にげうまメモ

障害競馬の個人用備忘録 ご意見等はtwitter(@_virgos2g)まで

23/12/31 Weekly National Hunt / Jump Racing

12/25(月)

Pau (FR) Collant (4.3)

〇 Prix Roger De Vazelhes (Classe 3)

Steeplechase Pour chevaux entiers, hongres et juments 5 ans et au-dessus, anglo-arabes, inscrits au Stud-Book anglo-arabe, nés et élevés en France, comptant au moins 12,5 % de sang arabe, n'ayant pas, cette année, reçu 30.000 en steeple-chases. 4000m (Replay)

1. Stingo (FR) (AA) J: Clement Lefebvre T: Daniela Mele

アングロアラブ限定Steeplechase。Manitoparkが前に行く展開で、好位からGarry De La Brunieが進めるも、するすると上がって来たStingoが残り2障害を越えて抜け出し勝利した。

Stingoはアングロアラブとして平地計13勝を挙げたCarghese Des Landesの産駒で、これで平地から4連勝、障害戦は3戦無敗とした。Haiesでは2勝を挙げており、これがSteeplechase初戦であったが特段飛越には問題はなく、まだ6歳セン馬と若い馬であることを考えれば今後に期待が持てそうだ。AuteuilのSteeplechase National Des Anglo-Arabes (Classe 1)では鞭の使用制限に引っかかり失格の憂き目にあったGarry De La Brunieも好位から進めたが、勝ち馬からは大きく離されて終わった。

 

12/26(火)

Kempton (UK) Good

Kauto Star Novices' Chase (G1) 3m (Replay)

1. Il Est Francais (FR) (AQPS) J: James Reveley T: Noel George & Amanda Zetterholm

イギリスでは計8場、アイルランドではDown Royalを含めて計3場開催となるBoxing Day。AWのWolverhamptonを除けば勿論全て障害開催である。この計11場のうち3場の放送を担当するRacing TVではYoutubeチャンネルでアイルランド3場の中継を行っていたようで、特段登録なしに無料で視聴が可能な状態であった。レースはフランスで強い競馬を見せていたIl Est Francaisが軽快に引っ張る展開で、これにHermes Allenがついて行く。途中からGiovinco、更にKilbeg KingがHermes Allenに接近するも、Il Est Francaisはそのまま軽快に先頭を走り、終わってみればHermes Allenに11馬身差をつけて圧勝した。

2着のHermes Allenを管理するPaul Nicholls調教師はこの馬を"anather Kauto Star"と称したようで*1Hermes Allenに対して桁違いの身体能力で圧倒したレースは衝撃的なものであった。Il Est Francaisは昨年のPrix Renaud Du Vivier (G1)で強い競馬を見せ世代のトップに立った馬であるが、今年の秋はSteeplechaseに転向すると、2戦ともいずれも圧倒的なパフォーマンスを見せて勝利している。今回は初のイギリスChase競走であったが全体的に伸びやかな飛越を見せており、特段対応には問題がなかったようだ。どうやら最終的な目的はGrand Steeplechase De Paris (G1)であるようだが、現時点でもまだ5歳とイギリスNovice Chaseの中でも比較的若い馬で、そのレース選択には注目したい。フランスにおけるここまでのトップホースがイギリスに遠征することは近年珍しく、その高い能力をKemptonの大舞台で見ることができたのは素直に喜ばしいことであろう。加えて、所属厩舎のNoel George & Amanda Zetterholmは元々イギリスTom George厩舎のフランス拠点として始まった厩舎であることを考えると、この陣営がフランスからイギリスへと馬を送り込む場合の対応力には注目した方がよさそうだ。

そのHermes Allenは結果的にはIl Est Francaisの引き立て役になってしまったが、Il Est Francaisの高いスピードを追いかけての2着であれば十分な内容だろう。HurdleではChallow Novices' Hurdle (G1)を勝った馬で、どうにもノドの持病があるだけに信用しきれないところはあるのだが、特段問題がなければイギリスNovice Chaseでは引き続きトップレベルでの戦いを期待できるだろう。後方から進めてHermes Allenに迫ったのがKilbeg Kingで、HurdleではPunchestownのConway Piling Handicap Hurdle (Grade B)を勝利している。そのKilbeg Kingよりも前のタイミングで前に行ったのがGiovincoであるが、同馬は結果的に脱落し途中棄権に終わっている。HurdleではNoviceのListed勝ちがあり、前走はSandownのEsher Novices' Chase (G2)にてStay Away Fayの2着に入っている強力な馬なのだが、この馬を物差しにすればやはり前の馬のパフォーマンスはやはり驚くべきものである。

 

Christmas Hurdle (G1) 2m (Replay)

1. Constitution Hill (GB) J: Nico de Boinville T: Nicky Henderson

今シーズンは開催トラブル等で復帰が遅れたConstitution Hillの復帰戦として注目が集まっていた。レースは5歳馬Rubaudが淡々と引っ張る展開も、直線を向いて外に出てきたConstitution Hillがほぼ持ったままで9馬身半差をつけて圧勝した。2着にはRubaudが入った。

