にげうまメモ

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24/06/16 Weekly National Hunt / Jump Racing

 

6/11(火)

Sale (AUS) Soft7

〇 Ecycle Solutions Hurdle   

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim. 3296m (Replay)

1. Sky Hero (AUS) J: Aaron Kuru T: Amy McDonald

Buffalo Billが前に行く展開も、スタンド前で外からSky Heroが捲り上げる形で先頭に。2周目から後続が殺到し外からFrankenstar、Pure Dealなどが動いてくるも、再度盛り返してきたSky HeroがPure Dealを捉えて勝利した。

Sky Heroは昨年4月のHamilton以来の勝利とした。ただしその後はAustralian Hurdleを含めていいところなく終わっており、今シーズンのGalleywood Hurdleでも大敗に終わっている。今回はペースが緩んだところを途中から動いて行くAaron Kuru騎手の好騎乗もあったものと思われるが、どうにもレース運びを見ていると気難しいところがありそうで、引き続きいまいち信頼ができないというのがこの馬の定位置になりそうだ。強気に動いて行ったPure Dealが2着で、レース運びとしてはSky Heroよりも強気にロングスパートを掛けていった分、内である程度我慢をしたSky Heroに最後捕まったという内容だろう。

 

〇 Ecycle Solutions Steeplechase   

Handicap. Three-Years-Old and Upwards, No sex restriction. No class restriction. Apprentices can claim. 3296m (Replay)

1. The Mighty Spar (NZ) J: Aaron Kuru T: Mark Walker

レースはCarnamhがDuke of Bedfordを引き連れて逃げる展開。そのまま前2頭が元気よくペースを上げて引っ張るも、直線に入って外から出てきたThe Mighty SparがCarnamhを捉えて勝利した。

The Mighty SparはSteeplechaseは初勝利とした。前走はHamiltonのMaidenにてWil Johnの2着に入っているが、さすがに前走は相手が強すぎたといったところで、メンバー的にも楽になったここではといったところだろう。Mark Walker陣営がどこまでオーストラリアの障害競馬で続戦を選ぶかは不明であるが、前走この馬を大差で圧倒したWil Johnを含めて楽しみにしたい。HamiltonのHandicap戦を勝ったCarnamahが2着。That's IncranibullはThe Mighty Sparから前を追いかけていったが、終盤で飛越のミスがありそこから置いて行かれての3着。そのCarnamahの2着に入っていたDuke of Bedfordは今回はCarnamahに後れを取っての4着に終わった。Blood And Sand以下の後続は前の集団には肉薄できずに終わった。

 

6/15(土)

Auteuil (FR) Tres Souple (4.1)

Prix Christian De Tredern (G3)

Haies Pour pouliches et juments de 4 et 5 ans, n'ayant pas, cette année, en course de haies, gagné un Groupe I. 3600m (Replay)

1. Jiulietta Ghia (FR) (AQPS) J: James Reveley T: Mathieu Pitart

大きめのシャドーロールを付けたJiulietta Ghiaが軽快に引っ張る展開で、これにAthena Du Luyがついて行く。コーナーを回ってGreymが前に接近してくるも、個々から再度加速したJiulietta GhiaがAthena Du Luyを振り切って勝利した。

Jiulietta Ghiaは元々AQPS限定の平地G3を勝利した馬で、障害重賞は初勝利とした。ここのところはSteeplechaseに参戦しており、前走はAuteuilのClasse2を勝利している。今回は久しぶりのHaiesとなったが結果を残した。ひとまず軽快にスピードを生かして押し切ったという内容だが、瞬間的なスピード能力に長けた馬というわけではなさそうで、もしかすると再度Steeplechaseに向かうという可能性もありそうだ。番手から追いかけたAthena Du Luyが2着。春にListedクラスを連勝したRoyale Milady Hasはどうにも前半の飛越がいまいちで、最後は追い上げてきたものの3着に終わった。この辺りの面々の近走成績を考えると、Haiesの重賞としての水準はやや疑ってかかった方がいいかもしれない。

 

Strömsholm (SWE) Steeplechase god, Häckbana god,

Svenskt Champion Hurdle

För 4-åriga och äldre hästar som har fullföljt minst en häcklöpning eller en steeplechaselöpning vid viktdatum. 3700m (Live Streaming) (Replay)

1. Monsieur Vic (FR) J: Kevin Parkin T: Sigyn Dysell

例によってこの日はHindersport - Svensk GaloppYoutubeチャンネルで競馬中継の配信が行われた。川に隣接した緑豊かで美しいStrömsholm競馬場には多数の観客が集まっている様子が確認できる。レースはLatourが前に行く展開も馬群は密集して進行。番手にいたImpact of Bloomがやや引っかかり気味に前に出て押し切りを図るも、これについてきたMonsieur Vicがこれを捉えて勝利した。

