での実績馬はどうしてもスピード能力は高いので基本的にペースにはついていけるのだが、ステイヤー資質という点で生粋の障害馬とは見劣ることが多い。Stag Hornはここまで平地出身馬としてはかなり高いステイヤー資質を示してきた馬だが、ここに入ると苦しくなってしまったのは残念である。Lawlor's of Naas Novice Hurdle (G1)の勝ち馬Gintoは勝負所まで好位で進んだのだが、最終障害手前で故障を発生。内容的にはほぼ勝ち負けになるようなもので、このレースレベルを考えるとこの馬のポテンシャルの高さは一目瞭然なのだが、残念ながら助からなかったそうだ。

 

Cheltenham Gold Cup (G1) 3m2f70y (Replay)

1. A Plus Tard J: Rachael Blackmore T: Henry de Bromhead

昨年の勝ち馬Minella Indo、さらにこのレース3勝目を目指すAl Boum Photoが出走していたのだが、昨年の2着馬でRachael Blackmoreとコンビを組むA Plus Tardが人気になっていた。対抗角としては今年の上り馬のGalvin、続いてAl Boum Photo、Minella Indo、それからKing George VI Chase (G1)で驚きの勝利を挙げたTornado Flyerと続いていた。

レースは前半からAsterion Forlonge、Aye Right、Royale Pegailleが引っ張る展開。2週目からは内から飛越で前に出たAsterion Forlongeが先頭に立つ。好位からMinella Indo、Al Boum Photoなど。馬群は密集して進行するも、残り3障害辺りからMinella Indoが先頭に立ち後続を振り切りにかかる。しかし最後の直線に向いて抜け出してきたA Plus TardがMinella Indoを捉えると、そこから一気に後続を突き放し、終わってみればMinella Indoに対して15馬身差をつけて勝利した。Minella Indoが何とか2着を死守。Protektorat、Galvinと続いた。

Asterion Forlongeは基本的にここではトップスピードや加速性能の面では足りないことはLeopardstownの敗戦で明らかになっており、Bryan Cooper騎手は前半から積極的に運ぶことでこの馬のスピードの持続性能を生かした激しい消耗戦に持ち込んでいる。Aye Rightは実績的には格下の馬だが、今シーズンこの馬としては絶好調で、最近新たにスコットランドで開業したHarriet GrahamとGary Rutherfordの共同厩舎*5としては初の大舞台である。同厩舎は現在11頭の馬を管理する非常に小規模な厩舎のようで、鞍上のCallum Bewley騎手にとってもお手馬との大舞台ということで、このレースに賭ける気合は半端ないものがあったようだ*6。さらに好調のCharlie Deutsch騎手が騎乗するRoyale Pagailleもやはりスピードの持続性能に長けた馬であり、全体的に前半から緩みのないペースが作り出されている。ここにCheltenhamの下り坂での加速能力に優れた馬が多数参戦することで、前掛かり気味の激しい消耗戦が展開されている。

A Plus Tardは昨年のこのレースの2着馬で、これでG1競走自体は4勝目とした。もともとCheltenhamのコース自体は非常に得意な馬で、特に下り坂での加速力、直線に待ち受けている上り坂を駆け上がるパワー、そしてなによりロングスパート能力が大きな武器であり、これは2019年のClose Brothers Novices' Chase (Listed)での圧勝が示していたとおりである。昨年はJack Kennedy騎手が馬の体力を限界まで振り絞るような騎乗を見せたMinella Indoに対して、下り坂の入り口の辺りでバテて下がってきたBlack Opの捌きを失敗したことでワンテンポ仕掛けが遅れ、結果的にMinella Indoを捉えきれない格好となっていた。今回もやや下り坂で進路が怪しくなる場面はあったのだが、それにしても最終障害を飛越してからの伸び脚は一頭だけ別次元のものがあった。Racing TVのResultにおける終盤のラップ分析を見るとその伸び脚は圧倒的で*7、2着のMinella IndoからAsterion Forlongeまでが殆どハロン13秒-15秒-17秒というラップで推移しているように、オーバーペースのレース特有のバテ合いを繰り広げている一方で、A Plus Tardだけは13秒-14秒-15秒と加速を続けている。特に最後の1ハロンの伸び脚は圧倒的で、ここには上り坂が待ち受けていることもあって他の馬はハロン2秒近く減速がかかっているにもかかわらず、この馬だけは14.29-14.93と殆ど減速らしい減速が生じておらず、むしろ映像からすると逆に加速を掛けるだけの余力があったことは驚嘆に値する。3マイル2ハロンの距離を走って、沢山の大型の障害を飛越し、激しい起伏を何度も昇り降りし、そのようなコースで延々と鍔迫り合いを続けながらも、最後にこれだけのスプリントを掛けるだけの余力を持った馬がいる世界、これがイギリス・アイルランドのの障害競馬なのである。Rachael Blackmore騎手はCheltenham Gold Cupにおいて初の女性騎手による勝利と言うことで、またもや歴史を塗り替える偉業をやってのけた*8

