にげうまメモ

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24/06/02 Weekly National Hunt / Jump Racing

 

5/30(木)

Hamilton (AUS) Soft7

〇 The Bullock Family Adam Lindsay Gordon Hurdle   

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim. 3200m (Replay)

1. Frankenstar (AUS) J: Tom Ryan T: Kathryn Durden

今年から始まったAdam Lindsay Gordon Seriesの第1戦。レースは例によってAaron KuruのFabalotが前に行くも、直線までこれについてきたFrankenstarがFabalotを捉えて勝利した。

Frankenstar自身は昨年Maidenを勝った馬であるが、上のクラスではなかなか勝ち切れず、前走のChampion Novice HurdleではAffluentialから3馬身ほど離れた3着に入っていた。ひとまずようやくこのクラスで結果を残したということになるが、73.5kgを背負ったFabalotに対してこの馬は67kgとかなり斤量的に恵まれており、着差も考えればFabalotを上に取るべきだろう。このクラスではすっかりお馴染みになったドイツ生産馬Fabalotが2着。65.5kgの軽量馬Abreedは斤量面も考慮されたのか人気になっていたが、やや離れた3着に終わった。

 

〇 Hammonds Paints Steeplechase  

Set Weights. No age restriction, No sex restriction. Maiden. Apprentices can claim. 3400m (Replay)

1. Wil John (AUS) J: William McCarthy T: Ciaron Maher

Johnny Buccaneerがやや後続を引き離して逃げる展開で、1周目の途中ではやや隊列が長くなる。2周目から馬群は密集すると、ここから出てきたWil Johnが付いてきたThe Mighty Sparを突き放して勝利した。

Wil Johnは2021年にGrand National Hurdleを勝った馬で、同年にはJericho Cupも勝利している。しかしその後は故障によりかなり長い休養を経て2023年に復帰するも上手くいかず、今回はこれが今年初戦、Steeplechaseとしては初参戦であった。とはいえ内容としては完勝の一言で、かつての素質馬がようやくここに来て戻って来たのであれば楽しみな存在となるだろう。8歳とまだ若い馬で、なんとか無事に行ってもらいたいものである。Mark Walker陣営のThe Mighty Sparは積極的にWil Johnに絡んでいったが、最後は突き放されての2着。やや遅れてThat's Incranibull、Fort Charlesと続いた。

 

〇 Ecycle Solutions Steeplechase

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim. 3400m (Replay)

1. Carnamah (AUS) J: Aaron Lynch T: Rachael Cunningham

Carnamahが前に行くもこれにMr Coyneがぴったりとついて行き、馬群は固まってレースは進行する。Mr Coyne、さらにDuke of Bedfordが接近するもCarnamahがこれに抵抗。そのままCarnamahがDuke of Bedfordを振り切って勝利した。

CarnamahはSteeplechaseでは初勝利とした。HurdleではMaidenクラスで入着があった程度とあまり上手くは行かなかったようで、平地でもAWのMaiden勝ちのみという馬だが、Steeplechaseでの適性があるのであれば喜ばしい勝利と言えるだろう。ただしDuke of Bedfordに対して2.5kgの斤量差は考慮に入れた方がよさそうで、加えて自身のペースで運んだ展開利もありそうだ。人気のDuke of Bedfordが2着。SA州から参戦したMr Coyneは積極的に運んだが、終盤で脱落して4着に終わった。

 

6/1(土)

Auteuil (FR) Lourd (4.6)

〇 Prix Bois Rouaud (Classe2)

Haies Pour pouliches de 3 ans, n'ayant pas reçu 24.000 en courses de haies (victoires et places). (Replay)

1. Chloe Du Berlais (FR) J: Ludovic Philipperon T: Robert Collet

後方から進めたChloe Du BerlaisがMiss Altea Blueとの叩き合いを制して勝利した。Chloe Du Berlaisは2015年のPrix Cambaceres (G1)を制したChimere Du Berlaisの最後の産駒で、Chimere Du Berlais自身は残念ながら4頭の産駒を出すも2022年に亡くなっている。どうやら2018年生まれのKapgarde産駒のJalisca Du Berlaisは未出走のまま引退、既に繫殖牝馬となっているほか、2019年生まれのSaint Des Saints産駒Chipie Du Berlaisは未出走、Cerbere Du BerlaisというKapgarde産駒の牡馬が現役馬として存在するようだ。Chloe Du Berlais自身はこれが初出走であったが経験馬相手に結果を残した。2着のMiss Altea Blueはこれが3戦目で、前走はCompiegneのClasse2で4着に入っている馬で、ほぼ直線の脚力だけでこれらを差し切ったとはいえ、将来性を楽しみにしておきたい。

 

6/2(日)

