にげうまメモ

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19/03/14 National Hunt Racing - Cheltenham Festival -

*Cheltenham Good to Soft (Soft in places)

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Cheltenham Festivalも早いもので3日目のSt. Patrick's Thursday。相変わらず良い天気で、馬場表示はGood to Softとなった。写真は一昨年のもので、この時は曇っていてとても寒かった。

 

 

JLT Novices' Chase (G1) 2m3f168y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508427/jlt-novices-chase-grade-1-registered-as-the-golden-miller

Scilly Isles Novices' Chase (G1)を勝利したDefi Du Seuil、その2着のLostintranslationが人気となっていた。対するはアイルランドのReal Steel、Mengli Khan、Voix Du Reveなど。

Castafiore、Vinndicationなどがハナを伺うも、これを制してLostintranslationが先頭に。そのまま淡々と逃げる形となる。最終コーナーを回ってMengli Khan、Defi Du Seuilが接近し、Defi Du SeuilとLostintranslationの叩き合いはゴール前でDefi Du Seuilが前に出て勝利した。Mengli Khanはやや遅れた。

Scilly Isles Novices' Chase (G1)の1、2着で決まった形となった。Defi Du Seuilは2016-17のJuvenile Hurdleでは無敵を誇った馬で、どうもHurdleの一線級相手には厳しかったようだが、Chaseに転向してからは全く飛越の形が出来ていなかった初戦以外は安定した競馬を見せている。やや小柄な馬体でストライドの伸びやかさは武器にはできないのだが、コンパクトな馬体をフルに生かした加速の早さは特筆すべき特徴だろう。おそらく16fではスピード負けするところがあるため、24fを耐えられる持久力があるのであれば今後の可能性が大きく広がるのだが。Lostintranslationは例によってDefi Du Seuilのスピードに屈する形の2着。終始伸びやかな飛越を見せており、Defi Du Seuilとは真逆のタイプと思われる。このようなタイプの馬は距離延長でパフォーマンスを上げる可能性を秘めているのだが、どうだろうか。

アイルランドのReal Steelは勝負所からじわじわ上がってくるも、最後は脚が上がって大敗。トップスピードは速そうだが、使える脚はさほど長くはないのだろう。距離延長で挑んできたMengli Khanは最後前2頭とは遅れる形で3着。この馬は馬場がもう少し渋った方がよさそうで、16fに実績があるタイプとはいえあまりスピード能力は期待できないかもしれない。デビューから6連勝を上げ、前走のScilly Isles Novices' Chase (G1)で初黒星を喫したVinndicationはペースが上がったところから前について行けず。前走とは同じような感じの負け方であり、さすがに前2頭とは単純なスピード能力の面で差がありそうだ。Voix Du Reveは勝負所とは言えもったいない落馬で、ここ2戦落馬が続いているのは気にしておいた方が良いだろう。

 

Pertemps Network Final Handicap Hurdle (G3) 2m7f213y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508428/pertemps-network-final-handicap-hurdle-grade-3

中段の内にいたSire Du BerlaisがTobefairを差し切り勝利した。同馬はまさかのHurdle初勝利だが、ここまでハンデ戦でそこそこの実績を残しているためにレーティングは良い物を持っている。今回も11st9lbの斤量を背負った勝利で、道中から非常に苦しいところにいたことを考えれば価値ある勝利だろう。しかしBarry Geraghty騎手は妙に馬群に突っ込む傾向があるとはいえ、抜け出してくる技術はさすがのものがある。

 

Ryanair Chase (G1) 2m4f217y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508429/ryanair-chase-grade-1-registered-as-the-festival-trophy

昨シーズンの16f Novice ChaseではG1を4勝したFootpadが人気になっていた。対するはBryony Frost擁するFrodon、Road to Respect、Un De Sceauxなど。

スタートからFrodonが前に行く展開も、Sub Lieutenantがややこれに絡んでいく。Un De Sceauxはまさかの中段から。早々にSub Lieutenantは苦しくなると、代わってAso、Road to Respect、Monaleeなどが接近。さらに後ろからUn De Sceaux、Footpadなどが接近して直線に向かうも、ここからFrodonとAsoが抜け出す形に。一旦はAsoが前に出るも、坂を上ってFrodonが再度Asoを差し返すような形で勝利した。やや遅れた3着にRoad to Respect。Monalee、Un De Sceauxと続いた。

