にげうまメモ

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23/06/25 Weekly National Hunt / Jump Racing

6/21(火)

Ascot (UK) Good (Good to Soft in places)

〇 Ascot Stakes (Heritage Handicap) (Class 2) (Flat) 2m3f210y (Replay)

1. Ahorsewithnoname J: William Buick T: Nicky Henderson

Royal Ascotは平地競争のみの開催であり当ブログの対象外ではあるのだが、いちおう障害馬が勝利したということで記載しておく。Ahorsewithnonameは今年のCheltenham FestivalでCatesby Estates Mares' Novices' Hurdle (Listed)を勝った馬。2020年からHurdleを使っていたようだが、その後もDual Purpose Horseとして活躍しており、どちらかというと平地の方で結果を残していたようだ。3着のTritonicは2021年のBetfair Exchange Trophy (G3)等の勝ち馬で、お馴染みの障害馬が上位に入ったようだ。

 

〇 Copper Horse Handicap (Class 2) (Flat) 1m6f34y (Replay)

1. Vauban J: Ryan Moore T: Willie Mullins

この日のAscotの最終競争を勝利したのはVauban。Vaubanはアイルランド16f Hurdle路線では最上位クラスの結果を残している馬で、Juvenile Hurdle上がりの昨シーズンはG1戦線でも上位争いを繰り広げた。元々Juvenile Hurdleの頃からDual Purpose Horseとして転戦することにも言及されていたようで、引き続きその走りには期待したい。2着には同じくWillie Mullins厩舎のAbsurdeが入ったが、この馬はほぼここまで平地馬として活躍していたようで、Hurdleでは今年の5月に初勝利を挙げている。

 

6/24(土)

Pardubice (CZE) stav dráhy: 3.3 (dobrá / Good)

〇 Cena společnosti Tipsport – ČERVNOVÁ CROSS COUNTRY Válečníka

Steeplechase crosscountry I.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší 150.000 Kč (Replay)

1. Mr Zuru J: ž. Jan Odložil T: Jaroslav Brečka

Quart De Gardeが人気になっていたが序盤の所外で大きなミス。Angostura、Lianelなどが前に行く展開で、Piton Des Neigesはその後ろから。スタンド前の水壕でQuart De Gardeが足を滑らすような形で落馬。途中からLianelが前に出て引っ張るも、これにPiton Des Neiges、Mr Zuruが接近。そのままLianelが逃げ込みを図るも、直線を向いて追い上げてきたMr Zuruがこれとの叩き合いを制して勝利した。

Mr Zuruは昨年のPoplerův memoriál skupiny Profireal GroupではLianelの2着に入った真。Cross Countryの経験自体はあまりなく、基本的にはスロバキアのSteeplechaseを勝ってきた馬なのだが、今回は結果を残した。Cross Country2戦目で上記Poplerův memoriál skupiny Profireal Groupで2着に入ったように能力的にはいいものがありそうで、どうもレース振りを見ていると距離を伸ばしてよさそうな印象がある。2021年からこちら、全く崩れることなく走っているのはなかなか面白い成績だろう。この路線の常連Lianelが2着。イタリアSiepiで主に結果を残してきたPiton Des NeigesはPardubiceのCrossはこれが初参戦であったが、見せ場十分の3着に入った。遡れば2020年にはGran Corsa Siepi D'Italia (G1)を勝利した実績馬で、9歳と年齢的にはだいぶ重ねているが、Cross Countryへの参戦として遅すぎるわけではないことは楽しみな内容である。Quart De Gardeは前走はPardubice初戦にも関わらず驚きの勝利を挙げたが、今回は早々に大きなミスがあり、そのまま飛越のリズムを崩していた。今回は度外視したい結果だろう。ポーランドからは12歳馬のNickが参戦していたが、本来はおそらくこの日の5200メートルで行われるCross Countryに出走したかったものと思われる。さすがにここのペースへの追走を求められると苦しいようで、特にレースに参加せず追走し、おそらく終盤で落馬に終わった。

 

Zlatý pohár města Pardubic

Steeplechase NL - 3900 m, cena, 5letí a starší 300.000 Kč (Replay)

1. Altus J: ž. Josef Bartoš T:  Josef Váňa ml.

スロバキアのEnjeu D'Arthelが前を伺うも、これを制していつものAcuderia Aichnerの勝負服のAltusが先頭に。そのままAltusは淡々と引っ張ると、Akins Rockの追い上げをしのいで勝利した。

