にげうまメモ

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20/05/24 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2020/05/18-05/24

Australian SteeplchaseはBit of a Ladが勝利しました。 どうにも乗り難しく安定味に欠ける印象のある馬ですが、3900メートルと比較的短い距離において積極的に運ぶ策が嵌ったのでしょうか。既にオーストラリア障害シーズンも前半の主要競走を消化してきたところですが、ShamalやAlfee Deeなど、ニュージーランドの強豪もオーストラリア障害競馬に参戦してきており、後半のシーズンも楽しみですね。日本では新規感染者数の減少に伴い来週にも緊急事態宣言が解除される方針ですが、ここで下手を打てば再度の感染拡大もあり得る状況でしょう。特に競馬開催には慎重を期す必要がありそうです。

 

競馬開催情報

Domenica 31 maggio prima giornata di corse stagione 2020 (Ippodromo di Merano)

5/17に今シーズン最初の競馬開催を予定していたMerano競馬場だが、5/24の開催も中止となり、シーズン最初の競馬開催は5/31(日)になるそうだ。同日は障害合計4鞍、平地競争2鞍を予定している。

HRI release full Flat programme for June & revised fixtures for July (irishracing.com)

Horse Racing Irelandより6月及び7月の競馬開催日程が発表された。アイルランド競馬は6月8日のNaasにて無観客開催で再開される予定である。障害競馬開催は6月22日から7月の終わりまでに計22開催が予定されており、開催数としては例年通りだそうだ。

Le Grand Steeple-Chase de Paris se disputera à Auteuil (Equidia)

Auteuil競馬場がフランス政府よりレッドゾーンに指定され、競馬開催が出来なくなったのだが、来月のGrand Steeplechase de ParisとGrande Course de Haies d’AuteuilはAuteuil競馬場で実施する方針らしい。ただし、開催予定日もAuteuil競馬場がレッドゾーンとなる場合は、上記二つの競争を除きPau競馬場での開催に変更され、他の競争(Prix Héros XII及びPrix Hypothèse)がGrand Steeplechase de ParisとGrande Course de Haies d’Auteuilに代替される。詳細はこちら

 

5/21(木)

Le Lion D'Angers (FR) Tres Souple (3.9)

〇 Prix De Gene

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus, n'ayant pas, depuis le 1er janvier de l'année dernière inclus, reçu 16.000 en steeple-chase (victoires et places).  4500m (Replay)

1. Batoum Dudois J: Mr Lucas Zuliani T: Pascal Journiac

4. Utah de la Coquais J: Mr Guillaume Viel T: Eric Leray

後方からじわじわ押し上げた人気のBatoum Ludoisが勝利した。Cross Country自体は2017年からと長い馬で、ここまでSaumur、Segreなど各地で好走を続けていたがこれが初勝利となる。今年で12歳になるベテランUtah de la Coquaisは4着に終わった。なお映像中のレースにおける障害飛越数は地味に間違っている。

 

〇 Prix Bourgeonneau

Cross Country Pour tous chevaux de 6 ans et au-dessus. 5200m (Replay)

1. Amazing Comedy J: James Reveley T: David Cottin

2. Butterfly Du Mou J: Olivier Jouin T: Pascal Journiac

3. Chez Pedro J: Jordan Duchene T: Patrice Quinton

AR Diesel D'Allier J: Felix De Giles T: Emmanuel Clayeux

TB Debut De Printemps J: Alain De Chitray T: Etienne & Gregoire Leenders

軽快に逃げたAmazing Comedyが勝利した。Amazing Comedy自身はもはやフランス・イギリスCross Countryではお馴染みの馬で、昨年のPrix Anjou-Loire Challenge (Listed)勝ちの他、CheltenhamのGlenfarclas Cross Countryでも好走歴がある。やや集中力に課題があるタイプで止まるときはあっさり止まるのだが、Lion-D'Angersのようなやや広いコースでスピードを活かして進めた方がこの馬の良さは出せるのだろう。Butterly Du Mouは強気にAmazing Comedyに絡んでいくも2着に終わった。どうやら惜敗続きの馬のようで、最後は再度Amazing Comedyに差を詰めているだけに能力は高いのだろう。Chez Pedroは後方から押し上げるも3着に終わった。昨年11月のCheltenhamでGlenfarclas Cross Countryを勝ったDiesel D'Allierはどうにも元気なく途中棄権。Debut De Printempsは早々に落馬に終わった。

