にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

22/04/24 Weekly National Hunt / Jump racing

*週刊障害競馬回顧 2022/04/18~2022/04/24

4/18(月)

Fairyhouse (IRE) Yielding

Donohue Marquees Juvenile Hurdle (G2) 2m (Replay)

1. Iberique Du Seuil J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Rebel Stepが逃げるも勝負所から後続が殺到。一度は人気のIcare Allenが抜け出すも、これを追いかけてきたIberique Du SeuilがInnatendueを抑えて勝利した。Iberique Du SeuilはこれでMaidenからHurdleは2勝目とした。前走はBoodles Juvenile Hurdle (G3)に参戦し特に良いところはなかったのだが、今回は結果を残した。牝馬InnatendueはHurdle2戦目であったにも関わらずScottish Triumph Hurdle (Listed)から引き続きの2着で、Spanish Moonの産駒が上位を占める結果となった。昨年のIrish 2000 Guineas (G1)にも出走していたRebel Stepもいたのだが、勝負所から脱落し5着と大敗に終わった。

 

Rathbarry & Glenview Studs Hurdle (G2) 2m4f (Replay)

1. Darasso J: Luke Dempsey T: Joseph O'Brien

好位から抜けてきたDarassoがそのままSanta Rossaに6馬身差をつけて快勝した。Darasso自身はアイルランドのHurdleの重賞戦線で結果を残してきた馬で、基本的には16~20ハロンで結果を残している。昨年はGalway Plate (Grade A)にも挑戦し5着に入ったりもしていたのだが、今シーズンは主にHurdle戦線に参戦している。どうやら良馬場の方がいいようだが、例によってJoseph O'Brien厩舎らしくいまいち使ってくるレースが読めないのだが、この辺りの安定勢力としてしばらく期待できそうだ。Maidenから2連勝で挑んできた牝馬Santa Rossaが2着。どうも今年で8歳と年齢を重ねているのだが、あまり順調に使えていない馬のようでHurdleのレース経験は多くない。

 

Devenish Chase (G2) 2m3f165y (Replay)

1. Easy Game J: Brian Hayes T: Willie Mullins

人気のBlackbowが逃げるも第4障害で落馬。さらに人気のJanidilも落馬。そのまま抜けてきたEasy GameがCilaos Emery以下を抑えて勝利した。Easy Gameはこのレースは連覇としたが、スタンド前の障害でBlackbowが落馬するなど(死亡)、場内は騒然とした雰囲気となった。Easy Gameはここのところはどちらかというと夏場に使っている馬のようで、昨年の11月を最後に半年ほどの休養に入っていた。昨年はこの4月からGalway Plate (Grade A)まで使っており、今年も同様なスケジュールになるだろう。ただしG1クラスでは少々厳しいようだ。Cilaos Emeryはこの路線の常連だが、最近はややパフォーマンスを落とし気味のようで、全体的に人気馬にアクシデントがあったここでは浮上してきたが、ここからどうこうということは難しいだろう。

 

Irish Grand National Chase (Grade A) 3m5f50y (Replay)


1. Lord Lariat J: Paddy O'Hanlon T: Dermot McLoughlin

スタート直後からLord Lariatなどが元気よく前に出てくるも、途中からFrontal Assault、Death Dutyなどが前に行く展開。残り2障害辺りから出てきたLord LariatがFrontal Assault以下を競り落として勝利した。Gaillard Du Mesnilが3着に入った。

