にげうまメモ

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23/12/03 Weekly National Hunt / Jump Racing

11/27(月)

Ludlow (UK) Good to Soft (Goot in places)

〇 Open NH Flat Race (Class 5) 1m7f169y (Replay)

13. Red Panda (GB) J: Lily Pinchin T: Charlie Longsdon

Snow Leopardessの産駒のRed Pandaのデビュー戦であったが、前々で進むもそこから脱落し、勝ち馬から大きく離れた13着に終わった。Red PandaはSnow Leopardessの2019年生まれのSir Percyとの産駒で、すなわちSnow Leopardessが競走に復帰する前に生まれた産駒となる。競走復帰後のSnow Leopardessの活躍はよく知られている通りで、母と同じくCharlie Longsdon厩舎の所属というのはなかなか楽しみである。Snow Leopardessは2023年の10月に引退を表明しており、その次の産駒を目にするのはおそらくだいぶ先と思われるが、Red Pandaには頑張って欲しいところである。

 

11/30(木)

Compiegne (FR) Lourd (4.9)

Prix General De Saint-Didier (G3)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 3 ans. 3400m (Replay)

1. Karakta (FR) (AQPS) J: Valentin Morin T: Etienne d'Andigné

レースはTerra Bellaが前に行くも、だいぶゆったりとしたペースで馬群は固まって進行。途中から前に出てきたKaraktaがBon Garconとの叩き合いを制して勝利した。

KaraktaはHaiesは前走のCompiegneのClasse 2から連勝とした。全体的にばたばたと飛越している馬が散見される中でこの馬の飛越自体は安定しており、途中で意図せず前に出たというレース展開はありそうだが、現時点でもそれなりに完成度のありそうな一頭である。ただし馬場状態もあってかまともにスパートをかけたのはほぼ最終障害を飛んでからというレースで、どこまでこのレースが今後の参考になるかはわからない。同じくCompiegneのClasse 2を勝ったBon Garconが2着。Auteuilの重賞戦線を走っていたTerra Bella、Light Waveはいずれも遅れての入線となった。

 

Grande Course De Haies De Compiegne (G3)

Haies Pour tous chevaux de 4 ans et au-dessus. 3600m (Replay)

1. Hooligan (IRE) J: Felix De Giles T: Noel George & Amanda Zetterholm

Percevalを制して前に行ったHooliganが残り3障害辺りからリードを開くと、追い込んで来た後続を尻目に7馬身差の快勝とした。

Hooliganはこの陣営にありがちなイギリスからの移籍馬で、イギリスではClass2のHandicap hurdleなどでの勝ち鞍がある。ここまでCompiegneのListedにて連続で2着に入るなど結果を残していたが、今回は強い競馬を見せた。ただし既に8歳と年齢はそれなりに重ねており、やや馬場やFelix De Giles騎手の騎乗に助けられた感はありそうだ。前走のPrix De Besancon (Listed)でHooliganを下してきた5歳馬Imperial Magはやや遅れての2着。昨年の段階ではPrix Renaud Du Vivier (G1)までコマを進めた馬だが、今年はまだこれが2戦目に留まっている。前走はGrand Prix D'Automne (G1)で3着に入ったVae Patronが3着だが、おそらくこの馬は相手なりに走るタイプなのだろう。AuteuilのListedを含む2連勝で挑んで来たPercevalは途中で故障を発症しての途中棄権で、残念な結果となってしまった。

 

12/1(金)

Newbury (UK) Good to Soft (Soft in places)

John Francome Novices' Chase (G2) 2m3f187y (Replay)

1. Hermes Allen (FR) (AQPS) J: Harry Cobden T: Paul Nicholls

やや前向きに走ったNickle Backがリードを取って逃げる展開で、全体的に隊列は長くなる。しかし好位にいたHermes Allenがじわじわとこれに接近すると、2着に6馬身差をつけて快勝した。

Hermes Allenは昨シーズンのNewburyのChallow Novices' Hurdle (G1)の勝ち馬で、これがChase初戦であった。春のG1戦線ではノドの影響もあったのかあまりいいところはなかったのだが、夏場にWind Surgeryを経験しているようで、これが奏功していれば楽しみな存在になるだろう。飛越はChase初戦とはいえ特に問題はなかった。Chase2連勝で挑んできたNickle Backが2着に入ったが、どうにも全体的に行きたがって走ったりと飛越に不安定なところも認められ、このあたりが改善されればもう少しやれそうだ。