 

5/22(金)

Dieppe (FR) Souple (3.6)

Prix Romati (G3)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans au-dessus 4500m (Replay)

1. Hell Boy J: Angelo Zuliani T: Francois Nicolle

4. Dos Santos J: Mlle Nathalie Desoutter T: Patrice Quinton

Compiegneがレッドゾーンに指定されたためDieppe競馬場に舞台を移して行われた。レースは途中から先頭に立ったHell Boyが6馬身差の快勝。これで昨年のCompiegneのGrand Course de Haies de Compiegne (G3)から3連勝。2018年まではAuteuilの重賞戦線を使うも結果が出なかった馬だが、その後力をつけているようで、現時点でAuteuilの重賞クラスでどこまで戦えるか見てみたいところ。やや前半お行儀の悪い面はあったが、いかんせんスローで進んだレースだけに仕方がないだろう。2015年のPrix Hypothese (G3)の勝ち馬で、これが2016年の11月以来の出走となるDos Santosは、後方から勝負所で元気よく押し上げるも、さすがに最後脚が上がったのか4着に終わった。

 

5/23(土)

Angers (FR) Souple (3.7)

〇 Prix Bois Des Roses

Haies Pour tous poulains et pouliches de 3 ans, n'ayant pas, en courses de haies, reçu 5.000 (victoires et places). 3100m (Replay)

1. Baladin de Mesc J: Clement Lefebvre T: Gabriel Leenders

Baladin de Mescが初勝利を挙げた。種牡馬Choeur Du Nordはこれが産駒デビュー戦となる。Choeur Du Nord自身は障害は3戦して2勝、目立った大レースの勝ち鞍はなく引退した馬。兄弟には生涯に障害競走を63戦し3勝の成績を残したCalenzaraがいる程度で、目立った活躍馬はいない。一方で、祖父のVoix Du Nordは平地競走馬だが、2019年のPunchestown Gold Cup (G1)などG1を3勝しているKemboy、2019年のChampion Hurdle (G1)の勝ち馬Espoir D'Allen、2020年のClarence Hourse Chase (G1)を始めG1を7勝しているDefi Du Seuil、2017年のGrand Prix Des AQPS (G1)の勝ち馬Dica De Thaixなど、障害競走において数々の活躍馬を送り出している。Choeur Du NordはVoix Du Nordの後継種牡馬となる初の産駒であり、今後の障害種牡馬としての活躍が期待される。

 

新潟(日本)良

〇 障害4歳以上未勝利 2890m

1. マスラオ J: 金子光希 T: 金成貴史

2. ストレイライトラン J: 五十嵐雄祐 T: 堀井雅広

3. コウユーホクト J: 大江原圭 T: 竹内正洋

好位から抜け出したマスラオが勝利した。平地では2勝クラスの芝中~長距離路線まで出世した馬だが、2018年の平場戦で3着があったのみでその後は頭打ちとなり、今年の1月から障害に転向していた。やや飛越が低すぎるきらいはあったが、新潟の置き障害であれば許容範囲だろう。金子騎手は中山GJの事故以降ではこれが初勝利となる。逃げたストレイライトランが2着。人気のコウユーホクトは例によって勝ち切れず3着に終わった。

 