Monsieur Vicは一昨年のこのレースの勝ち馬で、絶好調であった昨年はこのレースに限っては一頓挫あった影響で回避に終わっていた。今年の始動戦となったSwartlings MemorialではImpact of Bloomに敗れていたが、叩き2戦目で改めてこの馬の強さを見せる結果となった。ひとまずこの路線のチャンピオンが戻って来たということで喜ばしい内容ではあるのだが、とはいえ全体で4頭立てでスウェーデン国外からの参戦はなく、Monsiuer Vicが2022年に勝利した際からも賞金額も1割減となっていたりと、やや状況としては心配な内容となった。上がり馬のImpact of Bloomは途中から前に出て運んだがMonsiuer Vicから僅差の2着。Latour、Sankt Pederとそれなりに差のない入線で、全体的に勝負に加わることが出来ない馬が出走していなかったという点では質の高いレースが行われたと言えよう。

 

Svenskt Grand National

För 5-åriga och äldre hästar hästar som har fullföljt minst en steeplechaselöpning vid viktdatum. 4500m (Live Streaming) (Replay)

1. Pretty King (FR) J: Niklas Lovén T: Grzegorz Wroblewski

スウェーデンのSteeplechaseとしては最高峰のものとなる。Don Diabloの出走取り消しがあったものの、チェコの名伯楽Grzegorz Wroblewskiが管理するPretty Kingの参戦があった。レースはLast Referenceが前に行く展開で、番手からFrench Warrior、Pretty King、Three Is Companyと続く。十字路の前の障害でThree Is Companyの騎手が落馬。そのままLast Referenceは軽快に引っ張るも、やや空馬の煽りを食らったところでPretty Kingが先頭に。そのままPretty Kingが再度追いかけてきたLast Reference以下を突き放して勝利した。

Pretty Kingは昨年末のWroclawにてNagroda Marszałka Województwa Dolnośląskiegoを勝利してきた馬で、その前にはMeranoのPremio Piero E Franco Richard (G3)にも参戦がある。昨年の段階ではそれなりにコンスタントに走ってきた馬ではあるのだが、とはいえ今シーズンはWroclawで2戦するもいずれもいいところなく終わっており、ここに来て調子を上げてきていたのであればレースの内容としては良いのだが、ややこの馬の次走以降の走りには注意した方がいいかもしれない。昨年SHS Silverkannaを勝ったLast Referenceが2着。途中で空馬の煽りを食らったのは勿体ない場面であったが、Pretty Kingのここ2走の走りを考えるともう少し抵抗して欲しかったといったところがある。French Warriorが3着。この路線の常連Three Is Companyは躓いて落馬に終わった。スウェーデンのSteeplechaseとして全体的に実績のあるメンバーが出走していなかったとはいえ、来年は賞金額の増額とともにメンバーが集まることを期待したい内容となった。

 

Waikato Thoroughbred Racing @ Te Rapa (NZ) Heavy10

Fairview Motors Waikato Hurdle OPN HDL 3200m (Replay)

1. Berry The Cash (NZ) J: Portia Matthews T: Mark Oulaghan

例によって元気よくEnglish Gamblerが飛び出して後続に大きなリードを取って逃げる展開となるも、2周目の向こう正面から後続を引き離して進出したBerry The Cashが接近。残り2障害で落馬したEnglish Gamblerを尻目にSmugに11馬身差をつけて勝利した。

Berry The Cashはこれで今シーズンはJumpers' Highweightを含め3連勝とした。昨年はGrand National Hurdle (PJR)を勝利した上がり馬だが、今回は上手く逃げたEnglish Gamblerをただ一頭捕まえに行ってのレースで、今シーズンはめっきりこの路線の筆頭格としての力量を見せる内容となった。引き続きRiccarton Parkに向けて楽しみな存在となるだろう。勿体なかったのがそのEnglish Gamblerで、中盤でのペース配分がカギとなる馬なのだが、今回は後続に対してうまくリードを保ったまま直線に向いており、落馬に終わる地点までBerry The Cashに食い下がる走りを見せていた。OPN HDLクラスでこのレースが安定してできるようになればもう一段回上のクラスに行ける可能性もあるのだが。昨年のGraet Northern Hurdle (PJR)を勝ったNedwinはこれが今シーズンの初戦であったが、中段から足を伸ばし切れず4着に終わった。既に9歳とそれなりに年齢的には重ねており、これを叩いて良くなって来ればといったところなのだが。

 

Signature Homes Waikato Steeplechase OPN STP 3900m (Replay)

1. The Cossack (NZ) J: Hamish McNeill T: Paul Nelson & Corrina McDougal

The Cossackが逃げるもこれにTorque Timeが絡んでいく展開となる。途中からこの2頭で後続を大きく引き離すも、そこからThe CossackがTorque Timeを振り切りにかかる。そのままThe Cossackが付いてきたHey Happyを凌いで勝利した。

The Cossackはもはやここ数年のニュージーランドを代表するチャンピオンホースで、今回も73kgという厳しい斤量を背負っての勝利となった。昨年はWest Coastとの名勝負を繰り広げたことでこの路線を盛り上げたが、10歳と年齢を重ねた今年も元気そうで、引き続きチャンピオンとしての活躍を期待したいところである。Hey Happyは展開を利して一気に進出したが、そこからの粘り腰の点においては勝ち馬を褒めるしかないだろう。やや行きたがって走るような場面もあり、まだよくなる可能性のある馬である。Torque Timeは勝ち馬に対して真っ向勝負を挑んでいったが、最後は大きく脱落しての3着。最終周はほぼ1周丸々Torque Timeが競って行ってまだ余力が残っているのだから勝ち馬の力量は相当なものである。