Constitution HillはこれでHurdleは8戦8勝、そのいずれもが圧勝というレースを見せている。今シーズンは元々NewcastleのFighting Fifth Hurdle (G1)での復帰を予定していたが開催が中止になり、代替開催も馬場が宜しくないという理由で回避していた。今回はここまで4連勝で挑んで来た5歳馬Rubaudがかなりゆったりとしたペースで引っ張り、平坦なKemptonの良馬場、他の面々にも比較的良馬場巧者が多いという紛れが生じてもおかしくないレースであったが、この条件においてほぼ持ったままで圧勝するのだから大したものである。Elite Hurdle (G2)やScotish Champion Hurdle (G2)を含む4連勝で来たRubaudは自身のレースはしたのだが、内容的には完敗の2着。この馬にとってほぼ最高のレースであったと思われるが、いくら何でも相手が悪すぎたとしか言いようがない。Golden Horn産駒のFirst StreetはChase帰りということでやや飛越に難があるような場面もあったが許容範囲だろう。Black Poppy、Sceau Royalと実績的にはやや格下とはいえこの良馬場のKemptonは得意とする面々揃いであったが、あっさりとこれだけの着差を付けられるのだから勝ち馬の力量は相当なものである。なお、Sceau Royalはこのレースを最後に引退が決まったそうだ。

 

King George VI Chase (G1) 3m (Replay)

1. Hewick (IRE) J: Gavin Sheehan T: John Joseph Hanlon

スタートが注目されたShishkinはNico de Boinvilleが押して出していくことで無事にレースに参加する。レースは例によってFrodonが元気に引っ張るも、これにShishkinが絡んでいき、第12障害辺りから先頭に立つ。これにAllaho、Bravemansgameが追いかけるもShishkinは抵抗。しかし残り2障害でShishkinは躓いて落馬し、Allaho、Bravemansgameのマッチレースと思いきや、後ろで遅れていたはずのHewickが最後猛然と追い込むと、前2頭を交わして勝利した。

Frodonは例によっていつものペースを作りに行っているのだが、スタートで押して出していった影響かShishkinがやる気を出して走っており、これが結果的に前掛かりなレースを作りだしていたようだ。この煽りを食らったのがFrodonで、結果的に前に絡んでいったShishkinに競り潰されて大敗に終わっている。Shishkinは元々は16fで高いスピード性能を示していた馬だが、一方で24fを走り切るだけのスピードの持続性能を十二分に有しており、落馬が生じた地点でも余力を残している。落馬はおそらく着地後になぜか躓いたもののようで、結果的には不幸な落馬となってしまった。Hewickはどうにも前半からもたもたと走っていたようだが、結果的には前掛かりのレースに参加しなかったことが最後の伸び脚に繋がった可能性が考えられるだろう。これがペースに戸惑ったものであるのか、馬がそもそも走る気になっていなかったのかは注意してみておく必要がありそうだが、Kemptonよりも格段にタフなコースを使用し、かつ距離も延長されるCheltenham Gold Cup (G1)に向けて、昨年のCheltenham Gold Cup (G1)では落馬に終わっていた馬が再度どのようなレースをするかは楽しみにしたい。

Charlie Hall Chase (G2)では延々と鞍上が余裕をかましていたら最終障害でミスをして2着、Betfair Chase (G2)ではHaydock SpecialistのProyale Pagailleに競り潰されて2着に終わっていたBravemansgameは自身のレースをしての2着。Shishkinの落馬の煽りを食らった場面もあったが致命的なものではなく、むしろShishkinのペースに付き合ったことがHewickの謎の猛追を許す結果となった。この馬自身はKemptonの平坦なコースで自身のやれることをやり切っており、これくらい走っても不思議な馬ではない。長期休養明けからの復帰2戦目のAllahoは終始鞍上が馬群に入れて慎重に進めるレース運びで、元々は24fから距離を短縮して結果を残してきた馬であることを考えると納得のいく戦術だろう。ただしやはり距離的なところは微妙なラインで、ここからCheltenham Gold Cup (G1)でもと言われると微妙なところがある。春にBrown Advisory Novices' Chase (G1)を勝ったThe Real Whackerはペースについて行けず。7歳と若い馬だけにこれがいい経験になったことに期待したい。11歳のFrodonは健気に逃げたが、さすがに展開的にはだいぶ気の毒な内容であった。レース内容としてはまだやれそうな感もあったが、どうやらこれが引退レースとなったそうだ。

 

Aintree (UK) Soft

William Hill Formby Novices' Hurdle (G1) 2m103y (Replay)

1. Jango Baie (FR) (AQPS) J: James Bowen T: Nicky Henderson

アイルランドからFarren Glory、フランスからJuly Flowerの参戦があった。レースはCannock Parkがゆったりと逃げる展開で馬群は密集して進行。July Flowerは後方から。残り3障害前辺りから前に出てきたFarren Gloryはその直後に落馬。代わって出てきたJango BaieがFavour And Fortuneとの叩き合いを制して勝利した。