2着のMinella Indoは見せ場を作った。今回はRobbie Power騎手に乗り替わっており、どちらかというと馬に対してガツガツと当たっていくタイプなだけにあまり手が合う印象はなかったのだが、それでも積極的なレース運びはこの馬の良さを十分に引き出すことが出来るパーフェクトなものであった。特にゴール前で苦しくなってフォームを崩しているこの馬を最後まで動かし続けて2着を死守した騎乗はRobbie Power騎手ならではのものであり、これだけ体力を使い果たした馬を動かすことができる騎手というのもまたアイルランドの偉大なトップジョッキーなのである。上り馬の中で好走したのは3着のProtektoratで、じわじわと外から加速を掛けていくHarry Skelton騎手の騎乗はCheltenhamの特性を良く知っているものであった。Many Clouds Chase (G2)では25馬身差の圧勝を見せていたが、その実往年の力を失っていた晩年のNative Riverが相手ということもあり、今回がこの馬にとっては初めてのトップクラスでの激しい24fの消耗戦であった。最終障害をでは大きなミスがあったにも関わらず、最後まで諦めずに走っての3着は褒められるべきものだろう。

Savills Chase (G1)でA Plus Tardを下して一躍この路線のトップホースに躍り出てきたGalvinはいまいちちぐはぐな競馬で4着。後方の内という位置取りも悪ければ、結果的に外へ外へと切り替えていく進路取りも宜しくはなかった。ただ、勝負所でいまいち加速が掛かり切らずにかなり手ごたえが悪くなっていたのが気がかりで、Cheltenham自体はここまで実績はあるのだが、このトップクラスに混じると下り坂での加速能力という面ではやや見劣るところがあるのかもしれない。今シーズン好調のCharlie DeutshchとVenetia WilliamsコンビのRoyale Pagailleは自身のやることはやっての5着で、昨年のこのレースではさっぱり良いところがなかったのだが、今年は進境を感じさせるレースを見せた。

Al Boum Photoはスムーズに進めるも、最後は脱落して6着。Paul Townend騎手のレース運び自体はパーフェクトな内容で、下り坂での加速も十分に先頭集団について行くことができるものであった。やはり最後息切れしからの脱落というのが残念な内容で、さすがに10歳という年齢的な衰えもあるのかもしれない。また、今年はこれが2戦目、しかも1戦目はSavills New Year's Day Chase (G3)で明らかに格下相手の試走をこなしただけというローテーションも若干微妙だったところはある。Asterion Forlongeは上記の通りやることはやっての敗戦で、Cheltanhamでこのメンバーを相手にするのはやや苦しいようだ。Punchestownのような、トップスピードや加速性能よりも、パワーとスピードの持続性能が生きるコースで期待したい。イギリス勢期待のChantry Houseは途中からレースについていけなくなり途中棄権。緩いレースであればそれなりに格好はつけているのだが、ペースが厳しくなると途端に崩れている印象がある。King George VI Chase (G1)の勝ち馬Tornado Flyerも良いところなく途中棄権に終わったが、これが年末のKemptonとは作り出された展開が全く違ったということだろう。ここまで道中のペースで消耗させられた上に、勝負所からの加速を強いられてはさすがに厳しかった。本来ある程度道中我慢をさせながら、勝負所から一気の加速性能で突き抜ける競馬を得意とする馬。Cheltenhamのコース自体は合うように思われるので、展開次第ではまた大仕事をやってのける可能性はあるだろう。

 

〇 St. James's Place Festival Challenge Cup Open Hunters' Chase (C2) 3m2f70y (Replay)

1. Billaway J: Mr Patrick Mullins T: Willie Mullins

マチュア騎手限定戦。前半からMr Thomas O'Brien騎手のDon Bersyが飛ばすも、第17障害の辺りから脱落。代わって前に出たBen O'Neill騎手のWinged LeaderがそのままMighty Stowaway以下を振り切って逃げ込みを図るも、最後Patrick Mullins騎手のBillawayがこれを捉えきって勝利した。

