にげうまメモ

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21/04/18 Weekly National Hunt / Jump Racing

*障害競馬回顧 2021/04/12-2021/04/18

4/12(月)

Compiegne (FR) Lourd (4.7)

〇 Prix Jacques De Voemme

Cross Country Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus. 4700m (Replay)

5. Haad Rin J: Niklas Loven T: Robert Swiatek

ポーランド調教馬Haad Rinが出走していたが、後方から進めるも前には肉薄できず5着に終わった。Haad RinはポーランドSteeplechaseにおける最強馬で、フランスCross Countryはこれが初参戦となる。ポーランドにはBanquetteやVolpoomのようなタイプの障害は存在しないため、返し馬の段階でもやや戸惑って騎手が落馬するなど不安が残り、実戦でも他の馬に比べると上記タイプの障害対応の拙さが残ったのだが、それでもこのメンバー相手に最後まで遅れずに5着に入ったのは立派な内容だろう。勝ったのは5歳のPrengardeで、これがCross CountryはFontainebleauから2戦目であったが進境のあるレースを見せた。

 

4/14(水)

Cheltenmham (UK) Good

Silver Trophy Handicap Chase (G2) 2m4f127y (Replay)

1. Manofthemountain J: Thomas Bellamy J: Miss Emma Lavelle

例によってCoole Cody、Benatarなどが引っ張る展開も、残り2障害辺りからスムーズに進出したManofthemountainが追いかけてきたMagic Saintを退けて勝利した。Manofthemountainは重賞は初参戦で初勝利となる。ここまでどちらかというと夏場にかけての実績が多く、馬場が重くなるとかなりあっさりと崩れるところがあるように良馬場巧者であり、やはりこの時期ならではの馬と考えた方がよさそうだ。最近は24fから20fに距離を短縮しているようだが、馬場さえ合えばどちらでもやれるだろう。11st7lbを背負ったMagic Saintが2着で、先日のGrand National MeetingのTopham Chase (G3)にもいたのだが、馬は元気一杯のようだ。勝ち馬との斤量差を考えれば勝ちに等しい内容だろう。

 

4/17(土)

Butler (USA) Good (Result)

Grand National Timber Stakes

For Five Year Olds And Upward, to be ridden by amateur riders acceptable to the race committee, Three and one fourth miles on the timber (Replay)

1. Le Chevalier J: McLane Hendriks T: Julie Gomena

元気よくGrand Mananが逃げるも残り3障害辺りで落馬。代わって先頭に立ったLe ChevalierがそのままRoyal Ruse以下を振り切り勝利した。Le ChevalierはJew Jersey Hunt Cup及びNational Sporting Library and Museum Cupの勝ち鞍がある馬で、昨年11月のPenssylvania Hunt Cupでは落馬に終わっているが、それを除けば概ねコンスタントに好勝負を繰り広げている。昨年はコロナウイルス感染症の影響で開催減少もあってあまり順調には使えず、今シーズンの活躍に期待したい。ハットトリック産駒Royal Ruseが2着に入った。こちらはAllowanceを連勝してきた上り馬である。2016年辺りにInternational Gold Cupなどの勝利を上げた実績馬Grand Mananは勿体ない落馬。Pennsylvania Hunt Cup Stakesなどの勝ち星のあるMystic Strikeもいたのだが、第一障害で馬具のトラブルがあったようで途中棄権に終わった。

 

Nakayama / 中山 (JPN) Good to Firm

中山グランドジャンプ (JG1) 4250m

1. メイショウダッサイ J: 森一馬 T: 飯田祐史

5. オジュウチョウサン J: 石神深一 T: 和田正一郎

前人未踏の中山グランドジャンプ6連覇を目指すオジュウチョウサンの参戦が話題になっていたが、10歳という年齢や昨年の京都ジャンプステークス (JG3)の敗戦、さらに昨年の中山大障害 (JG1)で強い競馬を見せたメイショウダッサイの参戦もあり、単勝式は2.2倍とやや人気を落としていた。レースはやや押してタガノエスプレッソが前に出ていく展開で、オジュウチョウサンはぴったりとついて行く。スタート直後の障害でハナに行ったケンホファヴァルトは早々に好位に控える。さらに好位にはスマートアペックス、メイショウダッサイなど。大生垣の辺りからスマートアペックスが進出しタガノエスプレッソに並びかけていくが、タガノエスプレッソが抵抗。最終コーナーからメイショウダッサイが進出してくると、さらに忍び寄ってきたケンホファヴァルト、抵抗するタガノエスプレッソを抑えて勝利した。オジュウチョウサンは5着まで。