Jango Baieはいつぞやの中山グランドジャンプにも参戦したTiger Groomの産駒で、これでHurdleは2戦2勝とした。2着のFavour And FortuneはNoviceの身ながら前走はWetherbyのClass2 Handicap Hurdleで11st5lbを背負って快勝した実力馬だが、とはいえ人気どころが凡走したことを考えるとNovice HurdleのG1競走としてはなんとも取り扱いが難しい結果となった。今年からSandownからAintreeに移されたレースであるが、如何せん平坦なAintreeということを考えると今後に向けての展望という点では慎重に検討する必要があるだろう。HaydockのNewton Novices' Hurdle (G2)で上位に入ったKamsinas、Making Headwayはいいところなし。アイルランドでG1勝ちのあるFarren Gloryは期待されていたが終盤で落馬。フランスPrix Renaud Du Vivier (G1)にてLosange Bleuの2着のあるJuly Flowerは4月以来のAintree遠征であったが、このスローペースで後方から外を回すレースで、さすがに早々に苦しくなり途中棄権に終わった。

 

Wetherby (UK) Soft (Good to Soft in places)

Rowland Meyrick Handicap Chase (Premier Handicap) 3m45y (Replay)

1. Fontaine Collonges (FR) (AQPS) J: Shane Quinlan T: Venetia Williams

Fontaine Collonges、Does He Know、Into Oderdriveなどと前が目まぐるしく変わる展開も、第12障害から前に出たFontaine CollongesがEmpire Steelを振り切って勝利した。

昨年の勝ち馬でどうにも前掛かり気味に走ったInto Overdriveがオーバーペース気味のペースを作っていたようで、完走は6頭中2頭とタフなレースとなったようだ。Fontaine CollongesはSaddler Maker産駒の牝馬で、重賞は初めての勝利とした。例によって重馬場の長い距離のレースで結果を残してきた馬で、前走のLondon National (Class 2)では早々に落馬に終わっているのだが、今回は結果を残した。どうやら今年の春にWind Surgeryを行っているようで、直前のレースはさっぱりこの馬の能力を出さずに終わっていたことを踏まえると復調が期待される。2021年のこのレースでは終盤で落馬に終わっていたEmpire Steelは今年は走り切っての2着に入った。

 

Leopardstown (IRE) Yielding (Yielding to Soft in places)

Mercedes-Benz South Dublin Juvenile Hurdle (G2) 2m (Replay)

1. Kala Conti (FR) J: Danny Gilligan T: Gordon Elliott

Cossack Charchが前に行く展開も馬群は密集して進行。最終コーナーから前に出てきたKala Contiが同じく前に出てきたKargeseとの叩き合いを制して勝利した。

Kala ContiはKaraktarの産駒で、アイルランドでのHurdleはこれで2勝目とした。前走のFairyhouseのG3ではNurburgringの2着に終わっているが、今回は立ち回りの面でよりスムーズな競馬ができていたようだ。そのNurburgringが僅差の3着に入っているのだが、間に割って来たのがJeu St Eloi産駒の牝馬Kargeseであった。AuteuilのPrix Sagan (G3)にてTerra Bellaを下して勝利した馬で、これがアイルランド初戦であった。全体的にやや行きたがる素振りを見せており、Kala Contiとは3lbの斤量差があったことを考えるとこちらを上に取るべきだろう。4着には後方から追い込んだBatman Giracが入ったが、最終コーナーの地点でもほぼ最後方、そこから内を立ち回って追い込むという絶望的なレース運びで、スムーズであればもう少しやれてもよさそうだ。

 

Racing Post Novice Chase (G1) 2m1f (Replay)

1. Found A Fifty (IRE) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

Facile Vegaの前をふらふらとFound A Fiftyが走る展開で、Facile Vegaはこれを避けつつレースを運ぶことになる。一旦は前に出たFacile Vegaであるが、終盤になって再度Found A Fiftyが先頭に出ると、追い込んで来たMy Mate Mozzieらを振り切って勝利した。

Found A FiftyはChaseはこれで2勝目とした。HurdleではMaiden勝ちのみに留まった馬で、前走のFairyhouseのDrinmore Novices Chase (G1)ではI Am Maximusに敗れているが、今回は結果を残した。全体的に斜飛したりとどうにもお行儀の悪さを見せているのだが、とはいえまともに走ったときのスピードはいいものがありそうで、このような癖馬がどのような成長を遂げるのかは楽しみである。10月のChetltenhamのNovice戦で勝利したMy Mate Mozzieが2着。最近は平地と兼用で走っているところもある馬だが、10月からChaseにも挑戦しているようで大したものである。10歳のベテランSharjahが3着。Facile Vegaは期待されていたのだが、終始勝ち馬の煽りを食らいつつこれを避けてレースを運ぶことを強いられていた。最後は気持ちが切れたような脱落を見せており、案外気性的には脆いところがあるかもしれない。

 

Limerick (IRE) Soft to Heavy (Heavy in places)

Lyons of Limerick Jaguar Land Rover Novice Hurdle (G2) 2m7f (Replay)