Merano (ITA) Tempo Vario Terreno Morbido

Grande Steeplechase Di Roma Euro 30,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Cross Country - Gruppo III - G.R. Amazzoni - Fantini) 5000m (Replay)

1. Gap Pierji (FR) (AQPS) J: Jan Kratochvil T: Josef Vana Jr

Cross CountryとしてはMeranoにおける2大競争となる。レースは早々にNormandy Dela Vegaが落馬。トップハンデのAlmost Humanが前に行く展開で、これにGap Pierjiがついて行く。Almost Humanをぴったりとマークして走ったGap PierjiがそのままAlmost Human以下を大きく突き放して勝利した。

Gap Pierjiは昨年に引き続きこのレースは連覇とした。最近はMeranoではなくフランスのCross Country路線を使っており、明らかにここでは戦ってきた相手が上の馬といったところだろう。過去にはやや行きたがって走るところもあった馬だが、現在ではそのような仕草もだいぶ解消されており、Cross Country Horseとして完成の域に近づきつつある。11歳のAlmost Humanは例によって元気に走っての2着だが、さすがにGap Pierjiに対しては年齢的なところもありそうだ。Zubiena、White Woodとこの路線の常連はさらに遅れた。イタリア勢としてNormandy Dela Vegaの走りはもう少し見て見たかったのだが、早々に落馬に終わったことは残念であった。

 

Grand Corsa Siepi D'Italia Euro 60,000 TRIO

per cavalli di 5 anni ed oltre (Siepi - Gruppo I - Fantini) 4000m (Replay)

1. Natam (GB) J: Jan Kratochvil T: Josef Vana

Mauriciusが圧倒的な人気を集めていた。レースは同馬主のVezzanaが飛ばす展開で、好位からMauricius、Sangho Du Mathanなど。Enjeu D'Arthel、Zoheyrなどは遅れる。そのままVezzanaは軽快に飛ばすもこれにMauriciusが接近。そのままMauriciusが抜け出しを図るも、これについてきたNatamがMauriciusを捉えて勝利した。Vezzanaが3着に入った。

NatamはこれでSteeplechase Di Trevisoを含む4連勝とした。8歳とそれなりに年齢は重ねているのだが、ここまであまり重賞クラスでどうこうという参戦歴はなく、むしろここでは上がり馬という立ち位置であった。この馬がMauriciusと同い年というのは少々意外なのだが、とはいえここまでMeranoのSiepiで強い競馬を見せていたMauriciusに対して勝ち切ったことは今後が楽しみになる内容で、秋の大一番をまた楽しみにしたいところである。そのMauriciusは近走はやや着差としては比較的僅かな勝利が続いており、今回はその不安が的中する形となった。3着以下は引き離しているだけにトップクラスの能力を有していることは間違いないのだが、とはいえ秋にこの着順を逆転できるかが焦点となる。Josef Vana Jr厩舎のフランス転戦組の一頭であるVezzanaは積極的に運んでの3着。フランスにてListed勝ちのあるSangho Du Mathanはこれが移籍初戦であったが、ある程度見せ場を作っての4着に入った。イタリアの障害に慣れてくればさらにうえをめざすことができるだろう。昨年のCorsa Siepi Dei 4 Anni (G1)を勝ったSopran Misteryは徐々に置かれての大敗で、やや上位とは力量差を感じさせる結果となった。スロバキアのEnjeu D'Arthel、Zoheyrはいずれもペースについて行けずに終わった。

 

Aarau (SWI) 4.5 weich

77. Grosser Preis Des Kantons Aargau

CHF 15'000 - Jagdrennen - 4200 Meter - für 4jährige und ältere Pferde - Hubertus Kurs (Parade) (Replay)

1. Fou De Reve (FR) (AQPS) J: Thomas Gillet T: Josef Stadelmann

Jagdrennenとしてはスイスの中では主要な競走となる。スタンド前に馬がやってくると拍手で迎えるのはチェコやスイスの文化なのだろうか。レースはBaraclaasが淡々と引っ張る展開で、番手からHitech、Fou De Reve。そのままBaraclaasが少しずつペースを上げるも後続がぴったりとついて行く。終盤に入ってHitechが前に出て逃げ込みを図るも、外から伸びてきたFou De Reveがこれを捉えて勝利した。

Fou De Reveはこの路線ではすっかりおなじみになったフランス産のAQPSで、前走のFrauenfeldのJagdrennenから連勝とした。5月頭のDielsdorfではFandango、Hitechの3着に敗れているのだが、今回はその借りを返したことになる。とはいえほぼ中盤~終盤にかけての立ち回りの差という印象もあり、上位勢の力量差はわずかだろう。馬群を縫って追い上げたFandangoが僅差の2着。James Reveley騎手が騎乗していた馬だが、勝ち馬に対して2kgの負担があった。前目で運んだHitech、Baraclaasと続いた。上位4頭はほぼ同じようなポジションでの入線となったが、ここからやや遅れたのがFalko Des Flosとなった。