 

Long Distance Hurdle (G2) 3m52y (Replay)

1. Dashel Drasher (GB) J: Rex Dingle T: Jeremy Scott

人気薄のMahons Gloryが後続に大きなリードを取ってレースを進めるも、早々にペースが落ち着いて後続が接近。逃げるMahons Gloryについて行ったFlight Deckが残り3障害辺りから先頭に代わるが、これにDashel Drasher、Paisley Parkが接近。Flight Backを交わして前に出たDashel Drasherが追い込んで来たPaisley Parkを抑えて勝利した。

Dashel Drasherは遡ればAscot Chase (G1)勝ちがある馬だが、2022年の冬からは概ねHurdleに戻っている。昨シーズンはStayers' Hurdle (G1)で3着などをはじめ勝ち切れないまでも良績を残しており、今回は久しぶりの勝利となった。11歳となったPaisley Parkも引き続き元気そうで、11st8lbという斤量を考えればこちらを上に取りたいところだが、とはいえこの馬の場合はハマる展開とハマらない展開があるところが難しいところである。比較的人気薄であったFlight Backが健闘しての3着。人気のMarie's Rockは前を捉え切れず4着に終わった。

 

12/2(土)

Newbury (UK) Good to Soft (Good in places)

Coral Intermediate Handicap Hurdle (Premier Handicap) 2m69y (Replay)

1. Hansard (IRE) J: Niall Houlihan T: Gary Moore

人気薄のDoyen Ta Winが前に行くも、早々に後退しTapleyが前に出てくる。残り2障害辺りから4歳馬のBadが前を走るも、これを追いかけたHansardがBadとの叩き合いを制して勝利した。

HansardはNovice上がりの馬で、昨シーズンはTop Novices' Hurdle (G1)で4着に入っている。今シーズンはWincantonのElite Hurdle (G2)で2着に入ってのここであった。11st11lbを背負っての5歳馬の勝利ということでなかなか内容としては立派なのだが、とはいえメンバー的には重賞戦線でどうこうという馬もいないようで、過大評価は難しそうだ。2着の4歳馬Badは前走AscotのClass2のHandicap Hurdleで3着のある馬だが、とはいえ前走の時点でだいぶ軽量に助けられている感もある。Cheltenham FestivalでSfran Landing Systems Fillies' Juvenile Hurdle (Premier Handicap)を勝ったUnder Controlは11st13lbを背負うも期待されていたようだが、今回はさっぱり走らず大敗に終わった。

 

Coral Gold Cup Handicap Chase (Premier Handicap) 3m1f214y (Replay)

1. Datsalrightgino (GER) J: Gavin Sheehan T: Jamie Snowden

この時期のNewburyの伝統の一戦。以前はMany CloudsやBobs Worth、さらにはDenman、Native RiverといったG1戦線でも通用する名馬を送り出しているのだが、最近は軽量馬の台頭が主である。レースは12st0lbを背負ったトップハンデのAhoy Senorが前を伺うも、これを制してCloudy Glen、Shakem Up'arryが前に出てくる。じわじわと後退したAhoy Senorを尻目にこの2頭が元気に引っ張るも、残り2障害前からMahler Missionが先頭に。しかしさらにこれを追いかけたDatsalrightginoがMahler Missionを突き放して勝利した。

メンバー構成として今年は12st0lbのAhoy Senorが抜けたトップハンデで、他はStolen Silver、Midnight Riverが11st台前半、残りは10st台というメンバー構成であった。G1~G2路線を使うと無駄にレーティングが加算され、その殆どを占めるHandicap路線で不利になるというイギリス競馬システムの問題点が顕著であったように思われる。Datsalrightginoは昨シーズンのFuture Champion Novices' Chase (G2)の勝ち馬だが、CheltenhamではMagners Plate (Premier Handicap)に回ったようで、そこでは途中棄権に終わっていた。今回は初の24f超の競争であったが結果を残した。基本的にはこのように後ろから押し上げていくレース運びを得意とするタイプで、鞍上との手もあっているのだろう。レースの内容としては流れの緩まない中で馬群の中をすり抜けていくHandicap Chaseでの勝利という印象で、引き続きこの路線でということになりそうだ。同じく7歳馬のMahler Missionが2着で、こちらはMahlerの産駒らしい航行能力の高さを生かして2着に来た。最後追い出してからいまいちなのはこの産駒の特徴で、ここまで惜敗続きなのが頷けるレース内容であった。Ultima Handicap Chase (Premier Handicap)で3着のあるMonbeg Geniusが3着に入り、比較的フレッシュな7歳馬が1~3着を占めたのは今後のこの路線を占ううえでは明るい材料だろう。