1. Loughglynn (IRE) J: Sean O'Keeffe T: Willie Mullins

毎年のように重馬場で行われるLimerick恒例の3m戦。Search For Glory、Steller StoryのGigginstown2頭が前に行くも、この間を割って出てきたLoughglynnがSteller Story以下を抑えて勝利した。

LoughgylnnはHurdleはこれで2戦2勝とした。NHFではChampion Bumper (G1)にも参戦した馬だが、Hurdleでは21f戦でデビュー、その直後に距離を伸ばしており、今回がこの3m戦は初めてのレースであった。2着のSteller StoryはNavan Novice Hurdle (G2)で人気を背負っていた馬、4着のSearch For GloryはCorkのStayers Novice Hurdle (G3)の勝ち馬で、どうしてもレース条件からゆったり運んだことから着差はあまりつかなかったとはいえ、メンバー的にはそれなりに揃っていたレースと思われる。

 

12/27(水)

Chepstow (UK) Soft (Heavy in places)

Coral Finale Juvenile Hurdle (G2) 2m11y (Replay)

1. Salver (FR) J: Caoilin Quinn T: Gary Moore

このレースは2021年まではG1競走として行われていたのだが、昨年からG2に降格されている。レースはBalboaが逃げる展開も、これにやや引っかかり気味にSalverがプレッシャーをかけていく。残り3障害で前に出たSalverがそのまま2着に21馬身差をつけて勝利した。

SalverはSaldierの半弟で、SaldierはSoldier Hollowの産駒であるがこちらはMotivatorとなっている。SalverはHurdleは3戦無敗とした。かなり重い馬場でのレースということでタフなChepstowのコースも相まって着差は付いたが、血統的にもいいものを持っている馬で期待したい。Motivatorの産駒として同世代でフランスにてHaies戦線で活躍したJigmeが最近種牡馬入りしており、その成長力を占ううえでも注目すべき馬だろう。Conditional JockeyであるCaoilin Quinnとのコンビで重賞制覇となったが、Jamie Mooreが現在療養中で、引き続き同じコンビとなるかは注意した方がいいかもしれない。Hurdleではここまで5戦と比較的経験のあるBalboaが2着。Authorized産駒の牡馬Authocelticは早々に脱落するも諦めずに走って3着を確保したようだ。

 

Welsh Grand National Handicap Chase (Premier Handicap) 3m6f130y (Replay)

1. Nassalam (FR) J: Caoilin Quinn T: Gary Moore

Chepstow恒例の名物競争。この日のChepstowは強い雨が降り続いた影響で馬場はだいぶ悪化していたようだ。レースはAmateurが出てくるも馬群は密集して進行。早々にThe Galloping Bear、The Big Breakawayなどは脱落し途中棄権。第18障害辺りから前に出てきたNassalamがそのまま食らいつこうと試みたIwilldoitなどを振り切ると、2着のIron Bridgeに34馬身差をつけて圧勝した。出走馬19頭のうち完走は計5頭となった。

Nassalamは元々Juvenile Hurdle路線においてFontwellの2戦で合計108馬身差をつけて快勝したことで話題を集めた馬だが、2021年のCoral Juvenile Hurdle (G1)ではAdagioの2着に敗れ、結局Hurdle路線では重賞を勝利できずに終わっていた。Chaseでもあまり結果を残せずにいたようだが、その後はHandicap Chaseへ参戦、今シーズンはGesskilleの勝利したGrand Sefton Chaseにて4着に入り、前走のWelsh Grand National Trial (Class 2)では10st12lbを背負って勝利していた。比較的重い馬場に適性のある馬とはいえ、ここまであまり24f戦で結果が出ていなかったということを考えると、元々能力のある馬とはいえこの圧勝は少々驚きの内容であろう。まだ6歳と若い馬でスピードのいいものを持っており、一度National Fenceを経験しているという経緯も踏まえると、単なる不良馬場巧者と侮れないところもありそうだ。Novice上がりのIron Bridgeが最後追い上げての2着。11st7lbを背負ったIwilldoitはNassalamに食らいついて行ったが、最後は脚が上がっての3着。今年の1月にはClassic Chase (Premier Handicap)を11st10lbを背負って勝利した実力馬だが、今回は勝ち馬を褒めるしかなさそうだ。10st2lbのNot Sureが4着。5着に11st13lbを背負ったComplete Unknownが入ったが、残念ながら入線後に亡くなったそうだ。

 

Kempton (UK) Good to Soft

Wayward Lad Novices' Chase (G2) 2m (Replay)

1. Master Chewy (IRE) J: Thomas Bellamy T: Nigel Twiston-Davies

BourbaliとNickle Backが並んで元気に引っ張るも、好位から進めたMaster ChewyがNickle Backを振り切って勝利した。

Master ChewyはChaseは2勝目とした。Hurdleでは結果が出なかった馬で、ChaseではNoviceクラスの勝利直後にHandicap戦線に参戦し、前走のNewburyのClass2ではElixir De Nutzの2着に入っている。ここまでのレース選択を考えるとこのままNoviceクラスの重賞戦線を歩むのかは微妙なところがありそうだ。John Francome Novices' Chase (G2)にてHermes Allenの2着に入ったNickle Backは今回は距離を短縮しての1戦であったが、積極的に運んでの2着に入った。