Bryony Frostは女性騎手としてはCheltenham Festivalにおける障害G1初勝利となった。Frodonはこれで今シーズンは重賞4勝の大活躍で、G1はこれが初勝利。高い飛越技術に裏打ちされた勇気のあるダイナミックな飛越が持ち味の馬で、同型のBaron Alcoにハナを譲った際こそ2着に敗れているのだが、今シーズンの4勝はいずれも今回と同じような形で勝利している。絡んできたSub Lieutenantはどうもあまり走る気がなかったようでFrodonのペースを乱すには至らず、現役屈指の先行力を持つはずのUn De Sceauxは距離を気にしたのか控えた結果、この馬とっては非常に有利な展開でレースを進めることが出来た。16fを走るだけのスピードはなく、24fではやや距離が長いのだが、今後も20fでは安定したレースを期待できるだろう。それにしても、Bryony Frostは大レースを勝った際は常に馬を讃えることを忘れておらず、この辺りが人気を集める要因になっているように思える。

Asoは全くといっていいほど人気がなかったが好走した。どうにもムラっ気があるため信用できない部分があるのだが、20fである程度ペースが流れた際には勝負圏内に転がり込んでくるところがある馬で、真面目に走りさえすればG1クラスでも顔を出してくる。Charlie Deutsch騎手との手も合っているのだろう。Road to Respectは惜しい3着で、これが久々の20f戦であったが、本来であればCheltenham Gold Cupで見たかった馬。さすがに安定したレースを見せたが、最後は前と同じような脚色になってしまった。Monaleeは得意の20fで好走した。この馬はむしろ24fは若干長い印象があるので、距離はこのくらいの方がいいのだろう。

古豪Un De Sceauxは距離と展開を気にしたのか慎重な競馬に終始した。Frodonは最初から行く構えを見せており、Un De SceauxはFrodonに主張されると距離的な不安があるため引くしかないことを考えれば慎重な競馬に徹したのは間違いではないのだが、それならばそもそもここを使ったことが間違いである。馬場が合わなかったとは調教師の弁だが、それ以上に距離不安のある20fよりも、この馬の高いスピード能力を発揮することができる16fの方が向いているのだろう。また、折り合いを気にして馬群の中に突っ込んでいたのだが、この馬の能力は加速力こそ高いものの本来はスピードの持続力であり、馬群の中から小脚を使うやり方は向いていない。昨シーズンの16f Novice Chaseで暴れまわったFootpadも単純に距離が堪えたという内容。終始折り合いに専念したのは良いのだが、16fと20fではペースが異なるため、終始力んで走っており、最後はほぼガス欠になっていた。やはりこの馬は16fの厳しい流れの中に置いた方が力を発揮するだろう。

 

Stayers' Hurdle (G1) 2m7f213y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508430/sun-racing-stayers-hurdle-grade-1

本日のメインレース。今シーズンに入ってLong Walk Hurdle (G1)を含む4連勝を上げている上り馬Paisley Parkが人気になっていた。対抗角としてはアイルランドの古豪Faugheen。その他Supasundae、Bapaume、Top Notchなど。

Sam Spinner、Faugheenなどが先頭を伺う位置に並んでいたのだが、これを制してハナに行ったのが人気薄のNautical Nitwit。好位からSam Spinner、Faugheenなど。Paisley Parkは後方に構える。2周目に入るところからSam Spinnerが逃げるNautical Nitwitに並んでいくとペースは上がる。Nautical Nitwitは抵抗するも徐々に後退。Sam Spinnerがハナに行きこれをFaugheen、Wholestoneなどが追いかけるも、最後の直線を向いて外からPaisley Parkが強襲。Sam Spinnerに2馬身ほどの差をつけて勝利した。3着にはFaugheenが入った。

Nautical Nitwitは前に行ってBet365 Hurdle (G2)を勝ってきた馬で、10歳となるここまで一度もChaseを使われていない。ここまで強力にハナを主張するタイプではないのだが、Thomas Dowson騎手は大一番のここにおいて一か八かの逃げを選択した。そのため前半から激しくペースが流れている。さらに番手に構えたSam Spinnerはペースが緩むと飛越に無駄が生じるタイプの馬で、主戦のJoe Colliverは飲酒運転のために一度は騎手生命の危機に瀕したこともある騎手、しかも昨年は慎重な競馬に終始することでこの馬の良さを全く出せず敗れていたという経緯があり、ここにかける想いは並々ならぬものがあったのだろう、2周目から逃げたNautical Nitwitに絡んでいくことでペースを上げている。そのため、終始慎重なペースで流れ、勝負所の下り坂での加速力が勝敗を分けた昨年とは異なり、厳しいペースでレースが進行するタフな消耗戦となった。

Paisley Parkはこれで今シーズン5連勝とした。昨シーズンまではさっぱり目立たない馬だったのだが、今シーズンに入ってからは一戦ごとにパフォーマンスを上げている。今回はAidan Colemanが押して位置を上げていったように、この馬にとっても非常にタフなレースであったことは間違いないのだが、その中でも最後まで脚を伸ばし切った内容は強いの一言である。最終障害こそエンジンを上げ切ったところでの飛越であり、若干のミスはあったものの、あくまで許容範囲だろう。激しい流れを乗り切るだけのタフネスとトップスピードの高さを兼ね備えた強力なステイヤーである。