 

Fairyhouse (IRE) Soft (Yielding to Soft in places)

WillowWarm Hurdle (G3) 2m (Replay)

1. Risk Belle (FR) J: Mark Walsh T: Willie Mullins

するすると人気のGust of Windが逃げるも残り3障害で落馬。代わって前に出たRisk BelleがNusret以下を抑えて勝利した。

Risk BelleはNo Risk At All産駒の牝馬で、昨シーズンはRYBO Handicap Hurdle (Grade A)勝ちがある。ただ、4歳戦線ではLossiemouthにさっぱり叶わなかったようで、早々に路線変更を試みられていたようだ。このまま同じ路線を歩むかどうかは微妙なところだろう。昨シーズンはAdonis Juvenile Hurdle (G2)を勝った牡馬Nusretは夏場は平地競争を使っていたようで、内から前を追いかけるも捉え切れず2着まで。Joseph O'Brien厩舎ということで引き続き平地との兼用馬として走る可能性がありそうだ。Gust of Windは着地時に滑ったものと思われるが、残念な結果となったそうだ。

 

Auteuil (FR) Lord (4.9)

〇 Prix Nupsala (Classe 1)

Steeplechase Pour poulains entiers, hongres et pouliches de 4 ans, n'étant pas de race Pur Sang, n'ayant pas, en steeple-chase, reçu une allocation de 28.000. 4400m (Replay)

1. Jewel De Kerza (FR) (AQPS) J: Clement Lefebvre T: Gabriel Leenders

人気薄のJack Luxが軽快に逃げるも、これを追いかけたJewel De KerzaがJack Luxを捉えて勝利した。Jewel De KerzaはLegolas産駒の4歳牝馬で、Steeplechaseはこれが3勝目とした。ここまでCompiegneやCraonを使ってきた馬のようでAuteuilでのレースは初めてであったが、慣れてくればもう少しよくなりそうな感もありそうだ。日本では有馬記念参戦でお馴染みのLegolasはフランスで繋養されているようだが、現時点で特段の重賞勝ち馬を送り出すには至っていない。今回は4歳の非サラブレッド限定戦ということはあるのだが、待望の重賞勝ち馬となることを期待したい。

 

Prix Andre Michel (G3)

Haies Pour juments de 4 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en courses à obstacles, reçu une allocation de 100.000. 3600m (Replay)

1. Guarana (FR) J: Theo Chevillard T: Mlle Elisabeth Allaire

Angela Du Berlaisが前に行くも馬群は密集して進行。向こう正面で内に進路を取ったImpulse Precieuseが前に出て逃げ込みを図るも、これを追いかけたGuaranaがFortunes Melody以下を抑えて勝利した。

Guaranaは4歳牝馬で、HaiesはCompiegeのListed戦を含めて3連勝とした。この秋にめっきり力をつけてきた馬のようで、2着がGrand Prix D'Automne (G1)でさっぱり相手にならなかったFortunes Melodyというところは微妙ではあるが、なかなか楽しみな馬になりそうだ。そのFortunes Melodyが2着。元々フランスの3歳重賞路線で入着もある馬だが、その後イギリスでは主にMares' Chaseを使うも結局はフランスに戻っている。良血馬Angela Du Berlaisは勝負所で脱落しての4着に終わった。

 

Prix Morgex (G3)

Steeplechase Pour tous poulains et pouliches de 4 ans. 4400m (Replay)

1. Jazz Manouche (FR) (AQPS) J: Damien Mescam T: Mlle Lucie Pontoir

Inaya Jones、Jostなどが前に行く展開も馬群は密集して進行。2周目からKlitchko De Berlairが前に出てくるも、じわじわと進出してきたJazz Manoucheが直線外に出すと、Klitchko De Belairとの叩き合いを制して勝利した。