 

Desert Orchid Handicap Chase (G2) 2m (Replay)

1. Editeur Du Gite (FR) (AQPS) J: Niall Houlihan T: Gary Moore

Elixir De Nutzを制してEditeur Du Giteが前に行く展開。好位を進んでいたBoothillは第8障害で落馬。Editeur Du GiteにNube Negraなどが迫るも、これらを振り切ってEditeur Du Giteが勝利した。

Editeur Du Giteはこのレースは連覇とした。今シーズンはHaldon Gold Cup (G2)では逃げられず、Shloer Chase (G2)では途中でJonbonに競り潰されて大敗に終わっていたが、久しぶりにこの馬らしいレースをすることができた。ある程度早いペースを作りながら途中で息を入れつつ後続を封じ込めるというレースが持ち味の馬で、こでは主戦騎手Niall Houlihan騎手が最もよくわかっているものと言えよう。現在Jamie Moore騎手が怪我で療養中のGary Moore陣営であるが、若手のConditional Jockeyの活躍で素晴らしい1日となったようだ。Nube Negraも久々の好走となる2着。今シーズン好調のElixir De Nutzが僅差の3着に入った。

 

Leopardstown (IRE) Soft

〇 Beginners Chase 2m1f (Replay)

1. Marine Nationale (IRE) J: Michael O'Sullivan T: Barry Connell

終始先頭を走ったMarine Nationaleが後続に8馬身差をつけて快勝した。Marine Nationaleは昨シーズンはSupreme Novices' Hurdle (G1)を含めG1を2勝した馬で、Chaseはこれがデビュー戦であった。他馬と比べると明らかに身体能力の高さを感じさせる軽くて安定した飛越を見せており、特に引っかかるような場面もなく、Chaseデビュー戦としてはほぼ完璧な内容であったと言えよう。2着には番手を走ったGordon Elliott陣営のFirm Footingsが入ったが、先頭を走るMarine Nationaleと比較するのはやや可哀そうな内容であった。

 

Paddy's Rewards Club Chase (G1) 2m1f (Replay)

1. Dinoblue (FR) J: Mark Walsh T: Willie Mullins

先手を取ることで結果を残してきたDysart DynamoとGentleman De Meeがいたのだが、Dysart Dynamoは後方に控えた一方で、Gentleman De Meeが軽快に逃げて展開を作る。しかし好位で構えたDinoblueがこれを追いかけると、最終障害手前で先頭に出てそのまま快勝した。

Dysart Dynamoは逃げることが出来ず引っかかってレースにならず、人気を集めたCaptain Guinnessも全く動けずに途中棄権、Saint Roiはペースについて行けずと、まともにレースに参加しているのは上位2頭というなんともなレースとなった。牝馬DinoblueはこれでBoylesports Novice Chase (Grade B)から4連勝とした。内容的には完勝ではあるのだが、とはいえどうにも信用しにくいところのあるGentleman De Meeが相手と、どうにもこの結果を鵜呑みにしてよいかは微妙なところかもしれない。逃げたGentleman De Meeが2着。この馬も強い競馬を見せるときはあるのだが、一方であっさり捕まって大敗することもあり、今回はどちらであったかは慎重に判断した方がよさそうだ。Saint Roiはさっぱりレースに参加できずの大敗で、16fのトップクラスのスピードを要求されると厳しい感がある。少なくともLeoparstownのようなシンプルなスピードが必要なコースは合わないだろう。Dysart Dynamoは引っかかってお話にならず、最終障害で落馬に終わった。Chaseではこれが2回目の落馬で、そろそろこの路線でよいのかは再度検討して欲しいところである。

 

Future Champion Novice Hurdle (G1) 2m (Replay)

1. Caldwell Potter (FR) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

スタートからWillie Mullins陣営のWestport Coveがやや引き離し気味に逃げる展開も、残り3障害を越えて後続が殺到。好位に構えていたCaldwell PotterがPredators Goldを突き放して快勝した。3着以下は大きく遅れた。

Hurdle CourseはHeavy表示となっていたようだ。Caldwell PotterはこれでHurdleは2連勝とした。NHFでは特に重賞戦線への参戦はなかったようだが、今回は素晴らしいレースを見せた。この日の重馬場に加え、前がやや飛ばすところを好位でスムーズに進めた利はあったとは思われるが、とはいえ内容的には今後が楽しみになるものであろう。高い能力を示すも結果的には残念な結末となったMighty Potterの全弟で、兄の分も頑張って欲しいところである。同じく好位からスムーズに進めていたPredators Goldが2着。人気になっていたのはWillie Mullins陣営のDaddy Long Legsであったが、馬群の中で引っかかっていたようで、この重馬場であのようなレースではどうしようもないだろう。

 

Limerick (IRE) Heavy

Dawn Run Mares Novice Chase (G2) 2m6f120y (Replay)