Dermot McLoughlin調教師は昨年のFreewheelin Dylanに続き連覇とした。Freewheelin Dylan自体はAintreeのGrand Nationalに向かったためIrish Grand National連覇を目指さなかったのだが、異なる馬での連覇を達成することとなった。Lord Lariat自身は9st12lbという軽ハンデで出走してきた馬で、ここまでハンデ戦での勝ち鞍はあるものの、基本的に重賞クラスでの実績はない。父Golden LariatもここまでDingo Dollarが活躍馬として目立つくらいで、単勝40倍という低評価ではあったが、色々な面において大金星となる勝利となった。10st7lbで頑張ったのがFrontal Assaultで、HurdleではSurehaul Mercedes-Benz Novice Hurdle (G3)勝ちはあるのだが、Chaseでの勝ち鞍はない。Beginners Chaseでの2着はあるのだが、やはりNoviceクラスのレースとこのようなハンデ戦というのは性質が大きく異なるのだろう。11st8lbを背負ったGaillard Du Mesnilは勝負所でやや詰まるところがあった。AintreeのGrand Nationalから挑んできた馬はEnjoy D'Allen、Death Duty、Run Wild Fred、Mount Idaなど複数出走していたのだが、全体的に良いところはなくEnjoy D'Allenが9着と最高であった。

 

Pakenham (AUS) Soft7

〇 Ecycle Solutions 1JW Hurdle

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. Restricted Conditions. Apprentices can claim. 3200m (Replay)

4. Hush Writer J: Steven Pateman T: Gai Waterhouse

ルーラーシップ産駒で平地競争でも活躍したHush Writerが出走しており、好位でRoland Garrosを見ながら進めたが、最終コーナー辺りで一杯になるとそのまま後退して4着に終わった。追いかけて行ったRoland Garros自身は昨年のGotta Take Care HurdleにてLight Pillarの2着に入った馬で、Maiden勝ちのみの馬にとっては格上の存在なのだが、しかし苦しくなってからあまり我慢が効かなかったのは心配な材料だろう。距離も3200メートルと決して長いわけでもなく、今後に不安が残る結果となってしまった。勝ったのはBrungle Bertieという馬で、これでHurdleは2勝目とした。

 

MJ Bourke Hurdle

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim.  3200m (Replay)

1. Saunter Boy J: Steven Pateman T: Ciaron Maher

Runawayが引っ張る展開も、これを好位から抜けてきたSaunter Boyが先に抜け出したOut And Dreamingとの叩き合いを制して勝利した。Saunter Boyは昨年のAustralian Hurdleの勝ち馬で、その後のJJ Houlahan Hurdleも勝利している。ひとまず今シーズンの初戦としては上々の内容で、69.5kgの斤量を背負って勝ち切るのはさすがといったところである。Out And Dreamingはよく食い下がったがこれは勝ち馬を褒めるレースだろう。元々はG3勝ちもある実績馬で、2020年にはAustralian Hurdleにて2着に入る活躍を見せたRunawayは久々のHurdle戦であったが、ハナに立って進めるもあまり抵抗できず5着。昨年もHurdleは2走するも良いところなく終わっており、やや心配な結果である。2020年にAustralian Hurdleの勝ち馬Gobstopperも出走していたが、いいところなく6着に終わった。

 

J.E.H Spencer Memorial Steeplechase

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3500m (Replay)

1. Riding High J: William McCarthy T: Henry Dwyer

レースはトップハンデを背負ったZed Emが逃げるも、最終コーナーから後続が殺到。ここから抜けてきたRiding HighがMaster Poetを抑えて勝利した。Riding Highは昨年のAustralian Steeplechaseの勝ち馬で、その後のCrisp Steeplechase、Grand National Steeplechaseでも比較的上位争いをしていた馬である。ややSteeplechaseの一線級相手だと苦しいようなところもあるのだが、比較的メンバーが手薄であったここは結果を残した。昨年のJericho Cupで4着に入ったMaster Poetもいきなり結果を残し、この辺りは今シーズンも安定勢力として頑張ってくれるだろう。前走Warrnamboolで勝ち星をあげたBritannicusは4着まで。Zed EmはさすがにSoft7に3500メートルという条件は合わなかったものと思われるが、どうやら故障もあったようで、Grand Annual Steeplechaseには向かわず引退するそうだ。

 