 

Sandown (AUS) Soft7

Australian Steeplechase

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3900m (Replay)

1. Bell Ex One (IRE) J: Will Gordon T: Andrew Robbin

レースは前走の経験を生かしてCount Zeroが積極的に出ていく展開で、好位からRiding High、Bell Ex Oneなど。最終コーナーの入り口からRiding Highが前に出るとCount Zeroは少しずつ後退。ついてきたBlood And Sandを振り切ってRiding Highが逃げ込みを図るも、好位から出てきたBell Ex Oneがこれを捉えて勝利した。

Bell Ex OneはGrand Annual Steeplechaseの2着馬で、今回は71kgのトップハンデを背負っていたが結果を残した。昨年の夏はGrand National SteeplechaseにてBrungle Bertieの2着に入っており、なにかとStern Idolが安定感に欠ける一方、こちらは安定して結果を残している。元々はアイルランドやイギリスでの実績のある馬で、まだ6歳と長期に渡っての活躍を期待したい。2021年の勝ち馬で昨年の2着馬Riding Highが惜しい2着。おそらくこのSandownのコースは得意としているような印象があり、BallaratのGrand National Steeplechaseに向けて注目すべき一頭だろう。Crosshillがやや離れた3着で、現時点で同じく欧州からの移籍馬として実績的にはBell Ex Oneに水をあけられてしまっている感がある。Count Zeroは前々で運んだが、そこから抵抗できずに脱落して途中棄権。前々で運ぶ戦術はGrand Annual Steeplechaseと同様なのだが、3900メートルという距離が短いのか、Warrnamboolの独特の形態のSteeplechase Courseに適性があるのか、敗因は慎重に検討した方がよさそうだ。

 

〇 Sportsbet Bet With Mates Hurdle

Handicap. No age restriction, No sex restriction. BenchMark 120. Apprentices can claim. 3400m (Replay)

1. Affluential (NZ) J: Will Gordon T: John Leek Jnr

要はBM120 Hurdle。レースは白い馬体が目立つCleaverが前に行くも、その後ろにAlakahan、Affluentialとついて行く。そのままコーナーの下り坂を加速して回ったCleaverが前に出るも、直線を向いて外に回して出てきたAffluentialが直線抜け出して勝利した。

Affluentialは今年に入ってすっかりお馴染みの良血馬で、これで平地のMaidenやHighweightを含めて5連勝とした。今年に入ってHurdleを使ってきた馬で、それまで平地競争ではあまりいいところがなかったのだが、Hurdleを使ったことで元々の素質が開花してきたのであれば喜ばしいことであろう。オセアニアでもトップクラスの良血馬で、このような馬がHurdle競走に参戦し結果を残すことは業界にとっても良いことである。Affluentialよりもさらに外を回して伸びてきたPure Dealが2着。平地の実績馬Alakahanは内を立ち回っての3着で、道中やや行きたがって走る場面が散見され、これを警戒して馬群の中に入れていたものと思われる。Sandownのコース形態及びこのレースの展開を素直に外を回した方が良かったものと思われるが、これはもう少し落ち着いて走ることが出来ればといったところだろう。

 

Australian Hurdle

Handicap. No age restriction, No sex restriction. No class restriction. Apprentices cannot claim. 3900m (Replay)

1. Port Guillaume (FR) J: Tom Ryan T: Ben, Will & JD Hayes

ニュージーランドのLeaderboardが前に行く展開で、これを追いかけてRising Renown、Baziniなど。やや外を回していたChains of Honourがスタンド前から前に出てくる。最終コーナーから前に並んで行ったLeaderboardが先頭に出るも、直線を向いて内から出てきたPort GuillaumeがLeaderboardを突き放して勝利した。

Port Guillaumeは2022年にMaidenを勝った馬だが、その後Hurdle戦ではあまり上手くいかず再度平地に戻していた。今年はGelleywood HurdleでChais of Honourの2着に入っての参戦で、元々はメルボルンカップやフランダービー等への参戦歴がある馬が3900メートルへの距離延長で結果を残したことは興味深い内容である。レースとしてもややズブさを見せつつもTom Ryan騎手は内を効率よく立ち回ったことが上手くいったようで、Steeplechaseでもというところは期待できるかもしれない。ニュージーランドのLeaderboardが積極的に運んで2着。最後追い込んだLincoln KingがLeaderboardから僅差の3着に入った。Chains of Honourは積極的に前に出ていったが、距離的なことを考えるともう少し落ち着いて走りたかったように思われる。