1. Hauturiere (FR) (AQPS) J: Adrian Heskin T: Willie Mullins

途中から元気にHarmonya Makerが前に行く展開も、残り2障害辺りで一杯に。代わって出てきたHauturiereが2着に35馬身差をつけて勝利した。

HauturiereはChaseは2勝目とした。HurdleではApple's Jade Mares Novice Hurdle (Listed)勝ちがある馬で、その後も牝馬限定戦を使っている。今回も牝馬が相手とはいえ距離延長にてパフォーマンスを上げてきたことを踏まえると、この路線のセン馬相手というのも面白いかもしれない。Harmonya Makerは積極的に進めたが、どうにも積極的に進め過ぎた感がある失速。前走の16f戦から一気の距離延長ということもあり、そのままのペースで走ってしまった可能性もありそうだ。Sainte Donaが最後苦しくなったHarmonya Makerを交わして2着に上がったようだ。

 

12/28(木)

Leopardstown (IRE) Heavy

Jack De Bromhead Christmas Hurdle (G1) 2m7f80y (Replay)

1. Irish Point (FR) (AQPS) J: Jack Kennedy T: Gordon Elliott

連覇を狙うHome By The Leeが淡々と引っ張る展開で、好位の外にAsterion Forlongeが構える。残り4障害辺りからHome By The Leeがペースに上げに掛かるも後続を振り切れず。好位にいたIrish Pointが2着以下を振り切って勝利した。2着にはBallyadamを抑えてAsterion Forlongeが上がった。

Irish PointはNovice上がりの馬で、AintreeのTurners Mersey Novices' Hurdle (G1)を勝利している。距離を延長してうまくいってきたタイプのようで、これで3月のNaasから4連勝とした。勝ち方としては鮮やかであったが、昨シーズンも一戦級相手のレースはしておらず、今回も逃げたHome By The Leeがさっぱり動かなかったことでペースを上げ切らず、これをAsterion Forlongeなどの瞬間的なスピードに秀でたわけではない馬が好位でHome By The Leeを交わし切らずに構えていたというレース展開もあり、どこまでこのレースがCheltenhamに向けて外挿性を有するかは微妙なところではある。好位で構えた9歳馬Asterion Forlongeが2着。John Durkan Memorial (G1)ではスピード負けするところがあったように24fに戻したのは良さそうだが、この距離であればもう少し強気に立ち回ってもよさそうだ。夏場にはChaseを使っていたBallyadamが最後追い込んで3着に来た。

 

Savills Chase (G1) 3m100y (Replay)

1. Galopin Des Champs (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

馬場を嫌ってFastorslowなどが直前で回避。レースはSam EwingのConflatedが淡々と引っ張る展開も、好位の外からGalopin Des Champsが進める。これにGerri Colombeがついて行くも、外を回って抜けてきたGalopin Des Champsがあっさりこれを突き放して快勝した。

Galopin Des Champsは昨年のCheltenham Gold Cup (G1)の勝ち馬だが、その後のPunchestown Gold Cup (G1)とJohn Durkan Memorial (G1)にてFastorslowに敗れていた。どうにもCheltenham Gold Cup (G1)の際の成功で馬群の中で我慢をさせる競馬に徹するところがあったのだが、このレース運びがかえってこの馬の伸びやかな飛越を阻害し、この馬の能力の発揮において妨げになっていた可能性があった。今回は逃げたConflatedからある程度離れた外の好位において伸び伸びとレースを進めており、比較的スピードが生きるLeoparstownにおいてこの馬の身体能力の高さを遺憾なく発揮するレースを見せてくれた。残念ながら天敵Fastorslowは不在であったが、その再戦が楽しみとなる内容であった。Gerri ColombeはGalopin Des Champsを見ながら進めたが、今回はあっさり突き放されての2着。Galopin Des Champsに対してはスピードよりもタフネスで対抗するタイプの馬で、スピードが生きるLeopardstownにおいてこのようなレースをされてしまうとどうしようもなさそうだ。Cheltenhamではおそらく下り坂での加速性能で突き放される可能性がありそうだが、そこでなんとかくらいついて行き、上り坂まで差を広げられずに進めることが出来れば逆転の目はあるだろう。

2022年にDooley Insurance Group Champion Novice Chase (G1)を勝ったCapodannoは久しぶりの好走となる3着。今年の4月にはAintreeのGrand National (Premier Handicap)にも参戦した馬で、今シーズンはThurlesのListedにて始動するも最下位に終わっていた。どうにも適条件がわからない馬だが、少なくとも昨シーズンはあまりレースを使うことなく終わっており、復調しているのであれば楽しみにしたい。Irish Grand National (Grade A)を制し、前走はDrinmore Novice Chase (G1)でFound A Fiftyを破ってまさかの勝利を挙げたI Am Maximusも後方から差を詰めたが最後は脱落して4着。Capodannoとはレース運びの差があったように思われる。John Durkan Memorial (G1)にてFastorslowに迫ったAppreciate Itは積極的に運ぶも最後は脱落して5着。Cheltenhamで再度見直したいところだが、距離的な不安もあるかもしれない。A Plus Tardはさっぱりいいところなく大敗。前で進めたConflatedはマイペースで進めたこともあってGalopin Des Champsにそれなりに食い下がるところを見せていたが、最終障害で落馬に終わった。