4/19(火)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

〇 Prix Wild Monarch (Listed)

Haies Pour poulains entiers et hongres de 3 ans, n'ayant jamais couru. 3000m (Replay)

7. Supersundae J: Gaetan Masure T: Anne-Sophie Pacault

イギリス・アイルランドでHurdleのG1を3勝したSupasundaeの未去勢の半弟で、Authorized産駒のSupersundaeのデビュー戦であったが、好位から進めるも勝負所から脱落して大敗に終わった。レース内容としては全体的に力んで走るところが目立っており、Authorized産駒にはありがちなのだが、やはり気性的には難しいところがあるのだろう。Authorizedは障害種牡馬としてはアイルランドの歴史的な名馬となったTiger Rollを輩出しており、その後継種牡馬としてもDoctor Dinoの半弟*バンデがフランスで多数の繁殖牝馬を集めて人気のようだ。Supersundaeも兄Supasundaeの活躍を踏まえると血統的には障害種牡馬としての将来も期待されるのだが、障害馬としてはほろ苦いデビューとなってしまった。

 

4/24(土)

Sandown (UK) Good (Good to Soft in places)

Oaksey Chase (G2) 2m6f164y (Replay)

1. Saint Calvados J: Harry Cobdon T: Paul Nicholls

ゆったりとしたペースで進めたSaint Calvadosがそのまま逃げ切り勝利した。Saint Calvados自身は昨年のKing George VI Chase (G1)の3着馬で、これまでにも2020年のRyanair Chase (G1)の2着など優れた実績を残している。今シーズンはWind Surgery明けのKing George VI Chase (G1)で結果を残して期待されたのだが、その後のAscot Chase (G1)、Melling Chase (G1)ではいずれもパッとしない成績に終わっており、ひとまず大幅にメンバーが弱化したここでは格好をつけたが、どうにも信用しきれないというのが現状だろう。Saint Des Saintsの産駒らしくスピード能力は良いものがあるのだが、どうにも全体的に飛越の細かいミスが多いようで、次のシーズンに向けては未だに課題が残りそうだ。スタートでやや物言いがついたMister Fisherが2着に入った。

 

Celebration Chase (G1) 1m7f119y (Replay)

1. Greaneteen J: Harry Cobdon T: Paul Nicholls

Rouge Vifが先頭を伺うも早々にミスをして後退。そのままスムーズに逃げたGreaneteenがそのままSceau Royal以下を抑えて勝利した。

Greaneteenはこれでこのレースは連覇とした。今シーズンはこのSandownのコースでTingle Creek Chase (G1)も勝利しており、Sandownでは格別の実績を残していることになる。ただしその後のKemptonのDesert Orchid Chase (G2)ではShishkinに完敗、Dublin Chase (G1)も何もできずに大敗に終わっており、Sandownのスペシャリストである可能性はあるのだが、どうにも一線級相手となると厳しい可能性があることには留意すべきだろう。今回のメンバーとしても現行の16ハロンChaseのG1戦線で主役級を演じるだけのメンバーは出走しておらず、イギリス競馬シーズンを締めくくる開催に置いて今シーズンのチャンピオントレイナーに輝いたPaul Nicholls師に花を添える結果となったが、G1レースとしてのレベルには疑問符がつく内容であった。古豪Sceau Royalが2着。Nube Negraは好位で進めたが、勝負所で大きなミスもあった。

 

bet365 Gold Cup Handicap Chase (G3) 3m4f166y (Replay)