Jazz Manoucheはこれが初の重賞勝ちとした。5月の段階ではJuntos Ganamos相手にPrix Ferdinand Dufaure (G1)で3着に入っていた馬で、今年秋のG3ではいずれも4着に終わっていたのだが、今回は結果を残した。Prix Maurice Gillois (G1)は結局使わなかったようだが、4歳勢の代表格となることを期待したい。そのPrix Maurice Gillois (G1)では落馬に終わったKlitchko De Belairが2着。Prix Maurice Gillois (G1)では3着に入ったJostが今回も3着に入った。どうにも惜敗続きの馬のようで、少し注意してみてもいいかもしれない。4着のJohnny Roqueまであまり差のない入線となった。

 

Prix Georges Courtois (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4400m (Replay)

1. Gold Tweet (FR) J: Gabin Meunier T: Gabriel Leenders

最後の直線を向いてSpes Militurfが抜け出しを図るも、これにGold Tweetが接近。そのまま抜け出したGold TweetがSpes Militurfに7馬身半差をつけて勝利した。

Grand Steeplechase De Compiegne (G2)ではSpes MiliturfがGold Tweetを抑えて勝利していたのだが、今回はその着順が逆転することになった。当時の馬場はTres Lourd (5.2)と極めて重いものであったが、今回はそこまでの重さには至らなかったことがこの着差を生んだ要因かもしれない。いずれにせよ、Gold Tweetは今後はGrand Steeplechase De Paris (G1)を目指すようで、Spes Militurfをここまで一気に突き放した能力はなかなか魅力的であろう。ただしSpes Militurfは春のAuteuilのSteeplechaseでは案外であったというところもあり、力関係には少し注意しておいた方がいいかもしれない。残念であったのが5歳馬のKamchatkaで、前走Classe1で強い競馬を見せていたのだが、向こう正面の障害で落馬、残念な結果に終わったようだ。

 

Prix Leon Olray Roederer (G2)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4300m (Replay)

1. True Tiger (FR) J: Damien Mescam T: Mlle Lucie Pontoir

KapteenとIrish Vocationが元気に引っ張る展開で、直線を向いてIrish VocationがKapteenを振り切るも、これにTrue TigerとNorvilleが接近。True TigerがNorvilleを振り切って勝利した。

True TigerはJukebox Juryの産駒で、Haiesはこれが2勝目とした。2021年の段階ではPrix Alain Du Breil (G1)で4着に入るなど頑張っていたようだが、その後かなり長い休養を経て復帰している。現状フランスHaies路線は一頭抜けた馬が存在している状況で、今回のレースからいきなりどうこうというわけではないのだが、過去の4歳Haies戦線の実力馬が戻って来たことは喜ばしい内容だろう。Grand Prix D'Automne (G1)にも出走したNorvilleが2着。Voiladenuo産駒の上がり馬Irish Vocationは元気に前を進んだが、最後は捕まっての3着。Prix Count Schomberg (Listed)で72kgのトップハンデを背負って2着に20馬身差をつけて圧勝したKapteenは今回はぱっとせず4着で、やはり前走はTres Lourd (5.1)の馬場に大いに助けられたものと思われる。

 

12/3(日)

Fairyhouse (IRE) Soft

Bar One Racing Price Boosts Across All Channels Juvenile Hurdle (G3) 2m (Replay)

1. Nurburgring (IRE) J: Richard Deegan T: Joseph O'Brien

前々で運んだKala ContiとNurburgringとの叩き合いはNurburgringに軍配が上がった。NurburgringはこれでHurdleはMaidenから2勝目とした。Joseph O'Brien厩舎の馬らしくex-flatタイプのようで、今年の6月には平地の重賞競走にも挑戦している。ただし、全体的に完成度がいまいちな面々が多く集まったレースのようで、ここまで比較的長く走って来た利があったように思われる。ex-frenchのKala Contiが2着。前走はNavanのJuvenile Hurdleを勝った馬で、上がり目があるとしたらこちらだろう。フランスではListed勝ちのある馬のNara*1もいたが、全体的にもたもたした飛越を繰り返し勝ち馬からだいぶ離れた4着。人気を背負ったex-frenchのBatman Giracもコーナーで曲がり切れなかったのか、その後リカバーできずに大敗に終わった。

 

Royal Bond Novice Hurdle (G1) 2m (Replay)

