にげうまメモ

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24/06/09 Weekly National Hunt / Jump Racing

 

6/3(月)

Racing Te Aroha @ Te Aroha (NZ) Heavy8

〇 Tajc Hospitality Hurdle MDN HDL 3100m (Replay)

1. Helena Baby (NZ) J: Nick Downs T: John Bell

Maidenも含めて比較的多数の出走馬を集めたこの日のTe Aroha開催。レースは前に行ったHeleba Babyがそのまま後続に大きなリードを付けて勝利した。Helena BabyはHurdleでは1戦1勝とした。平地ではG1競走でも好勝負した経歴があり、2020~2021年頃には香港にも遠征している。今年で9歳と年齢は重ねており、Hurdle初戦としてやや飛越にミスが目立っていたりと未熟なところはあったが、さすがに能力の高さを感じさせるレースであった。まだだいぶ引っかかって走るところがあるようで、もう少し落ち着いて走ることが出来ればより楽しみな存在になるだろう。いずれにせよ、このような馬が障害戦線に目を向けてくれるということは喜ばしいことである。

 

6/8(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.0)

Prix Des Drags (G2)

Steeplechase Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en steeple-chase, gagné un Groupe I. 4400m (Replay)

1. Jojo Lapin (FR) J: Gabin Meunier T: David Cottin

人気薄のHipster Paradiseがやや後続を引き離してリズムよく逃げるも、後半の難関障害Rail Ditch and Fenceにて落馬。MilanneとJojo Lapinの叩き合いはJojo Lapinに軍配が上がった。Hasard De Brionがやや遅れた3着。

MilanneやGrand Steeplechase De Paris (G1)で早々に落馬に終わったJojo Lapinをはじめ、上がり馬と実績馬という構図であったのだが、Toscana Du BerlaisやSpes Militurfといった実績馬が落馬したため、ややレースとしては解釈が難しいものとなった。Jojo Lapinは今年で5歳になる若馬で、4月のPrix William Et Alec Head (G3)ではImbatable Du Seuilの2着に入っている。とはいえ当時も人気を集めていたAlcyone Rougeが凡走し、Imbatable Du Seuil自身も上がり馬ということもあり、4歳Steeplechaseの重賞戦線であまりいいところがなかった同馬の力量の解釈としてはやや難しいものであった。DieppeやAuteuil、CompiegneなどのClasse3~2を5連勝して挑んで来た上がり馬Milanneが2着。前走AuteuilのHandicapを勝利したHasard De Brionが3着。2022年にCagnes-Sur-Merで重賞勝ちのある馬だが、その後Auteuilの重賞戦線ではさっぱり勝負にならずに終わっており、2年前から馬が変わってきたのであれば面白いのだが。

 

Prix Questarabad (G3)

Haies Pour tous poulains et pouliches de 4 ans, n'ayant pas, cette année, en courses de haies, gagné un Goupe I. 3900m (Replay)

1. Kandy Park (FR) (AQPS) J: Johnny Charron T: Mme Daniela Mele

例によってTunis産駒の牝馬Ella Duchicが後続を大きく引き離して逃げるも、早々に後続がついて来て向こう正面ではリードがなくなる。好位にいたKandy ParkがElla Duchicを交わして前に出ると、外から伸びたHesperiaを抑えて勝利した。

Kandy Park自身は重賞は初勝利とした。昨年11月のAuteuilでHaiesのListedにて2着に入っていたものの、今年はSteeplechaseに参戦し、今回はやや久しぶりのHaiesとなる。SteeplechaseではCompiegneのClasse3を勝利したもののその後のListed競走では4着に終わっており、将来的な路線としてどちらになるかは未知数といったところだろう。Clovis Du Berlais産駒の牝馬Hesperiaが2着。近走のListedクラスではあまり上手くいかなかったようだが、まだキャリア5戦と若い馬である。これがキャリア4戦目のAQPSであるKilt Ecossaisとともに伸びしろに期待したいところだろう。Tunis産駒のElla Duchicは途中で上手く息を入れる逃げを打ったが、スプリント勝負となるとどうにも厳しいようで、このクラスに入るともう少し色々と助けが欲しいところである。

 

Prix La Barka (G2)

Haies Pour tous chevaux de 5 ans et au-dessus, n'ayant pas, cette année, en courses de haies, gagné un Groupe I. 4300m (Replay)

1. Jeu De Thaix (FR) (AQPS) J: James Reveley T: Mme Daniela Mele

圧倒的に人気を背負ったJeu De ThaixがJeune Roi Bleuを引き連れて逃げる展開で、やや隊列は長くなる。そのまま元気よく逃げたJeu De Thaixが追いかけてきたLe Philosophe以下を振り切って勝利した。