Altusは元々フランスにいた馬で、チェコ国内での競争はこれが初となる。前走はMeranoのSiepiを勝っていたのだが、立場的にはどちらかというと新興勢力といったとことで、8歳とやや年齢は重ねているが今後に繋がる勝利となった。昨年はGran Corsa Siepi D'Italia (g1)を制すなど結果を残したSkins Rockが2着で、ひとまずこの馬自身Mauricius相手にはだいぶ苦しいとはいえMeranoのG1クラスで上位争いをする力を持っていることを考えると、Altusの走りはなかなかいいものがあったと考えていいだろう。フランスからの移籍馬Enjeu D'Arthelはやはり持っている能力は高いようだが、やはり本来はもっと馬場が重くなった方がいいようだ。Tcheque King、Nordstrandといった平地の実績馬もいたが、ここでは前からやや離れた入線となった。

 

Pohár Slavia pojišťovny – II. kval. na 133. Velkou pardubickou se Slavia pojišťovnou – Pocta Mjr. Miloši Svobodovi

Steeplechase crosscountry NL - 5200 m, cena, 5letí a starší 1.000.000 Kč (Replay)

1. Lodgian Whistle J: ž. Ondřej Velek T: Josef Váňa st.

今年から賞金額が大幅に増加した2nd Qualification Raceだが、残念ながらチェコ国外の参戦馬としてはスロバキアからKaiserwalzer及びRoyal Ginoの2頭のみに留まった。TNC第7戦との兼ね合いもあった可能性もあるが、来年以降に期待したい。レースは前半からPlayer、Sacamiroなどが出てくるも、ペースが遅かったのかこららを制してLodgian Whistleが前に出てくる。早々に後方にいたRoyal Ginoが落馬。DropでSacamiroが大きなミスをするも立て直す。その後の水壕でPlayerが落馬。そのままLodgrian WhistleがAeneas、Talentなどを引き連れて引っ張ると、直線に入って内から迫るSanta Klara、さらに最後猛追してきたSacamiroを振り切って勝利した。

Lodgian Whistleは今シーズンは2戦2勝とした。元々2019年にCena Labeを制し、2020年には3rd Qualification Raceを制して期待された馬だが、その年の本番は案外な結果に終わり、その後はなぜかMeranoのSteeplechaseに参戦していた。どうやらそれなりに大きなトラブルがあったようだが、ひとまず能力馬が大きな故障を乗り越えて戻ってきたということで期待したいところである。ただ、やはり2020年にはうまくいかず7着に敗れていることを考えると距離延長については懸念材料で、今回は5200メートルと、他のQualification Raceよりも距離が短縮されたことによる恩恵も否めないだろう。なかなかいいレースをしたのが昨年のVelka Pardubickaの3着馬Sacamiroで、途中で大きなミスで位置を下げることにはなったものの、そこから再度盛り返し最後は猛然と追い上げてきた。距離延長に期待したいのはこちらだろう。Meranoで結果を残したSanta KlaraもPardubiceのCross Countryに目途をつける走りで、この馬は賞金額の増加によって国内外の有力馬を誘致することを目的とした今般の変更によって恩恵を受けた可能性がありそうだ。Aeneas、Talent、Kaiserwalzerは前々で運ぶも最後はやや遅れての敗戦。Playerはもったいない地点での落馬に終わったが、今年は2回出走しいずれも出走権利の獲得に失敗している影響が懸念されそうだ。フランスからの移籍初戦となるBarython De Vaigeまで出走権利は獲得することに成功したが、Dajukaの入線時のフォームはやや気になった。本来この路線でも十二分に上位争いをするだけの能力を持った馬で、今回はどちらかというと本番を見据えて脚を測るようなレースに終始していた。特に問題がなければいいのだが。

 

〇 Cena společnosti K-K METAL, a.s. - Memoriál Ing. Stanislava Hošáka

Steeplechase crosscountry III.kat. - 3300 m, cena, 5letí a starší - klisny 90.000 Kč (Replay)

1. Cosmic Magic J: ž. Pavel Složil ml. T: Radim Bodlák

後方からじわじわと追い上げたCosmic MagicがBabiloniaを捉えて勝利した。Cosmic Magicは2020年にポーランドSteeplechaseでは無敵を誇った馬で、これが昨年5月以来のレースとなる。どうにも2020年当時の勢いにあるかといわれると微妙なところがあるのだが、とはいえ久々のPardubiceのCross Countryにも対応したことは歓迎材料だろう。8歳と年齢的には余裕はあるが、牝馬ということを考えるとどこまで現役を続けるかは微妙なところで、今回も3000メートルクラスということもあってかだいぶ鞍上が動かしていく場面があった。前走IV.kat.でCross Country初勝利を飾った好調の10歳馬Babiloniaが2着に入った。

 

Tokyo / 東京 (JPN) Good to Firm

The Tokyo Jump Stakes / 東京ジャンプステークス (G3) 3110m (Replay)