Sam Spinnerは一度はChase転向という話があったようで、どうもそれで飛越の感覚が狂ってしまったらしく、今シーズン最初の2戦は全く飛越が安定せず敗れているのだが、Lil Rockerfellerと並走したCleeve Hurdle (G2)でこの馬らしい飛越とスピードの持続力を取り戻していた。今回はこの馬の出来ることは全てやり切っての敗戦だろう。2周目から勇気をもってペースを上げに行ったJoe Colliver騎手の騎乗は素晴らしいものである。今シーズンは16fのMorgiana Hurdle (G1)でSharjahに完敗、続くChristmas Hurdle (G1)でもApple's Jadeのペースについて行けず、結果として酷い落馬に終わっていたFaugheenは3着まで踏ん張った。かつては"The Machine"とまで呼ばれ、その正確無比な飛越と高いスピード能力で歴史的な快進撃を続けた馬なのだが、故障や年齢の影響もあり、以前のように16fですら他馬を圧倒するスピード能力は失われている。しかし24fで太刀打ちするだけのスピードはまだ辛うじて残っており、持ち前のスピードの持続力を生かしてここでは3着まで踏ん張った。Sam Spinnerから4馬身遅れたとはいえ、精魂尽き完全に脚の上がった馬が散見された後続において、一頭最後までフルにギャロップをかけていた姿はかつてのバケモノじみた走りの本質を示すものである。もしこの馬が全盛期に24fを走っていたらどのようなパフォーマンスを見せたのだろうか。

Bapaumeはあまり人気がなかったが4着まで来た。Juvenile Hurdleにて勲章のある馬なのだが、どうやらトップスピードよりもスタミナ能力の方に特徴があるように思える。ただし、重馬場になるとからきしであったり、使える脚はさほど長くなかったりと、色々と乗り難しいところがありそうだ。Auteuilでも好走できるのはこの辺りの特徴のためなのだろう。この路線の安定勢力Wholestoneはコーナーを回る辺りまでは見せ場を作った。いまいち特徴がつかみにくい馬なのだが、昨シーズンよりもパフォーマンスを落としている感もあり、そろそろChase転向の話が出ていてもおかしくはない。Bacardysは後方から追い上げたが前には至らず。Chase挑戦したは良い物の、どうにも飛越に難があるようで、かといってHurdleでは足りないので使いどころが難しい。昨年の2着馬のSupasundaeは完全に脚が上がって後退したが、どうやら馬場が宜しくなかったとのこと。今回は一気の距離延長という部分が堪えた可能性もある。昨年のAlbert Bartlett Novices' Hurdle (G1)の勝ち馬Kilbricken StormはHurdleの方がよさそうだが、さすがに展開が厳しすぎた。

 

Brown Advisory & Merriebelle Stable Plate Handicap Chase (G3) 2m4f127y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508431/brown-advisory-and-merriebelle-stable-plate-handicap-chase-grade-3

Lizzie Kelly騎手のSiruh Du Lacが逃げ切り勝利。2着にはJanikaが入った。これで今日に関しては女性騎手が2勝を挙げたことになる。Siruh Du Lacは10st8lbの軽量に恵まれた感もあるが、今シーズンはこれで4連勝。前回もJanikaがトップハンデ程度の斤量を背負って2着なのは何の因果だろうか。

 

National Hunt Breeders Supported By Tattersalls Mares' Novices' Hurdle (G2) 2m179y

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508432/national-hunt-breeders-supported-by-tattersalls-mares-novices-hurdle-grade-2

後方から進めたEglantine Du SeuilがConcertistaを差し切り勝利した。Tintangleが3着に入り、Trifectaは£23.748.90と、馬券は大荒れの結果となった。Eglantine Du SeuilはこれでHurdleは未勝利に続いて2勝目。2着のConcertistaに至ってはなんとこれがHurdle初戦であり、このような馬を連れてくるWillie Mullins師には恐れ入る。なお、レース後にはEglantine Du SeuilのNoel Fehily騎手が近々引退することを発表した。

 

Fluke Walwyn Kim Muir Challenge Cup Amateur Riders' Handicap Chase (C2) 3m2f

https://www.sportinglife.com/racing/results/2019-03-14/cheltenham/508433/fulke-walwyn-kim-muir-challenge-cup-amateur-riders-handicap-chase

National Hunt Challenge Cupで若干物議を醸しているアマチュア騎手戦なのだが、レースは11st11lbを背負ったAny Second Nowが勝利した。