Jeu De ThaixはこれでHaiesは4戦4勝とした。元々ロンシャンのAQPS限定G1を勝った馬で、昨年の段階では破天荒なレース振りが目立っていたのだが、ここに来てだいぶ落ち着いて走ることが出来るようになったようだ。少なくとも今回は4300メートルと、これまでの3600メートルからの距離延長に対応したことは歓迎すべき内容で、極端に引っかかってスピードに任せて走るようなところも解消されており、収穫のあるレース内容であったと言えるだろう。まだ5歳と若い馬で、秋に向けて期待したい一頭である。同じ5歳馬ではあるが、ここまでPrix Cambaceres (G1)での3着をはじめ重賞戦線で活躍した実績のあるLe Philosopheが2着。Listedクラスではお馴染みのSix Oneが3着。Grande Course De Haies D'Auteuil (G1)で人気薄ながら好走したHeloy Delabarriereが5着と、どちらかというとマイペースで運んだ実績馬を破っての勝利で、Jeu De Thaixの快勝はなかなか価値のあるものであるように思われる。これが長期の休養明け2戦目のjeune Roi BleuはJeu De Thaixの逃げについて行った影響か最後は失速しての6着だが、まだこれが3戦目と経験の少ない馬であることを考えれば頑張った内容だろう。

 

6/9(日)

Merano (ITA) Tempo Vario Terreno Morbido

Criterium Di Primavera Euro 50,050 TRIO

per cavalli di 4 anni (Siepi - Gruppo II - Fantini) 3500m (Replay)

1. Policasta (GB) J: Gabriele Agus T: Raffaele Romano

フランスからBeau CastleとKate Madrikの2頭を迎えて行われた。レースはいつもの勝負服のMadrileneが前に行く展開で、そのまま隊列は長くなる。しかし最終コーナー前からPolicastaがこれに接近すると、最後追い込んで来たBeau Castleを凌いで勝利した。

Madrileneがかなり強気に引っ張った影響か最後はほぼバテ合いの様相を呈している。PolicastaはRaffaele Romano陣営のイギリス生産馬で、Condizionataから連勝とした。今年2月のCriterium D'Inverno (G2)ではFirst Polarの3着に敗れていたのだが、前走はそのFirst Polarを破っての勝利ということで、地元イタリア勢として力をつけていたのであれば楽しみな存在になるだろう。フランスのBeau Castleが2着で、この馬自身2月のPauのListed競走では3着に入っていた存在であることを考えれば、勝ち馬の力量的にはそれなりに楽しみな存在になりそうだ。逃げたMadrileneも頑張って最後までついて来ての3着。勿体なかったのがスペイン生産馬のWambaで、終盤の障害の手前で内を抜けようとしたところをPolicastaにアタックされる場面があり、結果的にその障害で落馬に終わった。

 

Wroclaw (POL) płotowy - lekko elastyczny (2.8); przeszkodowy - lekki (2.5); 

〇 Nagroda Rutena 20000 zł

Cykl gonitw z płotami dla 3-letnich koni „Partynice-Służewiec”. Międzynarodowa gonitwa z płotami dla 3-letnich koni. 2800m (Replay)

1. Irydion (POL) J: Paweł Pałczyński T: Paweł Pałczyński

3歳Hurdle競走シリーズ"Partynice-Służewiec"の一環となる。レースは前に行ったIrydionがI Feel Good以下を振り切って勝利した。IrydionはこれがHurdleは初参戦、現役生活にして3戦目の実戦とあまり経験のない馬だが結果を残した。父はRutanとポーランドらしい血統の馬で、このような地元に根差した馬が勝ちあがることは喜ばしいものである。ただしレースとしては上手く前目で運んだ利も否めないだろう。イギリス人騎手James Bestが騎乗したI Feel Goodが2着に入り、ポーランド生産馬が1、2着を占める結果となった。ただしここまで平地競争を含めて実績のある馬は出走しておらず、レース水準の面では慎重に考えた方がいいだろう。

 

Nagroda Wrocławska Trial 24000 zł

Międzynarodowa gonitwa z przeszkodami dla 5-letnich i starszych koni. 4300m (Replay)

1. Haad Rin (FR) J: Niklas Lovén T: Robert Świątek

スタート地点でPallatiumが発馬拒否。レースはCosmic Magicがゆったりとしたペースで前に行く展開で、これにNitro、Ztracenkaとついて行く。Hurdleコースに入る辺りで内を回ったNitroがコースアウト。レースはHaad RinがZtracenkaを抑えて勝利した。

Nitroは内を回った影響でコースアウトしたことになったのだが、ついでにJadmirもこの煽りを食らってコースアウトということになったらしい。Haad Rinはこの路線ではすっかりおなじみになった馬で、今年の初戦Nagroda Otwarcia Sezonu Przeszkodowegoでは久しぶりのレースでSophistの3着に入っていたが、今回はきっちりと調子を上げてきての勝利となった。ここに来て勢いをつけていたチェコ牝馬Ztracenkaを抑えての勝利ということでその内容としては上々で、Meranoやフランス等あまりポーランド国外ではうまくいっていないのだが、この路線であれは引き続き楽しみな存在になりそうだ。そのZtracenkaが2着。Cosmic Magicが3着と、この路線の常連が上位に名を連ねた。Jadmirは着順としては4位入線ということで、もう少し脚の使いどころを調整できるようになればもう少しやれそうな印象がある。ポーランドのMageekはやや遅れての入線で、ここで勝負になるためにはもう少しレベルアップが必要そうだ。