メイショウダッサイは世代交代を告げる見事なレースを見せた。昨年の不良馬場の中山グランドジャンプではオジュウチョウサンに迫る2着に入った馬だが、その後の東京ハイジャンプ中山大障害阪神スプリングジャンプにおける勝利はいずれも大きな力差を感じさせるもので、ここでも最後2着のケンホファヴァルトに対して4馬身差という着差はパフォーマンスとして決定的であった。内容としてもタガノエスプレッソ等がある程度淀みなく引っ張る展開で、スピードとスタミナを兼ね備えた障害王者を決めるレースとして素晴らしいものであり、このレースにおいて4馬身差をつけて勝ち切ったことがなによりの王者の証だろう。8歳とそれなりに年齢は重ねているが、究極の持久性能が求められた昨年の中山グランドジャンプ絶対王者に食い下がった馬が、1年間こうして力をつけ、新たな王者と君臨したストーリーは障害競馬としてのドラマを感じさせるものである。

マーベラスサンデー産駒ケンホファヴァルトは2着に頑張った。飛越のリズムが悪かったタガノエスプレッソに対して第1障害で前に出たのだが、おそらくそこからオーバーペースを嫌ったのかやや強引に抑え込むところがあり、結果的にそのままポジションをロストした感もある。全体的に元々平地競争で逃げていた馬ということもあって無駄な仕草が多いのだが、それでもここで2着というのは立派な成績である。障害馬としての完成度が上がれば、馬の能力を踏まえるとさらにメイショウダッサイに迫ってもおかしくないだろう。3着のタガノエスプレッソはやや全体的に勿体ない飛越が多かった。植野騎手は怪我で騎乗が叶わなかった平沢騎手の代打だったようだが、どうにも踏み切り位置が怪しい場面が多く、これは乗り替わりの影響もあったのかもしれない。しかし、京都ジャンプステークスではやや出し抜けのような形でオジュウチョウサンを負かした馬が、今回はこれだけ堂々たるレースで3着に頑張るのだから大したものである。4歳のスマートアペックスは大健闘の4着で、途中の大竹柵で大きなミスがあるも、途中からタガノエスプレッソに絡んで行っての4着であり、最後はやや遅れたものの、初の中山の舞台でこれだけ戦えたことは胸を張って良いのではないだろうか。

6連覇を狙ったオジュウチョウサンは5着まで。5連覇を越える同一競走連覇というとQuevegaのMares' Hurdleの6連覇が記憶に新しいところで、これ以上の記録というとAl Capone IIのPrix La Haye Jousselin (G1)の7連覇(しかも12歳で8連覇が掛かった2000年は2着)、Risk of ThunderのLa Touche Cupの7連覇くらいなもので、オジュウチョウサンの記録が日本競馬に燦然と輝く大記録であることは勿論、世界の競馬シーンの中でも上位に位置づけられる素晴らしい記録であることは間違いない。全体的に細かいミスが目立ち、前半ペースが遅かった影響で行きたがり、結果的に後半気持ちが切れたとは騎手の弁だが、それ以上に年齢的にそろそろトップスピードの衰えがあったような感がある。最後までバテずに頑張って走ってはいるが、やはり平地競争馬を転用し、小型の障害でスピード能力を強く問われる日本障害競馬において、10歳という年齢によるスピード能力の衰えは歴史的なチャンピオンに対しても大きなビハインドだったように思う。前半こそリズムよく運んだものの、結果的にオジュウチョウサン包囲網のような形で勝負所から難しい位置に入ってしまい、強引に外を回すも時すでに遅しといったレース振りであった。Ruby WalshやKarasiのBrett Scottであれば馬を強引にでも動かして割って出てくるのかもしれないが、さすがにそれを日本障害競走で期待するのは難しいだろう。よりスピードの絶対値よりもスピードの持続性能が問われるレースが日本にあれば、まだまだこの馬の競走馬としての可能性を追求することはできるのだが、今日のレース振りから考えるとそろそろ潮時でもいいのかもしれない。