1. Farren Glory (IRE) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Legolas産駒のHorantzau D'Airyが逃げる展開も、これにAn Tobarがついて行く。残り3障害辺りから先頭に立ったAn Tobarがそのまま逃げ込みを図るも、これに外から迫ったFarren GloryがKing of Kingsfieldを抑えて勝利した。

Farren GloryはHurdle自体はこれが2シーズン目となる馬だが、これでMaidenから連勝とした。レースとしてはかなりHorantzau D'Airyが抑えを効かせて引っ張るというこの時期のNoviceらしいレースで、ほぼ直線を向いての瞬発力勝負となった感はありそうだが、とはいえ途中から外に切り替えて伸びてくるというレースは現時点での完成度の高さを感じさせるものであった。King of Kingsfieldはこれで3戦連続の2着。Punchestown Champion INH Flat (G1)ではA Dream To Shareの3着がある素質馬だが、負け方を考えると距離を伸ばしてもいいかもしれない。同じように距離延長で期待できそうなのが3着のAn Tobar。Willie Mullins陣営のBialystokは後方から脚を伸ばすも4着まで。昨年の1月からHurdleを使っている経験馬だが、どうにも消極的なレースに終始したのは気になるところである。Legolas産駒のAQPSであるHorantzau D'Airyはだいぶ引っかかり気味のレース運びで、おそらく前に行ったのは同厩舎の馬との兼ね合いと思われる。それなりにHurdleでの経験はある馬だけに飛越自体は問題はなかったようだが、さすがにこのレースではどうしようもないといったところだろう。

 

Drinmore Novice Chase (G1) 2m4f (Replay)

1. I Am Maximus (FR) J: Jody McGarvey T: Willie Mullins

レースは人気を背負ったLetsbeclearaboutitが引っ張る展開で、これにFound A Fifty、I Am Maximusなどが追走。最終障害辺りから前に出てきたI Am MaximusがFound A Fiftyを抑えて勝利した。

I Am Maximusは昨シーズンのIrish Grand National (Grade A)でChase初勝利を挙げた馬で、アイルランドの"Novice"の規定上、これがNovice Chaseに出走可能なぎりぎりのラインであった*2。この馬にとってここは単なる叩き台と思われたのだが、やや驚きの勝利を挙げた。昨シーズンの段階でもNovice ChaseのG1戦線には出走しており、やや足りないレースをしていただけに、あまりペースが上がらなかった上に距離的にも短いこのレースでこれだけ走れるというのは少々驚きである。前走Beginners Chaseを勝ったFound A Fiftyが2着。人気を背負ったFlemensfirth産駒のLetsbeclearaboutitは全体的にスムーズな飛越を見せていたが、どうにも勝負所から遅れての3着に終わった。あまり平地のスピード能力の面で信用しすぎない方がいいかもしれない。Sharjahはあまり伸びず4着に終わったが、どうにも調教師によれば馬場が合わなかったそうだ。

 

Hatton's Grace Hurdle (G1) 2m4f70y (Replay)

1. Teahupoo (FR) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

昨年はTeahupooがHoneysuckleを破ったことで話題を集めたレース。今年はZanahiyrが淡々と引っ張る展開で、これを好位で持ったままでImpaire Et Passeがついて行く。Impaire Et Passeは持ったままで残り2障害辺りから先頭に立つも、これに対して手綱を押してついて行ったTeahupooがImpaire Et Passeを抑えて勝利した。

Teahupooはこのレースは2連覇とした。昨年のこのレースの段階では格下と思われていた馬だが、その後はStayers' Hurdle (G1)でSire Du Berlaisの2着、Champion Stayers' Hurdle (G1)にてKlassical Dreamの4着に入り、昨年の走りがフロックではないことを見せている。今年の走りも今後に期待できるもので、しぶとい伸び脚を見せたこのレースは更なる距離延長に対しても適性を改めて示すものであった。一方のNovice戦線で強い競馬を見せていたImpaire Et Passeは持ったままで出てきたが、実際のところ馬自身は前向きに走っており、見た目の手ごたえほど余力はなかったものと思われる。Novice戦線では主に20fで走ってきた馬で、距離延長も距離短縮にもいずれに対してもポテンシャルはありそうだが、今後のレース選択に注目したい。牝馬相手にNovice G1を勝ってきたAshroe Diamondはやや離されての3着だが、とはいえ上位2頭に対して十分な内容だろう。Mares' Hurdleであれば有力視できそうな一頭である。