〇 障害4歳以上オープン 3290m

1. マイネルアトゥー J: 平沢健治 T: 吉田直弘

2. フォワードカフェ J: 伴啓太 T: 和田勇介

10. プラチナアッシュ J: 白浜雄造 T: 寺島良

人気のプラチナアッシュが元気よく逃げるが向こう正面で早々に脚が上がり失速。3コーナーから先頭に立ったマイネルアトゥーがフォワードカフェを抑えて勝利した。マイネルアトゥーはオープンクラスは2勝目だが、障害競走は中京や新潟のみを使っている馬のようだ。未勝利を勝ったばかりのフォワードカフェはいきなりオープンクラスでも好走した。未勝利戦では勝てないながらも安定したレースを続けてきた馬で、その堅実さは魅力だろう。伴騎手の気合の入った騎乗も印象的であった。プラチナアッシュはスタート直後にマイネルアトゥーに絡まれてスイッチが入ってしまったようで、その後息を入れることが出来なかったように見える。さすがにあのレース運びで失速するのは致し方ないところだろう。

 

5/24(日)

Craon (FR) Souple (3.6)

〇 Prix Xavier De Chevigny

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus 4800m (Replay)

1. Bucefal J: Clement Lefebvre T: Gabriel Leenders

残り3障害の辺りでは絶望的な位置にいたはずのBucefalが差し切り勝利した。Bucefal自身は2018年のAnjou-Loire Challengeの勝ち馬で、これが昨年のPrix Super U Craon以来のレースとなる。先日のLion-D'Angersにも登録はあったのだが、どうやらこちらに回ってきたようだ。意味合いとしては単なる一叩きといったところで、戦術を見ていると試走といったところだろう。Muroの手前で立ち止まる仕草もあったが、もたもたと走っている馬にありがちな動作で特段問題にすべきものではない。

 

Ladbrokes Park Lakeside (AUS) Heavy8

〇 Ladbrokes Back Yourself Hurdle 3400m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. BenchMark 120.

1. Flying Agent J: Lee Horner T: Amy McDonald

2. Michelin J: Steven Pateman T: Patrick Payne

3. Diamond Star Halo J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse

4. So Belafonte J: Tom Ryan T: Dan O'Sullivan

牝馬So Belafonteがゆったりと逃げるも、最終コーナー辺りから後続が殺到。外に切り替えて伸びてきたFlying Agentが内の各馬を差し切り勝利した。Flying AgentはHurdleはMDNに続く2勝目。前走のWarrnamboolのHammonds Paints Novice HurdleではRiding Highの3着に終わっていたが、当時のSoft7から馬場が一段階重くなったのはこの馬に味方した。最終コーナーで一旦は内を突こうと試みるも、外に切り替えて差し切った能力はここでは上と撮るべきだろう。内から伸びてきた人気のMichelinが2着。Hammonds Paints Novice Hurdleでは2着に入ったDiamond Star Haloが3着だが、当時のFlying Agentはややロスの多い競馬をしていたことも考えれば妥当な結果だろう。前走未勝利勝ちを上げたSo Belafonteは4着に終わった。

 

Ladbrokes Australian Hurdle 3900m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim.

1. Gobstopper J: Darryl Horner Jnr T: Eric Musgrove

2. Runaway J: Shane Jackson T: Gai Waterhouse

3. Robbie's Star J: Lee Horner T: Peter Chow

4. Ancient King J: Clayton Douglas T: David Brideoake

レースは70.5kgのトップハンデを背負ったAncient Kingが逃げる展開だが、好位からGobstropperが絡んでいく。最終コーナーを回って先頭に立ったGobstropperにRunaway、Robbie's Starなどが接近するも、最後はGobstropperがこれらを3馬身ほど突き放して勝利した。

GobstropperはこれでGalleywood Hurdleから連勝とした。当時の1~4着は今回のメンバーと同様であり、言うなれば大敗したWoodsman、Mystic PrinceもGalleywood Hurdleには出ているのだが、やはり70kgを背負ってのこのパフォーマンスは戦前低評価であったGalleywood Hurdleの走りがフロックではないことを示すものである。明らかに調子を崩していた昨年夏と比較すれば完全に復調しており、オーストラリアHurdle競走にも慣れてきたのだろう。今後の選択肢が楽しみな一頭である。人気のRunawayは頑張って騎手が抑え込もうと努力しているのだが、どうにも制御を欠く場面があり、最後はやや苦しくなった。元々はSouth Australian Derbyで逃げて3着に頑張った馬で、能力が高いことは明らかなのだが。Robbie's Starは例によって後方から捲って3着。Ancient Kingは70.5kgを背負いながらも僅差の4着に踏ん張った。

 

Ladbrokes Australian Steeplechase 3900m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim.