 

4/18(日)

Ayr (UK) Good (Good to Soft in places)

Scottish Champion Hurdle (G2) 2m (Replay)

1. Milkwood J: Sam Twiston-Davies T: Neil Mulholland

後方からじわじわと進出したMilkwoodがAnna Bunina以下を3馬身ほど突き放して勝利した。Milkwoodは重賞は初勝利とした。今シーズンはNovice上りとなった馬だが、前走はCounty Hurdle (G3)にてBelfast Banterの3着に入っており、ここに来てようやくこのクラスにも慣れてきた感がある。11st6lbを背負っての勝利は価値があるだろう。ここまで良馬場で実績を残してきた馬で、馬場が重くなっての対応は未知数である。牝馬Anna Buninaが2着に入ったが、こちらはここまでアイルランドのNovice戦でしか実績のない馬で、どちらかというと軽量と良馬場が活きたような感がある。

 

Future Champion Novices' Chase (G2) 2m4f110y (Replay)

1. Allmankind J: Harry Skelton T: Dan Skelton

ゆったりと逃げたAllmankindがそのまま勝利した。Allmankindは昨年のHenry VIII Novices' Chase (G1)の勝ち馬だが、これが初の20f戦であった。事前にはスタミナ面が問題視されていたようだが、この馬の場合はどうにも行きたがって走るところ、及び飛越面での問題の方が大きいように思われる。今回はひとまず落ち着いて走っており、飛越においても大きなミスはなかったのが大きな収穫であり、持っている能力は素晴らしいものだけに、なんとかうまくいってほしいところ。良馬場で2着以下に19馬身差というのはさすがに持っている能力が違ったとしか言いようがないだろう。

 

Scottish Grand National Handicap Chase (G3) 3m7f176y (Replay)

1. Mighty Thunder J: Tom Scudamore T: Miss Lucinda Russell

レースは前半からMister Fogpatches、Claud And Goldie、Dingo Dollar、The Ferry Masterなどが引っ張る展開だが、残り3障害辺りからDingo Dollarがそのまま逃げ込みを図る。しかし最終障害を越えて迫ったMighty Thunderがゴール寸前でこれを捉えて勝利した。

前半からかなり出入りが激しい展開となっている。Mighty ThunderはEdinburgh Nationalの勝ち馬で、このような良馬場の超長距離戦には適性があった上に、前走もMidlands Grand Nationalは2着と調子がよかったものと思われるが、じっくりと構えて乗ったTom Scudamore騎手の戦術眼も光った。Ryan Mania騎手騎乗のDingo Dollarは勝利に等しい内容で、前々でひたすら4マイルの距離を競り合い続けたこの馬のタフネスは褒めなければならない。1、2着をスコットランド調教馬が独占し、地元が盛り上がる結果にもなったのではないだろうか。アイルランドのMister Fogpatchesが10st0lbの軽量を生かして3着に来た。4着にはSandy ThomsonのThe Ferry Masterが粘り込み、ここにもスコットランド調教馬が頑張る結果となった。Grand Nationalからの連戦で話題を集めた11歳馬Lake Veiw Ladは最後苦しくなり7着まで。前半から前目の位置で頑張った12歳馬Claud And Goldieは残念ながら入線後心臓発作で亡くなったらしい。

 

Strasbourg (FR) Souple (3.5)

〇 Haras Du Lion - Prix Martine Et Michel Lutz

Cross Country pour tous chevaux 5 ans et-dessus 5200m (Replay)

1. Vent Des Dunes J: Romain Julliot T: Daniel Houillon

いわゆるTrophee National Du Crossの一環として行われるレース。Crystal Cupと比べるとフランス国内のCross Countryに限定されているのだが、facebookライブをやっていたりとなかなか現地の雰囲気を感じることができておもしろい。最近ホームページも作ったとのことで、情報発信を頑張ろうという意図もありそうなので期待したい。レースはゆるゆると逃げたVent Des DunesがBrunch Royal以下を抑えて勝利した。Vent Des Dunesは12歳のベテランで、Cross Countryは2017年から使っている経験の長い馬である。Romain Julliot騎手がだいぶ上手く引っ張った感もあり、後続からの追い上げを完封することに成功した。チェコのBrunch Royalが2着だが、やや馬群をさばくのに苦労した感もあり、この辺りは展開の綾もあるだろう。