1. Hewick J: Jordan Gainford T: John Joseph Hanlon

2018年のこのレースの勝ち馬で、今年12歳になる古豪Step Backが後続を大きく突き放して逃げるも、残り3障害辺りから後続が殺到。好位を進んでいたHewickが残り3障害で先頭に立つと、そのままMusical Slave以下を突き放して勝利した。Hewick自身はアイルランド調教馬で、今シーズンは10月にDurham National (C2)を勝利している。どうやら良馬場の長距離戦が良い馬のようで、前走のMidlands Grand National (Listed)は良いところなく終わっているのだが、条件が好転したここでは強い競馬を見せた。11st4lbと決して斤量的には楽ではなかったことは好材料だろう。ただし、トップハンデはPottermanの11st7lbで、かつてはG1クラスの馬を集めた伝統あるハンデ戦としては若干寂しいメンバーであったことは否めない。10st2lbのMusical Slaveが2着。Scottish Grand National (G3)で2着に頑張ったKitty's Lightが3着に入った。Step Backは最後捕まったが、アマチュア騎手Lily Bradstockが勇気のある逃げを打ち、この馬の往年の走りを思わせるようなレースを見せてくれた。

 

Select Hurdle (G2) 2m5f110y (Replay)

1. McFabulous J: Lorcan Williams T: Paul Nicholls

するすると逃げたMcFabulousがそのまま勝利した。McFabulousは昨シーズンはRelkeel Hurdle (G2)などを勝利しているのだが、Wind Surgery明けとなった今シーズンんはこれが初勝利となった。さすがにAintree Hurdle (G1)は荷が重かったようだが、基本的には20ハロン程度の比較的良馬場を得意とする馬と認識しておいてよいだろう。展開利があったとはいえ11st10lbを背負っての勝利は立派である。Cheltenhamでは無念の落馬となったIndefatigableが2着。Fusil Rafflesは久々のHurdleへの参戦であったが、僅差の3着に入った。平地との兼用馬Scaramangaが人気になっていたようだが、最後は出走馬中一頭だけ根負けするような走りでやや離れた4着に終わった。

 

Strasbourg (FR) Bon Souple (3.3)

Grand Cross Strasbourg #4 TNC Haras Du Lion - Prix Martine Et Michel Lutz

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus 5200m (Replay)

1. Vent Des Dunes J: Jimmy Zerourou T: Daniel Houillon

13歳馬Vent Des Dunesが引っ張るも、これに早々に落馬したFayasが絡んで行きやや隊列は長くなる。ようやく空馬となったFayasがどこかに行くとペースは落ち着き馬群は凝縮。残り3障害辺りからBrunch Royalが先頭に代わるもDouble Barrierで落馬。代わって先頭に立ったVent Des DunesがLucky Net Loveを突き放して勝利した。

Vent Des Dunesは昨年に引き続きこのレースは連覇とした。ここのところはVittelやStrasbourgの5000メートルクラスのCross Countryばかりを集中的に使っているようで、今回はこれが今年初戦であったが古豪健在ぶりを見せてくれた。Fayasをうまいこと凌いでから一旦息を入れることが出来たJimmy Zerourou騎手も見事であった。TNCの第3戦を勝ったLucky Net Loveが2着で、PauのGrand Crossの3着に続き、さすがに調子はいいようだ。もったいなかったのがチェコのBrunch Royalで、残り2障害地点での勢いは上位勢を凌駕していた。落馬としては騎手と飛越のタイミングが合わなったもので、フランスCross Countryの一線級相手にチェコ調教馬がここまで戦えれば上出来だろう。この馬もまた今シーズンは楽しみな一頭として期待できそうだ。

 

Glenwood Park at Middleburg (USA) Good

Middleburg Hunt Cup Stakes

For Five Year Olds and Upward, Three and One Fourth Miles on the Timber $25,000 (Replay)

1. Storm Team J: Graham Watters T: Jack Fisher

ゆるゆると逃げたStorm Teamが食らいついてきたAndi'amuを振り切って勝利した。Storm Teamは昨年のNational Sporting Library and Museum Cup Stakesの勝ち馬。HurdleではAFLAC Supreme Hurdle Stakes勝ちがあるのだが、2020年からTimberに転向しているようだ。全体的に伸びやかで大きな飛越が目立っており、特にミスがなかったのはさすがといったところだろうか。2019年のこのレースの勝ち馬Andi'amuが2着。2020年のVirginia Gold Cupを最後に2年近い休養を経ているのだが、この馬もまた元気そうだ。遡れば2016年のNew York Turf Writers Cup (G1)の2着のある実績馬で、なんとか長く頑張って欲しいところである。昨年9月にMaidenを勝ったFirst Fridayが3着に入った。