1. ジューンベロシティ J: 西谷誠 T: 武英智

レースは人気一角ロードアクアが飛ばす展開で隊列はだいぶ長くなる。そのままロードアクアはザメイダンなどを振り切って逃げ込みを図るも、直線に入って脚色がいっぱいに。代わって捲って出てきたジューンベロシティが追い込んできたメイショウアルト等を振り切って勝利した。

ジューンベロシティはこれで重賞は初勝利とした。中山グランドジャンプでは2番手集団からだいぶ離れた6着と大敗していたが、とはいえ障害5戦目の若馬としては十分な内容を見せていた。今回は内で我慢をしながら途中から外へと切り替えて出していくレース運びで、ロードアクアがやや飛ばし過ぎた感はあるとはいえ今後が楽しみになるものであった。ワンテンポ遅れて出ていったメイショウサムソン産駒のメイショウアルトが2着で、今後期待できそうな5歳馬が上位を占めた。京都ハイジャンプでダイシンクローバーの2着に入ったトライフォーリアルが3着。阪神スプリングジャンプジェミニキングの2着に入ったロードアクアは積極的に進めたが、やや今回は飛ばし過ぎた感のある内容で、直線に入っては長い府中の坂で苦しくなったようだ。ホッコーメヴィウスは人気になっていたが、どうにも飛越にミスも多かったようで、今回は大敗に終わった。

 

6/25(日)

Lyon Parilly (FR) Tres Souple (4.1)

Grand Cross De Lyon - Prix Andre Baboin

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus 5200m (Replay)

1. Born To Be A Queen J: Kilian Dubourg T: Lagenest & Macaire

TNC第7戦。レースはBorn To Be A Queenが淡々と引っ張る展開も、これにぴったりとGamsoulなどがついていく。さらにBrunch Royalが後方から押し上げて前を伺うが、これを振り切ったBorn To Be A QueenがGamsoulに9馬身差をつけて快勝した。

Born To Be A QueenはこれでVichyのGrand Crossを含め7連勝とした。今回は当時下したGamsoul、Brunch Royalなどが当面の相手であったとはいえ、Gamsoul以下に決定的な差をつける勝利で、この馬の能力の高さを改めて示す結果となった。TNCは今年はこれで2戦で勝利を掴んでおり、TNC優勝に向けても大きな一歩となる勝利であった。72.5kgのトップハンデを背負ったJemes ReveleyのGamsoulが2着で、さすがにこの馬もここでは力量上位であるところを見せた。チェコのBrunch Royalは進境を見せての4着だが、さすがに10歳とだいぶ年齢を重ねており、シンプルなスプリント勝負になると厳しそうな感がある。ただ、終盤で故障があったという話も出ているようだ。この路線の常連であるBlack'N Rosesもリズムよく進めていたが、終盤で残念な形での競争中止となった。

 

Woodville-Pahiatua RC @ Woodville (NZ) Heavy10

〇 Murray Contractors Open Hurdle OPN HDL 3000m (Replay)

1. Happy Star J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

内馬場には羊が放牧されなんとも長閑な雰囲気のWoodville競馬場。レースは人気のHappy Starが前半から引っ張ると、そのままついてきたMizzena以下を振り切り勝利した。Happy Starは昨年のGrand National Hurdle (PJR)の勝ち馬。今シーズンはAwapuni Hurdleから始動しSulimanの3着に終わっていたが、ここでは恰好を付けた。ひとまず70.5kgのトップハンデを背負ってということで貫録を見せたが、昨年はなかなか出走馬の確保に苦労したGrand National Meetingの価値を上げる活躍を期待したい。そのGrand National Hurdles (PJR)では5着と大敗したMizzenaは積極的な競馬で2着に踏ん張った。

 

〇 Woodville Service Centre Open Steeplechase OPN STP 4000m (Replay)

1. Prince Turbo J: Shaun Fannin T: Kevin Myers

レースはHamish McNeillのRaucousが淡々と引っ張るも馬群は固まって進行。徐々にRaucousがペースを上げるも、これについてきたPrince Turboが最終コーナー手前で前に出ると、そのままRaucousを振り切って勝利した。Prince TurboはこれでMaidenから連勝とした。HurdleではRST OPN HDLを含め4戦して勝ち星を挙げることはできなかったが、Steeplechaseでは結果を残している。Woodvilleの置き障害ということもあって飛越自体は安定しており、ここからのステップアップに期待したいところである。昨年このコースのOpen SteeplechaseでInterllectusの2着に入ったRaucousが前々で踏ん張っての2着。昨年はPRJを複数勝利するなど結果を残していたNo Tipはどうにも今年はいまいちで、今回も離れた4着に終わった。