 

Pakenham (AUS) Soft6

〇 Ecycle Solutions 1JW Hurdle 3200m (Replay)

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. Restricted Conditions. Apprentices can claim

1. Saunter Boy J: Steven Pateman T: Ciaron Maher

ゆったりと逃げたSaunter BoyがそのままThe Statesmanを突き放し快勝。Saunter Boyはもともとイギリス調教馬だが、その後2019年からオーストラリアに移籍、平地ではSydney Cup (G1)への参戦歴があるも結果を残せず、昨年から障害競走に参戦していた。未勝利勝ちのあとのJJ Houlahan Hurdleでもいきなり2着に入るなど能力の高さを示しており、内容的にもここは順当な勝利と言ってよいだろう。馬場もこれくらいの方がよさそうだ。イギリスのLudlowでMaiden Hurdle勝ちのあるThe Statesmanが2着に入った。こちらはこのクラスの安定勢力といったところで、Brett Scott厩舎移籍後初の障害戦であったが、Saunter Boyに対する2着は立派なものであり、このクラスでも継続して戦えそうだ。

 

Ecycle Solutions MJ Bourke Hurdle 3200m (Replay)

Quality. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim.

1. Instigator J: Braidon Small T: Aaron Purcell

人気のRunawayがゆったりと逃げるも、最終コーナーから後続が接近するとあっさり後退。代わって後方にいたInstigatorが持ったままで進出すると、Robbie's Starをそのまま突き放して勝利した。Instigatorは昨年のJJ Houlahan Hurdleの勝ち馬で、そこまでは勝ち切れないレースを続けていただけに、当時の16馬身差の圧勝はやや驚きの内容であった。今回は当時のHeavy10からSoft6への変更ということで微妙な前評判だったが、内容的には完勝のものだろう。ドイツでは重賞競走にも参戦した実力馬、オーストラリア障害競走での才能開花を期待したい。Braidon Smallは2年前の落馬により脳出血を患い、それから約1年後にレースに復帰するも、ここまで未勝利であっただけに今回のInstigatorとのレースは素晴らしい勝利となった。66.5kgの軽量Robbie's Star、65kgのMr One Elevenが2、3着と上位を占めた。人気を背負ったRunawayはスムーズに進めるもあっさり後退しての大敗で、先月の平地競争の内容的に馬の調子自体はそう悪くはなさそうなのだが、やや残念な結果に終わった。

 

〇 BM120 Steeplechase 3200m (Replay)

Handicap. No age restriction, No sex restriction. BenchMark 120. Apprentices can claim.

1. Rexmont J: Will Gordon T: Kathryn Durden

するすると逃げたRexmontがそのままJamieson以下を抑えて勝利した。Rexmontはこれが初のSteeplechaseであったがいきなり結果を残した。Hurdleでは勝ち鞍としては未勝利勝ちがある程度で、その後のGM Cabinets Open Hurdleなどでも入着はあるのだが、今回は単騎のマイペースで逃げることが出来たことが勝因だろう。Will Gordon騎手のペース配分も非常に良かったように思われる。人気に推されていたのがHistoricだが、こちらは後方から進めるも伸び脚を欠き最下位に敗れた。

 

J.E.H Spencer Memorial Steeplechase 3200m (Replay)

1. Napoleon J: Will Gordon T: Rachael Frost

Zataglioが例によって逃げる展開も、好位から進めたLucquesが先に抜け出して押し切りを図る。しかし外から伸びてきたNapoleonがぎりぎりLucquesを捉えて勝利した。Napoleonは昨シーズンのニュージーランドSteeplechaseではGreat Northern Steeplechaseの2着など活躍した馬で、これがオーストラリアSteeplechaseでは初のレースとなる。ニュージーランドでもどちらかというと終いきっちりと脚を伸ばして勝ち切るようなタイプだったのだが、ここに入っても力を見せた。Von Doussa Steeplechaseでも3着と好走したベテランLucquesはかなり調子がいいようで、最後はスピードの違いで差し切られたものの、レース運びの巧さは目立っていた。軽量のMy King's Counselが3着に入った。