出走馬19頭中完走は6頭。アマチュア騎手にとってはこれが"Gold Cup"であり、ここに賭ける気合は並大抵のものではない。これは道中の展開を見れば一目瞭然であり、もはや作り出されているのは3マイル戦のペースではなく、リスクを冒してでも前に前にと出ていき、2着のWinged Leaderも最後の2ハロンは完全に脚が上がっていずれも17秒近くかかっている。ここまで勝ちたいという気持ちをぶつけてくるレースは世界中を見渡しても類まれなものであり、これがイギリス・アイルランド障害競馬においてCheltenham Festivalという開催の持つ意味なのである。Billawayはアイルランドで長らくHunters Chaseを使っている馬で、2020年は2着、さらにアマチュア騎手の参戦が叶わなかった昨年はPaul Townend騎手を背にPorlock Bayの2着に終わっているのだが、今回は主戦のPatrick Mullins騎手とのコンビでこの大舞台を勝ち切るというとても嬉しい結果を残すことが出来た。昨年はここからAintreeのOpen Hunters' Chaseにも参戦しており、National Courseでも楽しみな馬である。ここまでPTPを含めて5連勝で挑んできたWinged Leaderは惜しい2着。ここのところはPTPばかりを走っていたMighty Stowawayが人気薄ながらも3着に頑張った。

 

Mrs Paddy Power Mares' Chase (G2) 2m4f127y (Replay)

1. Elimay J: Mark Walsh T: Willie Mullins

近年新設された牝馬重賞。Pink Legend、Scarlet And Doveとの叩き合いをアイルランドのElimayが制して勝利した。ElimayはOpera Hat Mares Chase (Listed)から連勝とした。昨年のこのレースではCoreevyの2着に終わっており、その借りを返したことになる。元々フランスではWhetstoneといい勝負をしていた馬なのだが、イギリス・アイルランドでは主に牝馬限定戦を使っているようだ。8歳という年齢を考えるとそんなに残された現役生活は長くはないようだが、とりあえずこの路線では上位の馬だろう。イギリスVenetia WilliamsのPink Legendが2着。Joseph O'Brien厩舎のScarlet And Doveが3着に入り、人気のConcertista、Mount Idaが全く走らなかったということもあるのだが、2、3着はいずれも人気薄の馬が占める結果となった。残り2障害地点まで圧倒的最低人気のMaid O'Malleyも勝負に参加していたのだが、残念ながら残り2障害で落馬に終わった。

 

〇 Martin Pipe Conditional Jockeys' Handicap Hurdle (C2) 2m4f56y (Replay)

1. Banbridge J: Mark McDonagh T: Joseph O'Brien

Cheltenham Festival最終レースなのだが、このレースの直前には場内に謎の大合唱が響いており、さながらサッカーのスタジアムのような雰囲気になっている*9。早々に人気のイギリス調教馬Langer Danが落馬するアクシデントで、勝ったのはアイルランドのBanbridge。たった一人でイギリス勢を圧倒する勝ち星を挙げCheltenham Festivalリーディングトレーナーを独走したWillie Mullins、A Plus TardやHoneysuckle擁するHenry de Bromheadに続き、Joseph O'Brienまで勝利するということで、Cheltenham Festival4日目はアイルランド勢が全勝する結果となった。Banbridge自身はNovice馬で、これでHurdleは4勝目となる。ここまで重賞クラスへの出走歴はないようだが、なにかとJoseph O'Brien調教師は強気にレースに使ってくることがあるので、今後のレース選択には注意しておきたい。KemptonのLanzarote Hurdle (Listed)を勝ったイギリスBen Case厩舎のCobblers Dreamが2着に入った。

 

その他

2022海外競馬ニュースchメンバー 主要レース予想一覧 (note)

① 3月16日 Champion Hurdle                    Honeysuckle        ☆1着☆
② 3月17日 Stayers Hurdle                            Champ(が強いっぽい)      4着
③ 3月16日 Queen Mother Champion Chase Energumene        ☆1着☆
                                    Shishkin        途中棄権
④ 3月17日 Ryanair Chase                              Allaho           ☆1着☆
⑤ 3月18日 Cheltenham Gold Cup                   Asterion Forlonge       7着

こちらの配信の文字起こしをしてくださいました。ありがとうございます。5レース中3レースは勝ち馬に言及したので許してください。