 

Limerick (IRE) Heavy

Faugheen Novice Chase (G1) 2m3f100y (Replay)

1. Gaelic Warrior (GER) J: Mr Patrick Mullins T: Willie Mullins

Gaelic WarriorのChase2戦目として注目が集まっていたが、American Mike、Il Etait Tempsをはじめ、かなり強力な馬が集まっていた。レースはGaelic Warriorが淡々と引っ張り、これにAmerican Mikeがついて行く。さらにIl Etait Tempsが接近するも、Gaelic Warriorがこれらを持ったままで突き放して勝利した。

入線後にPatrick MullinsがIl Etait Tempsの鞍上のDanny Mullinsになにやら声を掛けている。どうやら残り2障害地点でIl Etait TempsがGaelic Warriorの内側に潜り込んで来たことにPatrick Mullinsがご立腹であったようで*2、とはいえJukebox Juryの小兵Il Etait Tempsにとっては航行能力でGaelic Warriorに食らいつくMahlerのAmerican Mikeを避けつつGaelic Warriorを交わしにかかるのであれば内側に潜り込むことが最善の戦術で、こればかりは仕方のないことだろう。Gaelic WarriorはChaseはこれで2勝目とした。HurdleではIrish Mirror Novice Hurdle (G1)勝ちを含めて高い能力を示した馬であるが、Chase初戦は自身のペースで元気よく走ってのレースであった一方、今回はPatrick Mullinsがある程度馬を宥めながらレースを進めることに成功していた。Cheltenhamでは20fという選択肢もあるのだが、将来的に24fを走るのであれば今回のレースは大きな収穫になったはずで、今後に期待できる内容となった。HurdleではTattersalls Ireland Novice Hurdle (G1)を勝ったIl Etait Tempsは自身のレースはしての2着で、この馬の性質的に真正面から立ち回るのは難しいのだが、展開次第ではまた大物食いをやってのける可能性はあるだろう。後方にいたInthewayurthinkinは途中から頑張って走り始めての3着で、実績的にはGowran ParkのNovice Hurdleを勝った程度の馬なのだが、案外ばかにならないところはあるかもしれない。American Mikeは途中までGaelic Warriorについて行ったが、最後は突き放されての4着。元々能力は高く評価されていた馬で、距離を延長してよくなる可能性はありそうだが、どうだろうか。

 

12/29(金)

Leopardstown (IRE) Soft to Heavy

Irish EBF Mares Hurdle (G3) 2m4f (Replay)

1. Jetara (IRE) J: Jack Kennedy T: Jessica Harrington

レースはWillie Mullins陣営のSpace Touristが元気に引っ張るも最終障害前でJetaraが先頭に。そのままPink In The Park以下を7馬身ほど突き放して勝利した。

Jetaraはこれで今シーズンはMaidenから3連勝とした。昨シーズンはMaidenでHigh Definitionの2着に入るも、CheltenhamやFairyhouseの重賞ではうまくいかなかったようで、その内容からは打って変わって結果を残している現時点では飛躍のシーズンとしている。直線に設置された最終障害がオミットされたというところはあるのだが、終いの伸び脚はここでは目立っていた。人気を背負っていたのが4月にRybo Handicap Hurdle (Grade A)を勝った4歳牝馬Risk Belleだが、どうにもこの馬の場合は16fよりも距離が延長されるとパフォーマンスを落とすようなところがあり、今回も馬群の中で脚を溜める競馬で進めていたようだが、あまり伸びず3着に終わった。

 

Neville Hotels Novice Chase (G1) 3m100y (Replay)

1. Grangeclare West (IRE) J: Paul Townend T: Willie Mullins

Flooring PorterとFavori De Champdouが淡々と引っ張る展開で、特に道中は動きなく進行。途中からFlooring Porterの単騎逃げの格好になるも、好位から進めたGrangeclare Westが直線に入るところで前に出ると、そのまま余裕残しで後続を突き放して勝利した。

Grandeclare WestはこれでChaseは2戦2勝とした。Hurdleでは20~22fのG1路線に参戦するもあまり結果は出なかったようだが、Chaseの24f戦では強い競馬を見せた。24f Hurdle路線ではチャンピオンホースとして活躍したFlooring Porterをはじめこの時期の24f Novice Chaseとしてはだいぶメンバーが揃っていたレースで、その中でここまで余裕残しのレースを見せるというのはなかなか今後が楽しみになる馬であろう。人気を背負っていたCorbetts Crossは道中どうにもいまいちな飛越が目立っており、最後は差を詰めているのだがもう少し進捗が欲しい。前走のFlorida Pearl Novice Chase (G2)では空馬に散々迷惑を掛けられたFlooring Porterは今回は特段問題なく運んでの3着。飛越は特に問題は見受けられなかったが、Chaseでもこの馬らしい軽快な逃走劇はどこまでできるだろうか。760日の休養を経て今年の2月に復帰したFlanking ManeuverはFlooring Porterを捉え切れず4着。そのFlorida Pearl Novice Chase (G2)を勝ったFavori De Champdouもいたのだが、こちらはじわじわと遅れ離れた5着に終わった。