1. Bit of a Lad J: Shane Jackson T: Ciaron Maher

2. Shamal J: Steven Pateman T: Amy McDonald

3. Undergroundfighter J: Will Gordon T: Tony Rosolini

7. Slowpoke Rodriguez J: Lee Horner T: Patrick Payne

FF Georgethefifth J: Clayton Douglas T: Symon Wilde

Georghthefifth、Zataglioなどが前に行く展開も、途中からBit of a Ladがこれに絡んでいく。残り800メートル辺りからBit of a Ladが先頭に代わると、Georghthefifthなどは脱落。後方から捲ってきたShamalをBit of a Ladが逆に突き放すと、最後は8馬身差の完勝。2着にはShamalが踏ん張った。

Bit of a Ladは2019年のBriely Steeplechaseに続くタイトル獲得となった。大レースでもコンスタントに活躍を続けているのだが、どうにも集中力に課題があるのか深いブリンカーをつけており、今回は前走のような後方待機策から一転してShane Jackson騎手がスタート直後から馬を押してポジションを取りに行き、最後まで馬が集中して走るよう試みている。まともに走ればこのくらいの破壊力は持った馬で、そのスピードの持続性能は一級品なのだが、馬の性格的にはこのくらいの距離の方がいいかもしれない。ニュージーランドのShamalは勝負所で物凄い勢いで上がっていったが2着に終わった。ニュージーランドではGrand National Steeplechase、Waikato SteeplechaseとPJRを2勝した名馬で、昨年のVIC Grand National Steeplechaseでは落馬に終わっていたが、ここでは格好をつけた。以前は強烈な機動力を生かしたレースをしていた馬だが、できればもう少し慎重にスパートを掛けたかった印象もある。障害の難易度が高く、馬場も悪くなりがちなニュージーランドSteeplechaseの方がよさそうな感もある。Undergroundfighterは微塵も人気がなかったが3着に頑張った。スピードは速くないがバテずに最後まで頑張るタイプの馬で、レースが厳しくなり全体にタイムロスが生じると浮上してくる。Slowpoke Rodriguezは全く動けず大敗。上り馬Georghthefifthはさすがに展開が厳しすぎた。

 

新潟(日本)良

〇 障害4歳以上未勝利 2890m

1. ダノンキングダム J: 高田潤 T: 安田隆行

前半から大きなリードを取って逃げたダノンキングダムがそのまま圧勝。ダノンキングダムは平地では芝の中距離戦線でオープンクラスまで出世した馬で、これが障害2戦目となる。初戦は安全運転に終始した点もあり4着に敗れていたが、ここでは馬の性能自体が違った。飛越は若干踏み切り位置に安定を欠く場面もあったが許容範囲だろう。勝ち時計も若干の馬場差はあるとはいえ先日のマーニ、シャリオヴァルト、マスラオ、フォイヤーヴェルクなどの勝利した未勝利クラスと比べてると2~3秒近く早く、ヤマニンシルフの勝ったオープンクラスと比較しても1秒近く上回る非常に優秀なものである。2着のザメイダンが標準的な新潟未勝利クラスの勝ち時計(3.08.06)で走っていることを考えれば、決してメンバー的に不十分であったということはなく、今後の活躍が楽しみになるパフォーマンスであった。

 

その他

 Amazing Comedy pose ses jalons en vue du France Sire Anjou Loire Challenge (france sire)

上記Prix Bourgeonneauを勝利したAmazing Comedyの記事。やはりクロスカントリー競走はなにかと写真映えする。日本では馬術競技でしか見ることはできないのだが。