 

Temple Gwathmey Hurdle (G2)

To be run over National Fences for Four Year Olds and Upward. Two and One Half Miles on the Hurdle $75,000 (Replay)

1. Iranistan J: Parker Hendriks T: Keri Brion

ゆったりと逃げたIranistanにSnap Decisionが接近するも、最終障害を越えて再度Iranistanが前に出て勝利した。Iranistanは2018年のMarcellus Frost Champion Hurdle Stakesの勝ち馬で、その後も重賞競走で好勝負を続けていたのだが、ここで大きな仕事をやってのけた。レースとしてはシーズン初戦にありがちなのんびりしたもので、Middleburgの独特のコース形態も味方したような感もあり、斤量的にもかなりの恩恵があったことは否めないのだが、ここでSnap Decisionを下したということで今シーズンも活躍を期待してよさそうだ。Snap Decisionはまさかの敗戦で、The Mean Queenとの対決を考えるとここは勝っておきたかった。

 

〇 The Alfred M. Hunt Steeplethon

Allowance For Five Year Olds and Upward, Two and Five Eighth Miles on the Timber $20,000 (Replay)

1. Bodes Well J: Thomas Garner T: Leslie Young

通常のTimberではなく、途中で生垣障害等の複数種類の障害を使用する競走。レースは前半から元気よく逃げたBodes Wellがそのまま勝利した。この馬は2021年のJonathan Kiser Novice Stakesの勝ち馬だが、その後はこのSteeplethonを使っているようで、この路線では実力最上位の馬と考えてよいだろう。昨年10月のSteeplethon StakesにてBodes Wellの2着に入ったA Silent Playerが2着に入ったが、この2頭の実力差はだいぶはっきりとしているような印象である。

 

Grand National (USA) Good

Grand National Timber Stakes

For Five Year Olds and Upward Three and One Fourth Miles on the Timber $30,000 (Replay)

1. Road to Oz J: Brett Owings T: Mark Beecher

レースはPocket Talkが逃げるもこれにRoyal Ruseが絡んでいく。しかし残り4障害辺りから前に行ったRoad to OzがRoyal Ruseを振り切ると、そのまま追いかけてきたAwesome Adrianを凌いで勝利した。Road to Ozは昨年にMaidenを勝ったばかりの馬で、前走はCheshireのAllowanceでElusive Exclusiveの2着に入っていた。メンバー的には若干微妙な感もあるが、とりあえず飛越自体は全体的に問題はなく、どちらかというとこれからの馬というところだろう。同じくCheshireのAllowanceを勝ったAwesome Adrianが2着。そのAllowanceで3着に入ったRoyal Ruseは残り2障害で落馬に終わったが、残り3障害地点で大きなミスをするまでは勝負圏内で頑張っており、この辺りは道中の運び方でも着順が変わりそうだ。

 

4/25(日)