 

Matheson Hurdle (G1) 2m (Replay)

1. State Man (FR) J: Paul Townend T: Willie Mullins

人気薄のFils D'Oudairiesがややオーバーペース気味に飛ばす展開も、早々に後続が殺到。残り2障害辺りから前に出たState Manが食らいついてきたImpaire Et Passeを振り切って勝利した。

State Manはこれで今シーズンはMorgiana Hurdle (G1)から連勝とした。昨シーズンもCheltenhamのChampion Hurdle (G1)でConstitution Hillに敗れた以外は圧倒的なレースを続けており、名実ともにアイルランド16f Hurdle路線のチャンピオンである。一方でConstitution Hillをどのように負かしにいくかというのが専らの関心事と思われるが、少なくともState Man陣営としては雨が降ることを望んでいるそうだ*3。前走のHatton's Grace Hurdle (G1)ではTeahupooに敗れたImpaire Et PasseはState Manに食らいついての2着で、State Manに対してこちらは前の馬を捌きつつ出てくる必要がある不利があった。もう少しスムーズに出てくることできれば面白いレースができた可能性はあるが、一方でこの馬の場合はStayers' Hurdle (G1)に向かうオプションも持っているようで、レース選択には注意しておきたい。Novice Hurdleでは20fクラスを使っていた馬であるが、道中はやや前向きに走るようなところも見せており、今回はJack Kennedyがかなり速いペースを作ったというのはこの馬にとってはあまりよくない内容かもしれない。Dual Purpose HorseのEchoes In Rainは前2頭から取り残されての3着。Jack KennedyのFils D'Oudariesは頑張って飛ばすも最後は力尽きての4着だが、強力なWillie Mullins陣営3頭に対し、万が一にでもひっくり返してやろうという強い意志を感じさせる騎乗というのは素晴らしいものである。

 

12/30(土)

Newbury (UK) Soft

Challow Novices' Hurdle (G1) 2m4f118y (Replay)

1. Captain Teague (IRE) J: Harry Cobden T: Paul Nicholls

レースはLookawayがThe Jukebox Manを引き連れて少しずつペースを上げて逃げる展開も、最終障害前から先頭に出たCaptain TeagueがLookaway以下を振り切って勝利した。

最終コーナーの辺りで加速がかかっている一方で、重馬場ということもあったのか終いは1f17~18秒台まで落ち込んでいる。Captain TeagueはHurdleは2勝目とした。Champion Bumper (G1)ではA Dream To Shareの3着に入った馬で、前走のCheltenhamのTrustatrader Novices' Hurdle (G2)ではMinella Missileの2着に入っている。加速力の差でLookawayなどを振り切った格好になるが、とはいえレース運びの差もありそうで、この中ではあまり力量差はなさそうだ。Askの産駒であるLookawayは10月にSkybet Novices' Hurdle (G2)を勝った馬だが、勝負所でだいぶThe Jukebox Manにプレッシャーを受ける場面があった。同じくAskの産駒のThe Jukebox Manは3着に踏ん張った。最後やや踏み遅れたように差を詰めてきたのがCalifet産駒のJohnnywhoで、上位4頭はレース展開によって順番は入れ替わる可能性がありそうだ。

 

12/31(日)

Pau (FR) Tres Souple (4.1)

〇 Prix Pierre Et Michel Riviere D'Arc (Classe 2)

Cross Country Pour chevaux entiers, hongres et juments de 5 ans et au-dessus, anglo-arabes, inscrits au Stud-Book anglo-arabe, nés et élevés en France, comptant au moins 12,5% de sang arabe. 4100m (Replay)

1. Louis Malpic (FR) (AA) J: Valentin Morin T: Daniela Mele

アラブ系競争馬限定Cross Country競走。レースはGareth De Larachiが前に出てくる展開で、やや飛越をミスして後方に置かれたLois Malpicを残して馬群は固まって進行。しかしPassage De Routeの辺りから強引に出てきたLouis Malpicが先頭に並ぶと、Gareth De Larachiとの叩き合いを制して勝利した。

Louis MalpicはHunter's Light産駒のAnglo-Arabianで、Cross Countryはこれが初勝利とした。前走はPrix Hubert De Navailles (Classe 1)に挑戦し、さすがにサラブレッド及びAQPSのPauにおけるCross Country Specialistが相手では厳しかったようだが、今回はアラブ系競争馬相手に結果を残した。前半からどうにももたもたと飛越するところが目立っており、完成度的にはだいぶ未熟なところはありそうだが、Cross Country初戦でいきなり強敵に相手に戦った経験を活かしたい。今年2月のGrand Steeplechase De Pauにも挑戦し、前走はSteeplechase National Des Anglo-Arabesのて離れた2着に入ったGareth De Larachiが2着だが、今回は勝ち馬の軽量と出し抜けを食らわせるようなスパートに対応できなかった感もある。