Fukushima / 福島 (JPN) Good to Firm

〇 Maiden / 障害4歳以上未勝利 2750m

1. ヴァーダイト J: 小牧加矢太 T: 音無秀孝

バンケットを下った後から一気に上がっていったヴァーダイトがエイムアンドエンドを抑えて勝利した。小牧騎手はこれが初勝利となった。ゴール前の派手なガッツポーズはブルベアぺスカに対する気持ちということらしい*1。やはり飛越時の上手さは際立っているのだが、まだ馬を追う動作であるとか仕掛けのタイミングといった障害競馬における騎手としての技量はまだこれからのようで、こればかりは今後に期待したい。どちらかというと日本よりもアイルランドかフランス辺りで腕を磨いて欲しいのだが、日本における障害騎手が足りていない現状、なかなか海外での騎乗というのは現実味がないところだろう。ヴァーダイトは母クリソプレーズ、兄弟にはクリソライトマリアライト、クリソベリルといった活躍馬がずらりと並ぶ超良血馬だが、平地で3勝クラスで頭打ちになり、これが障害初参戦だったようだ。このクラスの良血馬が障害競馬にやってくるというのは世界的には類を見ないものなのだが、仕草としては平地馬がスピードと身体能力に任せて障害を飛越しているといったところで、距離への適性を含め障害馬としての資質は未知数である。

 

その他

National Hunt racing needs to wake up before it is too late (At the races)

Kevin Blakeによるコラム。"the starkest result of all this change is just how risk averse and dull the campaigning of National Hunt horses has become."について詳細に述べられている。Cheltenham Festivalは素晴らしい開催だが、リスクを回避し同開催にのみ集中する現行の障害馬のレース選択は他開催を希薄化する可能性が指摘されている。

Extraordinary! 59-year-old jockey celebrates his first-ever winner and comes from miles back to win! (Youtube)

Amateur jockey, 59, rides first winner after 40 years of trying (Racing TV)

もうすぐ60歳となるアマチュア騎手Simon CondonはこのKilbegganのHandicap Hurdleが初勝利となったそうだ。19歳から騎乗を行っていたそうで、Point to Pointでも騎乗していたようだが、"Under rules"では17戦目にして初めての勝利となる。どうやら騎乗していた馬は父が購入したもののようで、その喜びはひとしおだろう。

Willie Mullins denied as Auteuil card falls to strike action (Racing TV)

日曜日に予定されていたAuteuil開催はストライキのため中止となった。Willie MullinsとRachael Blackmoreが参戦する予定であったが、残念ながら白紙となった。

Ukraińskie konie wyjechały z Partynic (tor partynice)

ポーランドWroclaw競馬場はウクライナの7頭の馬の避難所となっていたようだ。約1カ月ほど滞在したのち、馬と飼育員はベルギーに移動したそうだ。

Проблемы одесского ипподрома (Youtube)

少し前のものだが、ウクライナのオデーサ(オデッサ)の競馬場に関するニュース映像を見つけたので紹介まで。オデーサ競馬場はFacebookアカウントを持っているようで、最新の情報はそちらで発信してくれているようだ。

Champion jumper Zed Em retired (Racing.com)

月曜日のPakenhamで落馬したZed Emは残念ながらGrand Annual Steeplechaseには向かわず引退するようだ。Von Doussa Steeplechaseを3度、Great Eastern Steeplechaseを2度、さらに2019年のGrand Annual Steeplechaseを制した名馬だが、年齢を踏まえて今年で引退することが決定されており、その現役最後の年となった2022年、その雄姿をOakbankやWarrnamboolで見ることが出来なかったのは残念である。

Fight for the Oakbank up and overs not over (RSN)

OakbankのEaster Festivalの土曜日における観客数は、Racing SA側は7000人と主張しているものの、その実たったの3500人であったそうだ。ORCの幹部は平地競争のみとなったこの開催を"milestone"と評価しているようだが*2、折角のEasterの明るい陽気にも関わらず観客は疎らで、新しいOakbankのEaster Festivalは閑古鳥が鳴く門出となった。

Far Hills Sweetens Pot for 2022 Grand National (National Steeplechase Association)

2022年のアメリカGrand Nationalは業界自体がCOVID-19の影響から回復しつつあることもあり、昨年から総賞金額を$100,000も増加させ、総賞金額$250,000が設定されるそうだ。これはアメリカ障害競馬の中では最高の賞金額のようで、アメリカ国外からの有力な障害馬の挑戦も期待される。